軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

鉄と体は熱いうちに打て?

次の目的地はイグライト鉱山。

ミリータちゃんの鍛冶でのアイテム強化はやっぱり鉱石を使うらしく、そうなれば狙わない手はない。

ガンドルフの町を出てから数日、その間にクリア報酬でかなりの数のステータスアップの実が手に入った。

そして嬉しい誤算はミリータちゃんだ。

ドワーフは人間より基礎ステータスが高いから、レベルが上がっただけでもステータスがガンガンが上がっていく。

特に攻撃と防御の伸びが凄まじく、レベル3から10までの間に100近く上昇した。

半面、やっぱり魔攻と魔防はあまり伸びない。典型的戦士タイプだ。

今は一日を終えて、コテージで休んでいるところだった。

時間短縮のため、一緒にお風呂に入っている。

「マテリさん、魔法のコテージなんて持ってたなんて驚きだぁ」

「やっぱりすごい代物?」

「すごいどころか実在するかどうかもわからねぇものだ。オラもこの目で見るまで作り話だと思ってたくれぇだからな」

「確かにこれがあれば野営で困ることなんかないもんね……」

冒険者は野営一つにも苦労しているというのに、私はこんなものでぬくぬくしているわけか。

聞いた話だと市場には使い捨てのコテージなら出回っているらしい。

ただし使い捨てな上に風呂やキッチンもなく、モノにもよるけど通気性や耐久性も低い。

しかもかなり値が張るということで、よほど稼いでいる冒険者じゃないとまず買えないらしい。

RPGで言えば、いつでもどこでも何回でも回復できるアイテムを手にしたようなものだ。

クリア報酬、改めて恐るべし。

「マテリさんはここじゃねぇ異世界から来たらしいだな。異世界召喚かー……そんなもんにこの国の王様が手を出すなんてなー」

「あー、なんか思い出したら腹立ってきた。いつか報復したいな」

「それはやめておくべ。王国を敵に回しちゃいけねぇ。特にあの閃光のブライアスはマジでやべぇだよ」

「閃光のブライアス? そういえば、ガンドルフの町でもその名前を聞いたような?」

「王国兵団の総隊長ブライアスだべ。すべての攻撃を必中で当てられる閃光スキルの持ち主で、人でも魔物でもこいつに狙われて生きていた奴はいねぇって話だ」

「うん、やっぱり報復とかよくないよね」

大切なのは過去よりも今だ。

風呂から上がろうとした時だった。

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新たなミッションが発生!

・ミリータの背中をながす。報酬:すごいパンツ

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「ミリータちゃん。背中ながしてあげよっか」

「へ? 突然どうしただ?」

「いいからいいから」

報酬が過去一よくわからないものだけど関係ない。

そこに報酬があるんだからしょうがない。

ミリータちゃんの背中をながしてあげると、小さいながらなかなかの体つきだった。

人間とは体の構造が違うのか、触って初めてわかる体の硬さ。

筋肉量がすごいのかもしれない。

「あ、あの、くすぐったいだ……」

「あ、ごめん」

「次はオラが流すだ」

「え、それはミッションじゃ」

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ミッションクリア! すごいパンツを手に入れた!

効果:何度使用しても汚れない。

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手に入れたパンツはそっと脱衣所に放り投げた。

洗濯が地味に面倒だったから助かる。

レセップ、ガンドルフの町でもらった報酬も大切にしないといけないから生活資金の節約につながるのは大きい。

「じゃあ、いくだ……トンテンカーーーーン!」

「ぎゃあぁぁーーーー! もっと優しく!」

「何を言うだ! 鉄も熱いうちに打てば強くなるだ!」

「私は鉄じゃなぁいいいぃーーーー!」

たまらず逃げようとしたところでものすごい力で押さえられた。

私のステータス、けっこう高かったはずなんだけど!

あ、そういえば攻撃の実をあげたんだっけ――。

「仕上げだぁーーー!」

「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!」

結局、押さえつけられて体の隅々まで洗われてしまった。

懲り性なのか、頼んでないことまでやってくれたみたい。

おかげで入浴なのにヒールリングを使う羽目になったとさ。

* * *

イグライト鉱山。

昔は鉱山町として賑わっていて、国内でも有数の鉱山だったけど今は廃坑になっている。

しかも発掘しまくったせいで中は天然の大迷宮で、二十歳で迷い込んだ冒険者が出てきたころには中年になっていたなんてお話もあるとか。

嘘か誠か知らないけど、その利便性の悪さで廃坑になったとも言われている。

そして魔物が生息しているのはもうお約束。

「ここはやめたほうがいいと思うだ……」

「私にはこれがあるからね」

ダンジョンマップ。

おかげで中に入るとマップが光りだして、鉱山内の構造が描かれた。

網目状、あみだくじ、ジクザグ。無数の分岐が広がる鉱山を見ただけで確かに辟易する。

これは地図なしじゃ遭難するよ。

でもまだ手付かずのお宝の反応もあって、私のモチベーションは爆上がりだ。

「リスクを恐れる人間に栄光を手にする資格はない。私の世界にあった言葉だよ」

「まぁ当たり前だなぁ……」

かっこよく決めたのにそういうこと言う。