軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

15、ライトとダンジョンへ

ダンジョン潜入授業の初日。

エフィナとライトが先行して学園内ダンジョンへ潜入した。

するとライトは申し訳なさそうにしながらエフィナに誤ったのだ。

「正直なところ……今回は守れる自信がない」

「え?」

「だが迷惑はかけないよう最善を尽くすつもりだ」

エフィナの思考が一時的に止まっていた。

(もしかしたらファーゼント殿下は過去のことを知っているのかもしれない……)

そう期待せずにはいられなかったが真相を聞くのが恐れ多く、なにも聞き返すことはなかったのである。

ダンジョンは地上とまるで別の世界の空間になり、緊張感が高ぶるのが普通であるが、二人にはそれが全くなかった。

「ああ……やっぱりこの感じが落ち着くわあ」

「ダンジョン内でそんなことを言うのは世界中でエフィナくらいだろうな」

ライトが半分呆れ気味ではあるが、残りの半分はエフィナへの好奇心がさらに増すのであった。

「ところで、私とファーゼント殿下の二人でダンジョンに入って、どうすれば良いんでしたっけ?」

ダイエット目的で運動をしたいエフィナ。

だが、今回はライトが一緒ということもあり、派手な運動は控えようと思っていた。

「王立学園としてはモンスターの素材を欲しているから、より深い層でのモンスターを回収することだろう。俺もよりレベルを上げるために今までより深い層で狩りたいと思っている」

「そざい?」

「今まで倒したモンスターをストレージ(アイテムボックス)に回収しなかったのか?」

「いえ、おいしそうな相手だけは非常食として収納していました。収納しておけばなぜか腐らないし便利ですよね」

エフィナは今までモンスターを倒すことと、非常食の回収だった。

フォゲルダ公爵家で生活していた頃は、エフィナにだけろくな食事を与えられず飢えそうになっていた。

だが、モンスターの肉を焼いて食べることでそれを凌いでいたのである。

「王立学園がなぜ無償提供なのか知っているか?」

「いえ、わかりません」

「ダンジョン内で無限に生まれるモンスターは食料としてだけでなく、素材としても、そして資金源にもなる。生徒自らダンジョンでモンスターを狩り持ち帰り、その一部を王立学園に提供することで学費の一部として貢献しているんだ」

「へぇ。気持ち悪すぎるスライムも……?」

「ああ、そうだな」

エフィナが一番討伐していたのはスライムである。

エフィナが潜っていたダンジョンにおいて、スライムの数だけが年々尋常じゃないほど増え続けていた。

気持ち悪く思いながらもダイエットだと割り切って踏破しながら深くへ潜る……ということを繰り返していたのである。

「スライムだけは気持ち悪くて、どうしても収納する気になれないんですよね」

「気持ちはわかる。だが、放置するわけにもいかないだろう」

「はい?」

ライトの言っている意味がわからなかったエフィナだが、特に気にしていなかったため話を流してしまった。

「ところでどのあたりまで潜る?」

「転移門を使えば割と深くまで行けちゃいますけど、ファーゼント殿下はどのあたりまでを望んでいますか?」

「正直なところ、昨日エフィナが眠ってしまっていた層まで潜るのは危険だと思っている。残念ながら今の俺ではどうすることもできないだろう……」

エフィナはホッとしていた。

昨日はミモザの変装ではあったが、今日のライトは本物。

そして本物のライトは自身の実力にとても正直だった。

「では、ファーゼント殿下のお望みで」

「そうだな……。俺の可能な範囲であれば昨日エフィナが三層にて一瞬で倒した狼くらいだろうな」

「わかりました」

「だが、俺では全く役に立たないことは承知の上だが見てみたい。エフィナがドラゴンを倒しているところを」

「……そうなのですか?」

「エフィナが頑張っている姿は目に焼き付けておきたくてな」

「ふぇっ!?」

エフィナとしてはダイエットしているところはあまり見られたくはない。

だが、頑張っている姿と推しに言われてしまっては、むしろ浮かれてしまう。

「じゃあ昨日行ったところあたりで」

「ああ。俺も可能な限りではあるが善処する」

エフィナ流ダンジョンにおいての鉄則。

それは無理をしないこと。

ライトが控えめな発言をしていたことで、エフィナはある程度安心していた。

いざとなったら帰還の指輪で逃げてくれるだろうと。

だが、ライトは人差し指に帰還の指輪を装備していないことをエフィナは知らなかったのである。