軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

いくら貴族のパーティーでも、何日か続けば

年明け2日から行われるパーティーは、3日間続く。

最初のパーティーは、デビュタントを迎える子供達が主役のパーティー。

2日目は高位貴族中心のパーティー。

3日目は選ばれた低位貴族と大商会主中心のパーティー。

デビュタントで緊張と疲れが残る子供達を同伴する親は少なく、2日目からは酒の量と種類も増える。

何が言いたいかと言うと、年末年始に身を慎んで、デビュタントの子供達の見本たるべく己を律していた枷が外れた大人達は、始末が悪かった。

特に3日目のパーティーは、貴族とは言え所詮低位貴族。

城に登城出来るのは、年に一回のこのパーティーだけ、と言う人がかなり多い。

王都から遠い地方に住んでる低位貴族だと、距離と予算の関係で、貴族になって何年もたってから初めてパーティーに参加したって貴族も居る。

見栄を張って無駄に着飾った姿はまるでピエロのよう。

普段の生活の中では気にしたことも無い、肌の黒さと荒れ具合を隠すために厚みを増す化粧。

王城に居る緊張と興奮に、いつの間にか酒の量が大変な事に。

結果、泥酔した挙げ句のやらかしが半端ない。

こっそり参加してた高位貴族のヅラを投げ捨てる者が居て、気に入った若い貴族を摘まみ食いしようとした高位貴族のご婦人が、部屋に引き込んだ若者に裸のまま逃げ出され、敵対関係にある低位貴族同士が意気投合して、声高に己の上司にあたる高位貴族の悪口を愚痴り、ご婦人方の陰口が最早陰に隠れていない。

そんな様子を大商会の、パーティーに参加を許された商人達は、抜け目無く情報収集している。

主催のために強制参加のアールスハインに、酔っぱらって絡む令嬢の多い事多い事。

たまに俺を捕獲しようとする者が、バリアに弾かれて無様に転けて、怒り出す事も数回。

そんなカオスなパーティーもやっと今日で終了。

おはようございます。

怒涛の3日間を終えてグッタリ気味の俺です。

パーティーに参加した貴族達は、2日間の休みを挟んで、今度は自分の家で主催したりお呼ばれしたりのパーティーがあるそうです。

何故2日間休むかと言うと、お城のパーティーでのやらかしを、挽回しようと手紙を送ったり贈り物を手配したり、誰が何をしたかを情報収集してから、パーティーの最終準備をするからだそうです。

お城にも結構な量の詫び状と贈り物が届けられているそうです。

俺を捕獲しようとして、失敗した貴族からの贈り物も来てました。

菓子ばっかりで、一個も食えなかったけどな!

メイドさん達に分けたら、凄い感謝された。

アールスハインの所には、令嬢からの刺繍入りハンカチとか手紙とか、謝る気よりもお近づきに!って下心の方が強目。

お疲れのアールスハインと助は、今日から再開される騎士団の訓練に参加しに行った。

ストレス発散ですな!

俺はシェルを伴って、料理長の所へ相談に。

「りょーりちょー、しょーだんありまつ!(料理長、相談が有ります!)」

「おう、ケータ様今度は何だ?また新しい料理か?」

ニコニコ寄ってくるゴリゴリマッチョ。

本物の幼児ならギャン泣きしそう、と感想を抱きながら、

「あたりゃちーちょーみりょーもりゃったかりゃー、あじみちてー(新しい調味料貰ったから、味見して)」

「ほう、新しい調味料か、ケータ様はそれをどうやって使うか知ってんのか?」

「ちってりゅー、じゅっとしゃがちてたやちゅ!(知ってる、ずっと探してたやつ!)」

「ケータ様がずっと探してたやつとは、そりゃ期待出来そうだ!」

そう言って調理場に招かれて、

「まず何すりゃ良い?」

って聞かれたので、ずっと食いたかった物をリクエスト。

「しゃかなやいてー、あとだーこんおりょちー!(魚焼いて、あと大根おろし)」

「魚?焼けば良いのか?何の魚でも良いのか?」

「しゃかなはにゃんでもいー、れも網でやーて!んでだーこんおりょちー(魚は何でもいい、でも網で焼いて!んで大根おろし)」

「網でねぇ?それとダーコンを、すりおろす」

大根がダーコンって野菜だったのは笑った思い出。大きさがやっぱり凄かったけど。

身長が2メートルある料理長の太股より太いって!

サクサク進む料理に、シェルも他の料理人も興味津々。

料理人さんが、自分の仕事をしながらチラチラみてるので、たまに指を切ったりしてる。

程なく出来上がった魚の網焼き。ダーコンおろし付き。

このお城の食事はパンと肉主体なので、魚は滅多に出ない。

魚は庶民の食べる物って印象があるらしい。

王都から海までは、三日程掛かるので、冷蔵冷凍技術の無い王都では、川魚しか出回ってないしね。

それでもここに有るのは、完全に料理長の趣味。

「ほい、出来たぞケータ様。んでこれをそのまま食うのか?味付けしてねーぞ?」

「じゃじゃーん!しょーゆ~(ジャジャーン!醤油〜)」

リュックから取り出した醤油を、料理長に掲げ、自慢する。

それをダーコンおろしにかけて、ダーコンおろしごと魚の身をパクリ!

「んま~い!」

久しぶりの味にジタジタしていると、シェルがすぐ近くで匂いを嗅いでいる。

そんなシェルに、ダーコンおろしと魚の身をあーん。料理長にもあーん!

「「旨い!」」

二人が同時に叫ぶ。

「何ですかケータ様これは!私、魚はあまり得意ではないんですが、この魚は生臭さが全く無く、香ばしくしつこくない塩辛さ、ダーコンおろしが更に魚の油をサッパリさせてくれて!魚が!大変美味しいです!」

「おうおうケータ様よ!またスゲーもん持ってきたな!こりゃどんな料理にも使える調味料だろ?アハハハハッこりゃおもしれー!」

二人が大興奮です。

醤油がお口に合って良かったです!

「んで、ケータ様よ、これはどこで手に入る?」

「あまてこきゅのおーじしゃま(アマテ国の王子様)」

「?アマテ国ってーと、あの島国の?」

「ええ、そのアマテ国の王子に分けて頂いた調味料です」

「へー、確かにあの国は魚と芋が主食って話をどっかで聞いたな?」

「しょんでー、こんどしゅしゃにゃおーじにあうとちに、しょーゆのかりゃあげちゅくりたいのー、こめもわきぇてもりゃうから、りょーりちょーいっしょいきゃない?(そんで、今度スサナ王子に会う時に、醤油の唐揚げ作りたいの、米も分けてもらうから、料理長一緒に行かない?)」

「…………………こめが何かは知らねーが、確かにこのしょーゆとか言う調味料は、唐揚げにしたら旨そうだ。よし、そん時は俺も行こう!」

「おおー!かりゃあげつくりゅとちにしょーゆちゅかーかりゃ、きょーはこりぇだけにぇ!(オオー!唐揚げ作る時に醤油使うから、今日はこれだけね!)」

と、小皿に少量の醤油を垂らし、調理場を後にした。

部屋に戻り、シェルに、

「しぇるー、おてまみかきゅー(シェル、お手紙書く)」

すかさずレターセットを出してくれながら、

「どなたに手紙を出されるのですか?」

と聞かれたので、

「でぃーぐでぃー」

「ああ、成る程。しょーゆの販売経路確保ですね!流石ケータ様」

褒められました。

コネで何とかしようとの算段です!

王様とかには、料理長頑張って!

手紙を書き終わったところでアールスハインが訓練から戻り、ちょうど良い時間なので昼食。

今日からは、朝と昼はバラバラでとる。

皆忙しいからね。

アールスハインの部屋のリビングで、シェルに給仕してもらって、食べながら午後の予定を話す。

アールスハインは、年明け早々なので、まだそんなに仕事無いので、魔法の訓練をするそうです。真面目。

暇な俺も一緒に行きます。

魔法庁の訓練所に行くと、何人かの魔法庁職員が訓練してて、軽く挨拶を交わし訓練。

ここへ来ると高確率で遭遇する、怪しい男ジャンディスが今日は居ない。

行動も言動も見た目も怪しい男だが、あれで魔法庁副長官らしいので忙しいのだろう。

アールスハインと助が、魔法剣から魔法を撃つ訓練をして、それを俺はバリアで防いでいる。

反撃された自分の攻撃魔法を避けながら、更に攻撃魔法を撃つ訓練。

威力はまだ普通の魔法玉と同程度。

俺は二重のバリアを張って、バリアの強度調節。

たぶん俺が魔力切れをおこす事は無いけど、適切な魔力量で魔法を使うのは、コントロールの訓練にもなるからね。

慣れてくると退屈な訓練なので、バリアの中で内職もしてます。

内側のバリアは半透明にして、中をボンヤリとしか見えないように調節。

マジックバッグをせっせと量産しております。

マジックバッグは、この国の今、一番の目玉商品で、見せるだけでまだ販売はしていない。

何か功績を残した人への褒賞に使われたりしている。

テイルスミヤ長官が解析に成功して、その説明を聞いた何人かの職員が、作れるようにはなったけど、まだ失敗が多く安定して量産は無理なので、俺も手伝っています。

報酬額が大変な事になってるけどね!

内容量はそんなに大きく無い。

イングリードが五人入れるくらい。

それでも他国で売れば、億の金が動くって言うんだから大変。

今の所、王様からの贈り物を売り飛ばす愛国心の無い人は出ていないけどね。

職人の手で丁寧に作られた革の鞄の内側には、王家の紋章が小さく魔法刻印されてて、何時、誰に何の褒賞で贈られた物かも書いてあるから、下手に売れないってのもあるけどね。

この鞄を、パーティーなんかで態と開け閉めして刻印を自慢する貴族も居るらしい。

そんなマジックバッグを、安定して量産出来るのが、今の所俺だけなので、内職にはピッタリ。暇も潰せてお金も貯まる!

行く行くは軍の装備品としても置きたいらしいけど、そこまではお手伝いしません。

訓練で汗をかいたアールスハインのついでに、俺も風呂に入れられた。

夕飯は、パーティーで出掛けているクレモアナ姫とイングリード以外は揃って食べた。

クレモアナ姫が居ないので、アンネローゼがここぞとばかりに、食べる前からパンと肉を追加しようとして、リィトリア王妃様に逆に半分に減らされてた。