軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

草原演習2日目

おはようございます。

今日の天気は雨です。

演習中は、常に飛んでる俺にはあまり関係ないけど、歩きにくそうな天気です。

着替えて食堂で朝ご飯を食べたら、馬車に乗って草原へ。

雨で視界が悪い中出発。

草で滑るのか、たまに体勢を崩す皆。

雨だからかは分からないが、獣系の魔物が少ない代わりに、やたらとスライムが多い。

しかも緑色だけでなく水色のスライムも出てきた。

水色スライムは、水魔法を使い水弾を放ってくる。

バリアで防げる程度の威力だが、ビックリするので止めて欲しい。

まぁ仕返しに瞬殺してやるけどね!

昼休憩までに30匹はスライムを狩って、バリアで雨避けをして昼食。

いつものホカホカにした携帯食料は、雨で冷えた体に有難い。

ユーグラムも練習したのか、自分の分を暖めようとしたが、お湯が多くてベチャベチャになったり、なぜか更に固くなったりしてた。

反省の為にって、とても不味そうに食べてたけどね。

バリアの下で休んでいると、一匹のスライムがバリアの中に入って来た。

傘の様に下は開いたバリアなので、入って来ること自体は不思議では無いが、自ら近付いてくるスライムは珍しい。

大概のスライムは、半径1メートル以内に動くものが来ると、攻撃をしてくるのだが、元々移動中でもない限り、自ら攻撃をしてくる事は滅多に無い。

今、バリアの下に入って来たスライムは、攻撃するでも無くただプルプル揺れているだけで、黒い靄さえ無い。

奇妙なスライムに、最初は警戒していた皆だが、揺れてるだけで、一向に攻撃して来ないスライムに困惑するばかり。

見た目が可愛くて、害が無いものを攻撃するのは躊躇われて、無言で見つめる事しか出来なかった。

俺は?勿論近付くよね!念のためバリアは強目に張ってるけど、見たこともない乳白色のスライムの前にしゃがみこみ、指先でツンツンしてみる。

スライムの方も、触手を伸ばして俺の膝の辺りのバリアをツンツンしてくる。

楽しくなってきた俺は、バリアを解いて両手で撫で回したが、特に攻撃されることも無く、ソラも興味を持ったのか、軽い猫パンチを繰り出すが、触手で軽く返されただけで、攻撃と言う程でも無く、じゃれあいの域を出ないものだった。

そんな俺達を見た、可愛いもの好きなユーグラムが、我慢出来ずに交ざってきた。

暫くの間戯れていたが、そろそろ出発の時間。

名残惜しいが、行かなければいけないので、傘のバリアを解いて、歩き出すと、俺達の後をプヨプヨ跳ねながらついてくるスライム。

早足で歩いても必死についてくるので、ユーグラムが耐えられず抱え込んだ。

が、ユーグラムに抱えられたスライムは、手を伸ばす様に俺に向かって触手を伸ばしてくる。

触手を掴むと、ニュルンと触手を伝って本体を移動して、俺の所に来た。

突然腕の中から消えたスライムに驚くユーグラム。

掴んでいた触手が突然本体になったので、重さでバランスを崩し落ちそうになった俺をキャッチしたアールスハイン。

腕の中で揺れるスライム。

「懐かれちゃったね~」

ディーグリーの言葉に、何とも言えない空気になると、ソラがスライムに向かって何かを話す様にニャゴニャゴし出すと、スライムは一瞬ピカッと光って、その姿を縮めた。

元々バスケットボール位の大きさだったのが、今はピンポン玉位になった。

「……ソラちゃんてば、小さくなれば連れてってくれるって教えたのかな~?」

「そうとしか思えないですね」

「スライムって何食べるんだ?」

「基本何でも食べるけど、この子は普通のスライムっぽく無いから、何だろ~ね~?」

「ケータ様に懐いたんですから、ソラちゃんと同じなのでは?」

ユーグラムがそう言うので、毎晩寝る前にソラに魔力をあげる様に、魔力の玉を造りスライムに近付けると、嬉しそうにプルンと小さく跳ねて魔力玉を取り込んだ。

「………………良いみたいだな」

飼うことが決定しました。

なぜかペットが増えました。

ユーグラムがとても羨ましそうに見てきますが、俺のせいじゃ無いですよ?

スライムは、人に触られるのを嫌がらないので、ユーグラムにスライムを差し出すと、スライムも分かっているのか、元の大きさに戻り、嬉しそうに受け取ったユーグラムに大人しく撫で回わされていた。

その後は昨日と同じ様に魔物を倒しながら進み、野球ボール位に縮んだスライムも、ユーグラムの胸ポケットに入ったまま、触手を伸ばして、緑色や水色のスライムを一撃で倒して、一同ドン引きしたりしたが、問題もなく拠点に到着した。

拠点にはもう殆どの班が揃っていて、怪我人が多くいたが、俺が手伝う程重傷な者は居なかったので、スルーした。

査定の列に並ぶと、昨日もいた副ギルドマスターさんが、期待に目をギラギラさせて待ち構えていて、ちょっと怖かった。

俺のスライムが倒した緑色や水色のスライムは、なぜか核だけを貫いて、中身の液体も残したままの形で死んでいたので、そのまま持ってきたが、スライムの中の液体は、貴重な薬の原料になるらしく、副ギルドマスターさんは泣いて喜んだ!かなり怖かった。

スライムだけで50匹を超える獲物の数に周りがザワザワする。

今にも踊り出しそうな副ギルドマスターさんの査定を終える頃に、最後の班が到着。

爽やか君達の班で、3人とも両手どころか背中や首にまでスライムの皮?を大量にぶら下げて帰って来た。

その姿に令嬢達が引き攣った顔をしていたが、お構いなしで副ギルドマスターさんの所に向かった。

副ギルドマスターさんは、大量のスライム素材に喜んだが、皮?だけなので、踊り出しそうな程ではなかった。

全員揃ったので学園に帰ります。

ガッタンガッタン揺れる馬車に乗っていたが、草原を抜ける直前で馬車が急停車する。

大きく揺れた馬車に、俺の体が吹っ飛ぶが、どこかにぶつかる前に飛んで回避する。

外に出て見ると、複数の小汚い男達がいて、誰かが盗賊だ!と叫んだ。

いるんだ盗賊。

と眺めていると、確かに手に刃の欠けた武器を持っているが、特に強そうなのは居なかった。

一番大柄で、一番偉そうに後ろにいる髭もじゃのヤツが、

「お前ら、命が惜しければ武器を棄てて、両手を後ろに組め!大人しくしていれば命は助けてやるから、無駄な抵抗はするんじゃねーぞ!」

ガラッガラの痰の絡んだような声で叫ぶので、思わずオェってなった。

令嬢達も、小汚い姿に嫌悪の眼差しを向けている。

当然俺は男達の姿を見たと同時に馬車周辺に内側からだけ見えるバリアを張った。

嫌悪の視線を向けるばかりで、一向に武器を棄てる素振りすらしない俺達を見て、気の短い何人かが、近くの生徒に斬りかかるが、バリアに弾かれて逆に尻餅をつく。

その姿に令嬢達がクスクスと上品に笑うと、大柄な髭もじゃ男が、周りを押し退けて斬りかかって来た、がやはり弾かれて後ろに倒れ込む。

何が起きているのか分からないのか、何度か斬りかかって来たが、漸くバリアの存在に思い至ったのか、頻りにバリアを叩いている。

切ってもダメなのに、叩いて割れる訳が無いだろうに、と呆れて見ていると、ユーグラムが、広範囲に魔法を放った。

バタバタ倒れていく男達。

どうやら意識は有るようで、麻痺の魔法を使ったらしい。

男達が全員倒れこみ、安全が確保された頃に、最後尾の馬車から教師と複数の冒険者が駆けて来た。

麻痺している男達を見て冒険者が、

「お前ら、相手が誰か確めもせず襲ったな?この馬車は学園の演習生の馬車だぞ、お前達が敵うわけ無いだろうに」

演習生の馬車を襲うのは、考えなしのアホだけであるとこの辺では有名で、過去に何度か有った襲撃も、全て返り討ちにあった上に、高位貴族の令息令嬢がゴロゴロ乗っている馬車を襲った事で、未遂だとしても、通常とは比べ物にならない位の重い罰が下る。

そんな事情から冒険者は、盗賊達に同情とも言えるような憐れみの視線を向けていた。

盗賊の頭目らしい髭もじゃ男は、演習生と聞いて顔を青くしていた。

冒険者に縛り上げられ、引き摺られる様に連れていかれた盗賊。

特に思う事もなく、馬車に乗り学園に向かう。

馬車の中では、口々に誉められお礼を言われた。

予定より少し遅れて学園に到着。

事情は教師が話してくれるらしく、俺達はいつもの様に、着替える為に部屋へ。

新しくペットになったスライムを見て、シェルが笑い、ツンツンしただけで他は何も言われなかった。

食堂に向かうと、二・三年生がいないので何時もより大分人数が少ない。

二股女もまだ来てないので、とても平和でゆっくりと食事出来ました!