軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ページの切り替えってどうやるの?

アールスハインの魔法の威力に驚いた二人。

今後の参考のために、二人の実力を見せてくれるそうです。

「えーでは、俺から。断っておきますが!さっきみたいな威力の魔法は打てませんからね!これでもSクラスにいられる位の実力はありますからね!」

「いいから早くやりなさい!」

破壊された人形を片付けて、新しい人形を呼び出し、その前に立ったディーグリーが前置きをして、真剣な顔で人形に向き合う。

ディーグリーが人形に向かって放った魔法はアールスハインと同じ火魔法玉。

着弾した途端燃え上がるのは同じだが、ディーグリーの火魔法玉は、人形の上半身のみに留まり、暫く燃えた後、フワッと消えた。

残された人形は、全体が焦げ付いて煤けているが、ぎこちない動きながら、人形は動いている。

アールスハインの場合は、一目見て再起不能と分かったが、ディーグリーの人形は……良く言って半壊と言った所。

これが本物の魔物相手ならば、油断すると反撃される可能性がある。

まだ魔法を習いたての頃、テイルスミヤ長官が、相手は魔物なのだから、まずは目や耳、鼻等の感覚器官、次に手足等の機動力を削ぐ事を意識して魔法を撃てと言われた。

「アールスハイン王子、これが1年Sクラスの魔法威力の平均です。ディーグリーは剣術と魔法を両方使えますが、どちらも平均より上と言った実力です」

「そうですよ!平均より上でこの程度の威力なんですよ!」

「………………これは、成る程、俺の基準が規格外であった事は理解した」

ディーグリーの実力は、キャベンディッシュよりは上だけど、驚く程では無かった。

「では、次は私ですね。私の魔法の実力としましては、Sクラス内でいえば、上位に当たります」

更に新しい人形を呼び出して、ユーグラムが魔法を放つ。

ユーグラムが放った魔法は、初めて見る雷の魔法玉。

バチバチと表面を弾けさせて、渦巻くように人形に着弾した雷魔法玉は、ドドーンバリバリバリーと物凄い音をさせて人形を袈裟懸けに雷が貫いて、行動不能にした。

雷魔法が貫いた所しか傷が無いため、外傷は酷く見えないが、人間でいえば心臓を貫いているので、再起不能と言っていいだろう。

人形だと、まだ指先が動いてるので再起不能って程ではない。

Sクラス上位の成績なだけはある。

上から目線でウンウン頷いていると、

「ユーグラムは魔法中心に鍛えてきて、Sクラスではトップ、2年の先輩にも一目置かれる実力です!本当なら、2週間で超えるなんて、あり得ないんですよ!アールスハイン王子!」

「あ、ああ分かった」

「本当に分かってますー?火魔法玉以外全然使えないって事じゃ無いですよねー?」

「ああ、威力としては俺が持っている属性は、全て同じく使えるように訓練してある」

「………一体どんな訓練をしたら、2週間でそんな実力がつくんですか?!」

「……ケータの魔法を真似したら、威力が上がったように思うが……」

「ケータ殿?」

皆に見詰められる俺。

フフンとドヤ顔を披露して上げたのに、ディーグリーは疑わしそうに見てくる。

ユーグラムは疑わしそうだけど、可愛いからねーみたいな複雑な、でも無表情。

そんなに疑うなら、見せてあげましょうか?俺の実力を!

二人の腕の中から飛んで、人形の前に、ディーグリーがささっと前の人形を片付けて、新しい人形を出してくれる。

可愛らしい手を前に、使うのは火魔法玉、威力の比較が出来るようにね!

いっきまーす!

俺の手から放たれる魔法玉は、他の人より大分小さい、が威力は比べ物にならない位に上である。

この魔法玉に関して言えば、テイルスミヤ長官だって超えるからね!

チュンと可愛らしい音を立てて着弾した火魔法玉は、吸い込まれるように人形の胸に入り、人形の全身がフワッと一瞬光ると、足元からサラサラと灰になって崩れていった。

ドヤ顔で振り向けば、ディーグリーとユーグラムがパッカーンと口を開け呆然として、アールスハインは苦笑してこっちを見てる。

アールスハインの所に戻っても、二人は固まって動かない。

どうする?とアールスハインと俺が目線で相談していると、訓練所の外から、バタバタと走る音がして、バタンッと入口の開く音。

呆然としてた二人が飛び上がるように驚いて入口を見る。

息を切らせながら、入口に立っているのは、インテリヤクザな我らが担任、と少し遅れてゼイゼイ言ってるテイルスミヤ長官。

「…………何があった?」

インテリヤクザな担任の言葉に、俺達が揃って首を傾げると、テイルスミヤ長官が、

「練習人形が2体再起不能になり、内一体は消滅したと職員室のアラートが鳴りました。原因に心当たりは?」

インテリヤクザな担任以外の全員が、俺と、俺を抱っこしたアールスハインを見る。

はい、犯人は俺とアールスハインです。

エヘッと笑って誤魔化してみるけど、

「はぁぁぁ、ケータ様、可愛く笑っても誤魔化せませんよ!」

めっ!っとばかりに軽く睨んでくるテイルスミヤ長官に、一人意味の分かってないインテリヤクザな担任が、

「どう言う事だ?説明しろ」

と低い声を出す。

「あー、これはケータ様の魔法ですね。ケータ様の魔法は、元々威力がおかしいので、ちょっと加減を間違えるとこう言う事態を引き起こします。それともう一体はアールスハイン王子ですね。アールスハイン王子は、私とケータ様の魔法しか見ていない状況で魔法の訓練をしていたので、やはり威力に少々問題があります」

テイルスミヤ長官の説明に、インテリヤクザな担任は、頭をガリガリ掻いた後、溜め息を一つ吐いて、

「気を付けろ」

とだけ言って、訓練所を出て行った。

テイルスミヤ長官も苦笑し出て行った。

「…………アールスハイン王子の魔法の威力の理由は分かりました。この分では、バリアの威力も規格外なのでしょうね」

「聞くのが怖いんですけどー!」

「ですが聞かない訳にもいかないでしょう?」

「それはそうなんだけどー」

「取り敢えず、私達のバリアの強度を見て頂きましょう」

ユーグラムがてきぱきと進めて、今度は上半身のみの台座に乗った人形を呼び出した。

どうするのかなー?と思っていたら、全身人形には無かった目が開き、片手に魔法玉を作り上げた!

ぎょっとしてアールスハインにしがみつくが、ユーグラムが、

「ケータ殿、これは魔法の攻撃を撃つ専用の人形ですよ、正面に立った人間の張るバリアに、弱い魔法玉を放ちバリアが無事なら、徐々に魔法の威力を上げていくと言う仕様になっています」

親切に説明してくれたので、落ち着きました。

説明しながらも準備の整ったユーグラムは、

「行きます」

と言って、自分の周囲にバリアを張った。

ユーグラムの張ったバリアは、半円の、良く見ると人形の正面、敵側が厚くなり側面はそれほどでもないと言う、ちょっと見たことの無いバリアをしていた。

人形から火魔法玉が放たれる。

見るからに威力の弱い火魔法玉である。

問題なくバリアで防がれる。

次、大丈夫。次、大丈夫。次、大丈夫。

段々威力の上がっていく火魔法玉、ディーグリーがさっき撃った火魔法玉と同じ位の威力の魔法玉も無事防いだ。

次の威力の魔法玉が着弾、それと同時にユーグラムのバリアが破裂するように割れる。

ユーグラムに怪我などは無いようだが、無表情なのに悔しそうな顔をしてこちらに戻って来た。

入れ替わるように前に出るディーグリー、真剣な顔でバリアを張る。

ディーグリーのバリアは透明で目に見えないので、形状は分からないが、次々魔法玉を防いでいる。

しかし、ディーグリー自身が撃った魔法玉と同じ威力の魔法玉の所でバリアは破れてしまった。

ディーグリーは10段階の6、ユーグラムは7といった強度のようだ。

「と、まぁこんな感じです。この魔法玉の威力を10段階に分けて、6を超えるのが1年生の課題ですね。ではアールスハイン王子お願いします」

「ああ」

アールスハインは俺をそっと地面に下ろすと、人形の前に立つ。

アールスハインのバリアは何度も見ているが、半透明の球体をしており、厚みも均一で、魔力の流れが一定に保たれている。

次々と着弾する魔法玉、ユーグラムの言った10段階の6も難なく超えて、10段階の10も超える。

一旦そこで人形が停止して、両腕をグルンと回したと思ったら、次に人形から放たれたのは、槍の形をした火魔法だった。

「あ、中級魔法になった!」

ディーグリーの言葉で、あれが中級魔法なのかと、初めて見る魔法に感心していると、2発目の中級魔法で、アールスハインのバリアが破裂した。

「アールスハイン王子やべぇ!初級のバリアで中級2発耐えた!あり得ねぇ!」

「ええ、これは………凄いですね」

「部分バリアなら一発位耐えられるかもだけど、中級2発を球体バリアでって!どんな訓練したらそんな強度出せんだよー」

驚愕し感心し落ち込み出した二人をどうしましょう?

どうして良いか分からないのはアールスハインも同じらしく、困ったように頭を掻きながらこっちに来た。

下手に慰めても逆効果そうだしねー。

何なら俺のバリア見せつける?

止めなさい!余計落ち込むから!

圧倒的な力を見せつければ、開き直るしか無いのでは?

やっちゃう?

いやいや、えー?

とコソコソしてたら、

「「アールスハイン王子!」」

「はい」

「「特訓方法を教えて下さい!!」」

一周回ってやる気に火が着いたらしい二人にグイグイ迫られタジタジになるアールスハイン。

普段あまり表情を変えずに、ほんのり苦笑しているだけのアールスハインが、どうしたらいいか本気で困っている姿は、見ていると面白い。

ニヤニヤ見ていると、こっちに気付いたアールスハインが、睨みながら近寄ってきて、俺を捕獲すると、迫ってきていたユーグラムとディーグリーに突きだし、

「こいつの魔法を模倣してたら、嫌でも上達するぞ!」

とか言い出した。

とんだとばっちりを受けたよ!

「確かに、あの魔法玉の威力を考えたら………」

「いやいや、無理じゃん!あんなの人間に出来る技じゃないじゃん!」

「あの威力は流石に無理ですが、真似する事で威力を上げる事が出来るなら、やってみる価値は有るかと!」

「そうかなー?」

「魔法は想像力が物を言います、目の前で強力な技を見せられれば、こちらの想像力の刺激なりヒントにはなるかと」

「…………そう言われるとそんな気もする?かも?」

何故か納得されたよ!ビックリだね!

と言う事で、俺のバリアを見せる事になった。

人形の前に立つ。

けど、俺が小さすぎて、人形が反応しないって言うハプニング発生。

落ち込んでたら、アールスハインが抱っこしてきて、この状態なら反応するのでは?とか言うので、人形に目を向けると、人形が反応しやがって、ムカついたので反撃魔法バリアを張ってやりましたよ!

アールスハインが抱っこする前に、ディーグリーが何か操作したのか、最初の攻撃から中級の魔法槍だった。

着弾した途端、跳ね返って人形に直撃、人形が燃え上がって、でも流石に中級魔法を打てる人形、自分で水の魔法を使って消火した!

そんな機能も付いてんのね。

ディーグリーとユーグラムは、またもやポカーンとした顔でこっちを見てた。

今日だけでその顔、何回か見たぞ?