軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

303 みんなお疲れ

とりあえず、ポソポソと食べるリック料理長に、コレは夕食前には出さない様に伝えて部屋に戻る事にした。

だって先に出されたら、エギエディルス皇子のサプライズが台無しになるからね。

◇◇◇

まだ早かったのか碧月宮に戻ると、エギエディルス皇子は来ていなかった。

「あれ? モニカ。お腹の調子は良くなったの?」

莉奈に紅茶を淹れてくれているラナ女官長の隣には、昨日はいなかった侍女モニカがいた。

モニカはお腹の調子が良くなったのか、血色も良く元気そうである。

「えぇ。良くなったわ」

モニカはお腹を摩りながら、晴れ晴れとした笑顔を見せてくれた。

「サリーは逆にお疲れの様だね?」

「だって、ねぇ?」

とサリーは苦笑いしていた。

珍しく侍女サリーが、ラナ女官長と一緒に部屋に来ている。

真珠姫の咆哮は、王宮どころか反対側にある黒狼宮にも響いていたらしく、耳にしていない者はいないとか。

緊急事態でも起きたのかと、何も分からない皆は怯えていたそうだ。

気付かなかったけど、サリーも後片付けに混じっていたらしい。

まぁ、あの状態を見れば、普通の精神なら怯えても不思議はない。

ちなみに壁は、現在軍部の人達により修復中である。魔法で修復してもイイけど、そうなると魔石を埋め込まないといけないから、後々の事を考えてきちんと修復するみたいだ。

「どうでもイイけど、サリーは何で来てるの?」

私が元気になったのだから、来なくていいのにとモニカはブツブツと口を尖らせる。

「リナ付きの侍女は、別にモニカでなくてもイイ。食べ過ぎでお腹を壊す侍女はクビだと思う。グフッ」

サリーは面白そうにグフッっと笑っていた。

要は、体調管理も出来ない者はいらないと言いたいみたいだ。

「食べ過ぎじゃないわよ。単なる風邪よ」

「言い訳はもっとみっともない」

モニカが言い訳をすれば、サリーが口を押さえて軽蔑した様な視線を送った。

モニカはキッと睨み返していた。

良く分からないけれど、仲良くないのかコレが通常運転なのか。

「あっ。エドおはよう」

いがみ合う様子の2人はともかく、癒しの皇子がやって来た。

やっぱり朝はエギエディルス皇子だよね。

「エド、なんかお疲れだね?」

「早朝演習したからな」

エギエディルス皇子は、ヘロヘロの様子でイスに項垂れていた。

どうやら兄王達と一緒に、実戦訓練をして来たみたいだ。朝から魔物を討伐してくるとか、スゴイ世界だよ。

「何を狩って来たの?」

「ブラッドバッファローとか」

「あ〜」

そういえば昨日、魔物の鑑定を頼まれていたし早速身近な所で狩って来た様だ。

特に、昨日食べたブラッドバッファローを中心に。

食べられなかった者達は、目が血走っていて異様だったとか。余程食べたかったのだろう。

それを聞いたモニカが、笑みを溢していた。夕食には出るだろうと考えたのかもしれない。

またお腹を壊さなければイイけど。

「あっそうだ。飯食ったら白竜宮の解体場に来て欲しいってシュゼ兄が言ってた」

「解体場」

莉奈はエギエディルス皇子の言葉に若干顔が引き攣っていた。

解体場だから魔物を解体する場所だろう。

グロくなければイイなと内心願う莉奈だった。