軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第62話 最終目標

一つのカメラに2人を映し俺は後ろで待機することになった。

「悪いけどまだこっちの言葉には不慣れでな、俺が通訳をするから」

と相手に伝えてから会話を始める。

司馬1人かと思っていたのだがカナも同席していた。

互いに緊張しているようだったが急に司馬達が頭を下げた。

「私達の大切な友人と姪を助けてくれてありがとうございました」

というカナの言葉と共に頭を下げた2人。

そして困惑するエルナとメイ。

いや俺が困惑するわ⋯。

「俺と後、若返りの薬のおかげで姪が助かったから、その御礼を言ってる」

と2人に伝える。

2人はそれを聞いて頭を下げた。

「役に立てたならよかったです」

「あなたを助けたのは私にとっても幸運だったわ。気にしないで頂戴」

メイは未だに聞き取りが怪しいので俺の言葉に対して返事をした感じだが、エルナはすでに聞き取りであればそれなりなレベルなので聞き取れたようだ。

「ほとんどこちらの世界の人と変わらないのね」

「もっと奇抜な髪色だったり姿かと」

2人はエルナ達を見てそんな感想を漏らした。

「姿が違い過ぎていたら戸籍の件は頼まないさ、まぁ日本人離れした顔立ちだとは思うからな海外からの入国者という件には賛成だ」

エルナはハーフといっても通じるレベルに目鼻立ちがくっきりしている。

メイに関しては、童顔だがギリ、アジア人で通りそうではある。

2人には長命種である件は伏せてある。

分かれば余計な問題が起きるに決まっているからである。

「どちらがハヤトのガールフレンドなの?」

というカナの言葉にメイは意味が分からなかったのか、首をかしげているがエルナは顔を赤くしていた。

「おい、くだらんことを言うなし、2人とはそんな関係じゃない」

結局俺が通訳をしながら会話を交わし和やかな雰囲気の進行した。

「戸籍はそっちの証明書を送ってもらったら用意する」

「すまないがよろしく頼む」

「まぁ任せてくれ、それなりの地位にはいるからな」

という言質はもらい会談は終了した。

「2人ともお疲れ様、これでこっちの身分を用意出来る」

「身分があれば学校に通えるのよね?」

とエルナが質問してくる。

「そうだな、学校にも通えるし仕事も出来る」

「そう⋯それは助かるわね」

2人が戸籍を手に入れた後にやりたいことがある。

まぁ最悪戸籍がない状態でもやれた事ではあるのだが⋯。

「もし良かったら2人とも一緒に楽しいことしない?」

「えっ!?」

「何するんです!?」

2人の反応は綺麗に分かれた。

1人は困惑と羞恥の表情、もう1人は好奇心を抑えられないような子供のような表情。

いやなんでエルナは顔を赤らめる!?

「小さい時、それこそ前世から考えていた夢があって⋯」

小さい時に自分の手に余るほどの大金を手に入れた反動なのか、俺にはある想いがあった。

金さえあれば何でも買える。

大概のフィクションではこの考えは否定される。

お金では買えないものがある。

大きく例に上げられるのは、愛や命などだ。

しかし、俺はこれはある意味では間違っていると思っている。

お金で買えないものは多い⋯それは短期的な視点で見た場合の話だ。

命は金で買えない、いや極端な話をすれば現代社会において人の命は金で保たれている。

衣食住それはお金によって保たれる。

もちろんお金以外の方法で保つ方法はある⋯しかし、それはお金でも出来ることだ。

お金が尤も簡単かつポピュラーな方法であるのは間違いはない。

実質多くの人間は命を金で維持している=命は金で買える。

という図式が成り立つ。

愛はお金で買えない、確かによく言われる事ではあるが⋯。

じゃあお金を使い、長期的に好感度を積み上げていった場合⋯本当にそれは手に入らないものなのだろうか⋯。

例えば、好きな女性を振り向かせるのにお金を使ってずっとアプローチをする。

それこそ何年もかけて⋯。

少なくとも生きるのに金を使う以上は愛を得る為にお金を使うのは間違ってはいない。

確かに大金を積んでいきなり愛を買おうとすれば買えない愛もあるだろう。

しかし長期的な意味で金で買えない愛は存在しない。

健康もそうだ⋯。

死にかけの身体でいくら金を積んでも寿命を延ばすのには限界がある。

だが、長期的にであれば寿命を延ばす事は、現代の医学でも充分に可能だ。

まぁ長々と何が言いたいかと言うと⋯金で買えないのは失われた命位な物だということだ。

死んだ命は生き返らない。

これだけはいくらお金があっても不可能な事だと俺は思っている。

奇跡によって蘇った俺が言うことではないと思うが⋯。

お金には価値がある。

持っているという事実だけでも充分な価値がある。

だけどお金は使う事で本来の価値を発揮する。

俺にとっての金と誰かにとっての金の価値は等価ではない。

俺にとっての家族と他人の家族が同価値ではないようにお金の価値は人それぞれだ。

だからこそ俺は自分の大切な人を助ける為であれば喜んで金を使う。

今後の事を考えれば多くのお金が必要になる。

アヤネは、恐らく世間的にも有名になるだろう、それこそ地元のニュースで取りあげられるだけでは済まなくなる。

エルナやメイも一緒だ。

隠し通せる能力じゃないことはすでに分かっている。

そして隠し通す事が3人の為にならないことも分かっている。

十全に能力を発揮して貰うことこそが俺にとっての最終目標である。

その為には圧倒的な地位と権力で武装する必要がある。

しかし、今の段階でそれを得るのは難しい。

だけどお金さえあれば大抵の事はなんとか出来る。

なので⋯せっかく俺にしか使えない利点を有効活用させて貰うことにする。

「異世界の品を使って本格的に商売をしようと思うんですよ。手伝って貰えますか?」

圧倒的財力を持って武装する、それが俺にとっての最良の手段である。

実質、一つの世界を自由に出来る力を持っている以上使わない手はない。

あちらの世界の資源は無尽蔵である。

それこそ調査を続ければ石油ですらでてくる可能性がある。

そして手つかずの海洋資源。

考えるだけで笑いが止まらない。

金に価値を見出しているが⋯俺は結局金を稼ぐ事が好きなだけで本質的にはお金自体にはそこまで執着していないのかもしれない。

そんな自己矛盾を自身の中では実に好ましく思っている。

なぜなら使う事になんの躊躇いもないのだから。

◯あとがき

1章で終わらせるつもりだった事もあり色々と間延びさせてしまいました。

主人公の最終目的と今後の方針を表明しました。

という訳でここからはそういう流れで行きますのでよろしくお願いします。