軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第53話 実験

無事に契約を終えて引っ越し…その前に業者を呼んでチェックさせておかねば…。

ただ、引っ越しといっても荷物の移動をどこまでするかという話にはなる。

あちらの家はそのまま残す事になるので必要家電などはすべて置いていく事になる。

「家具家電は今付いてるのでいいんじゃない?」

「まぁそうだな…割と所か最新式のが入ってるし」

という話で家具家電は不要。

祖母が洋服ダンスなどを持っていこうとしていたのだが…。

「今はクローゼットとかがあるから服だけでいいんじゃないかな…」

という話になり結局日用品のみ移動することにしたのだが…。

さすがに即日引っ越し業者なんて頼めないのだが…。

結局荷物は日用品のみとはいえそれなりの量にはなったのだが…。

3人の力が強すぎたせいで俺と母、祖母で中の掃除をしている間に運び終わってしまった。

力が強すぎる。

1個それなりの重さがあるのだが、3人ともポンポン運んで行くので非常に楽だった。

ただアヤネが1回、エルナが2回間違えて窓から飛ぼうとしたのを止める羽目になった。

アヤネ…お前はやるなよとツッコミをすることになった。

そこんとこいうとメイは大人しかったが…さすがに段ボール3個を持ってきたせいでマンションの入口で驚かれてしまった。

あまり注目を集めるのは良くないのだが…。

まぁオーナーの趣味なのか単身向けの部屋は女性が多いようなので変な男に付き纏われる心配は少ないかもしれない。

オーナーとの交渉後…エルナから耳打ちをされる。

「もし問題があるようならなんとかしようか?」

とエルナから提案された。

「聞こえてたんですか…?」

「あの扉を通すと聞こえにくくはなったけどね」

防音の扉を通しても聞こえるなんてどういう聴力をしているのだろうか…。

生まれつき耳が良いそうでその気になれば半径100m位までは平気で拾えるそうだ。

「…ん?もしかしてあの時耳が赤かったのって…」

ふとあの時の事が気になった。

「あれから家のなかでは拾わないように気をつけてるから…」

と耳を真っ赤にして言われてしまった。

どうやら聞こえてしまっていたようだ。

お互いに真っ赤になってしまった。

「そういう様子が無かったからこちらの男性はそういう欲はないもんかと…」

「残念ながら…そういう欲はどこの世界も変わらないかと…」

「そう…」

気まずい感じになってしまった。

ちなみにオーナーの件はカナに報告して警察の介入が入るので黙っておくように言われてしまった。

本当は他の部屋にも仕掛けられている可能性があるので調査した方が良いのだが…。

立件出来ないと困るからという理由で我慢せざる負えなかった。

一応、逮捕されるまではエルナに隠匿の結界を張ってもらう事で対策することにした。

後は、鍵も念のため変更させてもらった。

もちろん許可はすんなりと降りた。

恨まれるのも面倒なので、俺からの告発ではなく別方向から立件するそうなので本当に俺はノータッチである。

どうやら現オーナーからの告発文も送られてきたそうで捜査は進展しているそうだ。

「女性の敵は社会的に殺す」

と意気込んでいた。

まぁあんな事があったというのに反発心で頑張っているようだ。

「薬の件も調査しとくからまだ早まって使うなよ」

「わかってるわ、何かあってあなたに罪悪感を抱かせる訳にはいかないもの」

という事になっている。

そして引っ越しも終わり、転移魔法陣を試すことになった。

部屋の玄関に設置して(一番どこからも見られない位置の為)。

まずは俺を送ってもらう。

無事に慣れ親しんだ実家のリビングに転移した。

「ふぅ…無事に飛べたな」

一応実験はしていたのだが、実際にあそこからここまで飛べるかは試していないので絶対はない。

無事に着いたとスマホから連絡する。

こういう情報を盗聴されてたら案外あっさりバレたりするのだろうか…。

一応対策しとくべきか?

でもどうやって…と考えている内に母が転移してきた。

「ほんとに一瞬なのね…」

母は転移が初体験なので着いてからずっとキョロキョロしていた。

「初めて飛ぶとびっくりするよね」

と言って笑うと急に抱きしめられた。

「えっ!?どうしたの?」

「いや、なんか…ああ、帰ってきてくれたんだなぁって急に実感してつい」

そう言われて心配をかけてたんだなと感じて抱きしめ返す。

「こっちも心配かけてごめん、最悪あっちに骨を埋める覚悟もしてたんだけど帰ってこれて良かったよ」

「うん…ほんとにありがとう…」

俺が母と血が繋がっていない事を知ってる事を母を含め祖母も知らない。

母は俺が大人になった時に打ち明けるつもりのようなのでそれまでは黙ってるつもりのようだ。

俺からバラすつもりはないのだが…。

どうしても童貞をこじらせて何十年も経っている上に身体は性欲旺盛な年齢なのもあって母だと分かっているのにこういうスキンシップをすると意識してしまう。

落ち着け…こういう時は素数を数えるんだ。

自分の性欲の節操の無さに嫌気が差しながらも心を落ち着ける。

そんな事をしていると転移陣が光る。

残念ながら低燃費転移陣なので1人ずつしか飛べない上に飛んでから少し時間を置く必要がある。

転移陣が光った事で俺と母は気恥ずかしさからか離れる。

「よっと、到着…無事開通したね」

とアヤネがやってきた。

「なんか2人ともあった?顔赤くない?」

「いや、ちょっと親子で話してただけよ」

「そうそう」

「ふーん、まぁいいけど」

そして送るのはアヤネの仕事である。

俺は基本的にアヤネと一緒に帰宅するので問題はないのだが、母は帰宅したらアヤネを待つ必要があるのでこっちの部屋にも生活用品が置いてある。

「夜勤もあるから帰らずにそのまま出勤することもあるから」

との事だった。

そういう時は食事などは出来るだけ用意しておくようにしよう。

「そういえば来週からの学校は大丈夫なの?」

すでに来週から復学することは学校に報告済みである。

「勉強はアヤネの勉強を見て分かってるから問題なし。人間関係のが不安かも…まぁなんとかするさ」

「兄さんはちょっと浮いてる位で良いよ」

「ひどい事言うなよ…せっかくの高校生活なのにぼっちは嫌だぞ」

「うーん…」

と何か複雑な表情を浮かべるアヤネだった。

それから転移陣を使ってから家に戻った。