軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第44話 顔合わせ

実際に留守にしていた期間は、3週間…『通販サイト』スキルを持っていなければ帰ってこれなかったと考えるとスキル様々であった。

アヤネは、自身の素性を明かしたそうだが、俺の事は秘匿してくれていたそうだ。

まぁいい歳したおっさんが自分の子供の中にいるとわかるのは、気持ちの良いものではないだろうと思うのでその配慮には感謝だった。

『通販スキル』については、アニメや漫画でお馴染みの転移の特典で貰ったことにしてある。

アヤネに出迎えられたが、キッチンに移動すると母が座って待っていた。

「ただいま、心配かけてごめん」

と俺は母に頭を下げた。

「おかえり」

母は立ち上がり、俺を抱きしめてくれた。

この歳になるまでに何度も抱きしめられたがやはり慣れない。

若干の気恥ずかしさを感じながらも母をしっかり抱きしめた。

身体が大きくなってからは、こういう機会もなかったので母の事をとても小さく感じる。

そしてこの小さな肩に大きな心労をかけてしまったことを本当に申し訳なく思った。

「少し見ない間にたくましくなったんじゃない?」

「期待していたような異世界生活ではなかったけどね」

身体を離してそんな話しを振られる。

「よく帰ってきたねぇ」

祖母も頭を撫でてくれて帰還を喜んでくれた。

そうこうしてる間にまたリビングに光が満ちた。

次は、メイが来るはずだが無事についただろうか…。

「入ってきちゃダメだからね!」

アヤネの忠告通りに俺はリビングの扉のまで待機していた。

そう、なぜならこっちに来ると言うことは全裸だからである。

「ふぇ…この度は…」

という声が聞こえたので無事に到着したようである。

「とりあえずは服を着て話はそれからです」

「はい!」

というやり取りが聞こえる。

服の着方は、向こうでもこっちの服を着てもらっていたので分かってると思うが…。

「ちょっときつ」

「我慢してください」

胸部装甲の差があるのでどうやらアヤネの服では厳しいようだ。

胸部装甲については恐らくうちの家族の服ではかなり厳しいと思うので、事前に用意しておけばよかったと少し後悔した。

そうこうしてる内にまた転移陣が光ったのか部屋から光が漏れる。

「無事についた…ああ、そうだったわね」

エルナさんの声が聞こえたので無事に到着したようだ。

まぁ恐らく、全裸のはずなのでこれから着替えタイムである。

「ええっと俺を保護してくれた人と今回俺を呼び出しちゃった人を連れてきたから紹介するね」

と母と祖母に伝える。

それから母にどんな生活をしていたのか等、軽く話をしているとリビングの扉が開き3人がやってきた。

「おまたせ」

アヤネが先導して入ってきた。

キッチンに入ると同時にメイが頭を深々と下げた。

「この度は、御子息を危険な目に合わせてしまい大変申し訳ございませんでした…」

ちなみに両親にはアヤネがあらかじめ『翻訳魔法』をかけてある。

なのでメイの言葉は2人とも理解出来るはずだが…。

2人の表情は厳しい。

呼び出した事情は、アヤネから伝えてもらっているが…。

「かなり年上だと伺ってますが、私の大事な息子を危険に晒した事については…正直思う所があります」

「でも…」

「あなたは黙ってなさい」

口を挟もうとしたのだが止められてしまった。

「許されない事をしたと自覚しております。私の出来る限りの償いはさせてもらいたいと考えています…」

「悪気はなかったという事は伺っていますが、あなたの行った行為はこちらの世界では誘拐と呼ばれる犯罪です」

誘拐したけど返したから謝れば許してもらえる訳では無い。

母の言葉によってこの場は沈黙が支配する。

「それでも、この子が帰って来る為にあなたが尽力してくれたとも聞いています。元を正せばあなたのせいかもしれませんが、この子を帰してくれたことに関しては感謝します」

そういって母も頭を下げた。

「やめてください、私は自分の行いを正したに過ぎません…」

「それでもです。あなたは危険を冒してこの子に協力してくれたとアヤネから聞いていましたので…お礼はお伝えしたかったのです」

互いに頭を下げるという展開になった。

もちろん母からすれば呼び出した者が責任をもって帰すのは当然と言う事も出来る。

しかし、母としてはそれに尽力してくれたという事実に関しては感謝したかったようだ。

「息子としてもあなたに対して恨みを抱いている訳ではないそうなので…これ以上私は口を挟みません。今後も、息子の力になってくれるとのことなので今後ともよろしくお願いします」

と母はメイに伝えた。

何はともあれ一件落着したようだ。

一応秘密兵器は用意していたのだが…。

「あっ、兄さんあれを渡したら?」

とアヤネがぶっ込んできた。

「え、このタイミングで?なんか厭らしくないか…」

「でも、あんまり時間経つと効果なくなっちゃうし正直2人には飲んで欲しいし」

まぁ確かにそうなのだが…。

「まぁ、そうだな。せっかくというか効果無くなったら悪いしな」

その言葉と共にアヤネが2本の小瓶を出す。

「これは?」

母が尋ねる。

「メイさんからのお詫びの品です」

母と祖母の2人がその小瓶を手にとって見る。

「これは?赤いインクのように見えるけど?」

「若返りの薬です…」

とメイが答えた。

そう、事前にメイさんの血から薬を生成して若返りの薬を作り通販サイトで送っておいたのだ。

赤インクで普通に出品出来てしまったので神様パワーに関心してしまった。

「「若返り!?」」

2人が声をあげて驚く。

「そう、だから2人とも飲んで欲しいの時間が経つと効果が無くなっちゃうから今すぐ!」

とアヤネが急かす。

2人に老化防止の魔法をかける程度には2人の健康を気にしている。

なので、今回の若返りの薬はアヤネとしては非常に有難かった。

「ほら、早く」

母と祖母は気まずそうな顔している。

「いいのですか?こんな貴重そうなものを頂いて…」

「お詫びの品というにはこれで償いになるかわかりませんが遠慮なくお使いください」

とメイが答えた。

そして2人は意を決したように薬を飲み干した。

その結果みるみる若返っていく。

そして見事に元々若々しかった母は、俺達を生んだ時と同じくらいの歳の若さを取り戻した。

祖母に関しても若返る前の母と同じくらいの姿へと変わっていた。

「これはこれで問題になるんじゃなかろうか…」

と少し不安に思ったがアヤネを含め3人が喜んでいるようで良かった。