軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

189話 隠されていました!?

「ふむ……これは」

歩いていると、エクレシアが何かに気が付いたようだ。

「ある一か所に向かって穴が集中している。」

「とすると、北に入り口が?」

イリアの声に、エクレシアが頷く。

「ああ。その可能性が高いな」

エクレシアはそう答えると、再び草原を北へと進んでいく。

俺も魔力を確認しながら進むが、周辺にはキラーワームがいないようだった。

そんな中、メルクがぽつりと呟く。

「匂いがする。生臭い匂い。きっとあのミミズ」

「穴が岩の前で途切れているな。岩が堅くて進めなかったのかもしれん」

俺たちは、エクレシアの言う岩肌が露出した小さな岩山へと向かう。

するとその麓には、巨大な穴があった。

「ここからすべての穴がつながっているようだ」

エクレシアの声に、メッテは金棒を構える。

「この岩山の上で集まっている可能性もあるな。一網打尽にするチャンスかもしれないぞ」

「逆の南に散った可能性もありますけどね」

アスハの言うように、すでにここにはいないかもしれない。

「でも、手掛かりは残っているかもしれない。それに、ここに帰ってくる可能性もある。一度、上を探索してみよう」

「でしたら、私は空から」

そう言って、アスハは空へと上がった。

セレスが他のモープに向けて言う。

「メッメ。食事は一旦やめて、岩山でおやすみっす」

「セレス……すっかり目的を忘れているぞ」

メッテは呆れるように言った。

「メッメー。草をこの口で食べるのも調査の一環っすよ。ここの草は固くて、またフェンデルの近くとは違った美味しさっす」

「それはいいが、ミリナは大丈夫なんだろうな……? って、あれ」

メッテはきょろきょろと周囲を見回す。

しかしミリナは近くにおらず、さっさと岩山へと上がっていっていた。

「これ! 勝手に進むんじゃない!」

「上がるんでしょ? ならさっさと見ちゃおうよ」

「お前が急ぐ意味なんてないだろう」

そう答えるメッテだが、メルクは何かに気が付いたようにミリナの後ろに続く。

「探す。何か見つかるかもしれない」

メルクの真剣な表情に、メッテも口を噤み、その後をついていった。

俺や他の皆も、岩山へと上がっていく。

何か明らかな異変が見つかればアスハがすぐに報告してくれるはずだが、アスハは戻ってこない。

また、俺から見ればミリナに変わった様子はない

メルクは何か、ミリナの様子に何か異変を感じ取ったのだろうか。

岩山を上がると、そこからは北の平原が見えた。

北も木々が少なく、ボアが多い。亜人が住むのは大変そうだ。

一方、岩山の上はちょっとした平地になっていた。

障害物がないので隅々まで見渡せる。だから、すぐに誰もいないことが分かった。

道具などの痕跡も見えない。

イリアが呟く。

「キラーワームはいそうもないですね。メルクさん、どうでしょうか?」

メルクは、ミリナをじっと見ていた。

そのミリナは、ずっと北の岩山をぼうっと見ている。

そんな中、メルクがぽつりと呟く。

「メルクたちもこういう山で寝ていた。ミリナは何か思い出す?」

「べ、別に……そもそも私は、馬車の中で生まれたんだ。それからずっと転々としているんだから」

それでも感じる何かがあるのだろう。

狐人は、こういったごつごつとした場所に住んでいたのかもしれない。

メッテが呟く。

「しかし、全く手掛かりがないな」

「ここでは植物も動かせない。私もこれ以上は」

エクレシアの声に、空から戻ってきたアスハも呟く。

「上空からも何も。小動物すら見つかりません」

「やはり、もう南に散らばったんじゃないのか?」

メッテがそう言うと、メルクが答える。

「南側は匂いがしなかった。だけど北から少し、さっきのミミズの匂いが流れてきている」

「とすると、北へ戻ったということでしょうか」

イリアの問いにメルクは頷く。

「だけど……もう一つ、匂いがする。ミリナと同じ匂い」

メルクはミリナに目を向けた。

「……本当だ。お父さんや兄弟と同じ匂い……」

ミリナもそれに気が付いたのか、鼻を動かしながら岩山をとことこと進んでいく。

すると、ぽつんと岩が置かれた場所が見えた。

「この下……」

何かの墓かと思ったが、腐臭はしない。死んでいても、白骨の類だろう。

そんな中メッテが腕まくりして、岩に近寄る。

「私に任せろ……ふんっ」

メッテはすぐに岩を横へずらした。

岩の下には、小さな穴が隠れていた。

ミリナが恐る恐るそれを覗き込むと……

「……キュウー!」

「っ!?」

ミリナは、穴から出てきた無数のモフモフ……子狐たちにもみくちゃにされるのだった。