軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

113話 島で素敵な夜を過ごしました!

「こんなものかな」

俺は灯台の近くに建てた平屋を見て言った。

リザードマンが去った後、俺はシールドシェルやクラーケンの死骸、そして彼らによってなぎ倒された木を回収した。

その木や道端に落ちている岩を使い、俺はこの平屋を建てることにした。中で寝泊まりできるように。

その間、メッテたちは近くで魚を獲ったりして、食事の準備を整えてくれていたみたいだ。

家の前には、焚火の上でぐつぐつと煮えたぎる鍋。

焚火の周囲には、串に刺された魚やパンが立てかけられている。

魚の焼き加減を見ていたメッテは俺に気が付き、顔を向けた。

「お。ヨシュア、終わったか?」

「ああ。中に布団も家具も用意した。いつでも寝れるよ」

「そうか。魚もちょうどよく焼けた。寝る前に食事にするとしよう」

メッテが言うと、皆、わいわいと焚火の周りに集まってきた。

空から島の周囲を見張っていたアスハもやってくる。

「誰もこの島に戻ってくる気配はありませんね。それと、村から定期的に私の仲間が連絡にやってきましたが、特に村に問題はないとのことです。ただ、先程のこともありましたので、もっと人手を増やして頻繁にこの島に連絡に来るよう伝えてます」

「そうか、それは心強いな」

心配していた村だが、俺たちがいなくても大丈夫だったようだ。

「リザードマンたちのこともひとまず安心だろう。アスハも食事にしよう」

「はい」

俺は焚火の前に置いた丸太に腰を落とす。思わず、ため息が出た。

……リザードマンたちは結局戻ってくることはなかった。彼らの操るシールドシェルもだ。

しかしクラーケンといい、どうやって操ったのか。

あれも、ミノタウロスをたぶらかしたキュウビがやったのだろうか?

いずれにせよ、今回の魔王軍は何かが違う。

そんなことを思っていると、俺の眼前に焼き魚が現れる。

「ヨシュア。冷めないうちに食べろ」

「え? あ、ああ。ありがとう」

焼き魚が刺さった串を手に取り、俺はさっそくがぶりと頬張る。ふっくらとした白身と、ぱりぱりとした皮が絶妙だ。

「おお、美味しい。いい焼き加減だ」

「そう言ってくれてうれしいよ。まだまだ焼くし、鍋にはスープもあるから待っていろ」

メッテは機嫌の良さそうな顔で、皆にも串に刺された魚やパン、皿に入ったスープを配った。

スープはセレスの乳を使ったのだろうか。

具だくさんの魚介によく合う濃厚なスープだった。

海の魚も塩気があって悪くないな。川で獲れる魚よりも臭みが少ないし、身が大きい。

そんなことを思っていると、隣で安心したような顔をするイリアに気が付く。

「うん? どうした、イリア?」

「いえ。今までずっと何か難しいことを考えてらっしゃったようでしたので、ちょっと心配を。もし何か力になれることがあれば、何でも仰ってくださいね」

「ああ、ありがとう。でも、もうイリアや皆には力になってもらっているよ」

そうだ。イリアたちがいれば、何も怖くはない。

かつての俺ならクラーケンや、あの数のシールドシェルを見て、絶望したことだろう。リザードマンだって、人間よりもはるかに強い種族だ。

しかし、俺たちはやつらを退けた。

キュウビにしたって、俺たちに敵わないからと一度退いたんだ。

これからも色々対策はする。

だが過剰な心配はいらない。

今はもっと楽しいことを考えよう。

「しかしこの島、良い島だよな。眺めもいいし、浜も綺麗だ。村の子供たちにも遊ばせてやりたい」

その言葉にモニカが答える。

「私も、フレッタやモーを連れてきたかったです。他に一族の者も、皆海は見たことがないので」

ベルドスもそれを聞いてうんうんと頷く。

「ワシもドワーフの皆を連れてきたいのじゃ! こんな水が沢山ある場所、皆見たことないからのう」

「きっと水がしょっぱいし驚く」

ユミルとメッテもそう呟いた。

メッテも魚を焼きながら首を縦に振る。

「海で獲れる魚は川魚と違う美味しさがあるからな。漁師も泊まれるといいな」

「我らエントからしても、ここの植物は興味深い。海に近い植物はあまり触れてこなかったからな。仲間も来れると嬉しい」

エクレシアはそう言った。

皆、海を見たことのない種族ばかりだ。

防衛や見張りのためだけではなく、ここに住んだり遊んだりもできるようにしよう。

「それなら、明日はもっと家や倉庫を建てたり、桟橋を整備するか。それから、皆で東に向かおう」

俺が言うと、皆賛成と答えてくれた。

その後は皆で腹いっぱいになるまで料理を食べた。それから海と星空を眺めていると、いつの間にか皆眠っているのだった。