軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第48話 アトラスの死体処理

僕は菜園間移動を使って、三人を第二家庭菜園へと連れてきた。

「「「~~っ!?」」」

すると三人そろって目を丸くし、口を大きく開けた。

びっくりしてしまうのも当然だろう。

なにせ彼女たちの視線の先にあったのは、身の丈二十メートルに迫る巨大な魔物の死体なのだから。

「ねぇ、ジオ。あの巨大なモノは一体、何かしら……?」

「スタンピードの元凶だったアトラスだよ」

「……は?」

アニィが「なに言ってんだこいつ」という顔で僕を見てくる。

「なぜそれがここにあるの?」

「えっと、それはですね、シーファさん。僕のゴーレムが頑張って倒してくれたからです」

「……」

「あれ? シーファさん? だ、大丈夫ですか?」

なぜか固まってしまうシーファさん。

「んーと……つまり、お兄ちゃんはすたんぴーどさんと戦ったってこと?」

「スタンピードは現象だから、さん付けする必要はないけど……まぁ、そういうことになるかな」

「……お兄ちゃん、何やってるの?」

「ジオ、それは危険過ぎる」

「あんたねぇ……」

三人から同時に非難の視線を向けられる僕。

「いや、だって……領兵さんたちが苦戦してて、このままだと西門を突破されてしまいそうだったので……つい菜園で加勢しちゃいました(てへぺろ)」

なんかすごく怒っているみたいだったので、場を和ませようと可愛い感じで言ってみた。

……完全に逆効果だったけど。

「し、心配要らないって! さっきも言った通り、いざとなったらもう一つの菜園に転移すればいいんだからさっ」

「……てか、そもそも菜園で加勢するってどういうこと? 意味不明なんだけど?」

「あ、そう言えば、まだ見せたことなかったっけ? えっと、見ればすぐ分かると思うんだけど……」

僕は菜園移動を使い、第二家庭菜園を動かしてみせた。

ズズズズズズズズズズ……。

「ほら、これを使って西門のところまで菜園を運んでいったんだ」

「「「……」」」

さらに僕は城壁生成を使い、高さ十メートルを超す壁を出現させる。

ズゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

「で、このまま魔物の群れに激突させてみたら、良い感じにたくさん倒せちゃった」

「「「……」」」

あれ?

何でみんな無言なの?

「お前かぁぁぁぁぁぁぁっ!」

突然、アニィが叫んだ。

「え? なに? お前って? どういうこと?」

「どうもこうもないわよっ!」

「つまりあの冒険者たちが言ってたことって……」

「……全部本当だった?」

セナやシーファさんたちまで、半眼になって僕を見てくる。

「……まさか、山みたいなゴーレムってのも、あんたの仕業じゃないでしょうね?」

山?

もしかしてギガゴーレムのことかな?

〈ギガガーディアンを作りますか?〉

僕は頷いた。

すると高さ十五メートルの巨大なゴーレムが出現した。

「「っ!?」」

「わっ、でっか~~~いっ!」

いきなり現れたギガゴーレムに、シーファさんとアニィが警戒して身構え、セナは目を輝かせた。

「ちょっ、何よこれ!?」

「何って、さっきアニィが言ってた山みたいなゴーレム」

「こんなのも作れるって言うの!?」

「つい最近できるようになったばかりだけどね」

アトラスとの戦いの際、運よく新しく習得したものだ。

もしそれがなければ、今頃、僕たちの街はアトラスに蹂躙されて大被害が出ていたかもしれない。

「そうそう。それで、あのアトラスの死体だけど、どうしたらいいかな? 僕は魔石だけあればいいから、必要な素材があったら持っていっていいよ」

「いやいや、この状況でアトラスの素材なんか売ろうとしたら、わたしらが討伐したってことになっちゃうでしょうが。どう説明するのよ?」

「あ、そっか」

アニィに指摘されてハッとする。

そこまで考えてなかった。

「素材自体は高値で売れると思う」

と、シーファさん。

「下位種のサイクロプスでも、冒険者ギルドが高額な買取り価格を付けてたから。骨とか皮膚とか、それに歯とか。どれも丈夫で大きいから需要がある」

うーん、そうなるとやっぱり魔石と一緒に吸収しちゃうのは勿体ないか。

でもお金なら十分あるしなぁ。

一応、リルカリリアさんに相談してみよう。

◇ ◇ ◇

「それで、アトラスの死体は見つかったのか?」

「いえ……それが、どこを探しても一向に見つからないのです」

「……むう」

家臣からの報告を受けて、アーセルの女領主・エリザベートは唸った。

常識的に考えて、あれほどの巨大な死体が消えるはずがない。

だが幾ら調査させても、まったく発見される気配はなかった。

「あの巨人の死体どころか、千体いたはずの魔物の大半が忽然と消失した……まったくもって意味が分からぬ」

「……」

「怪しいのはあの動く壁。そして巨大なゴーレム。しかしそれらもまた姿を消した……ううむ! やはり分からぬ!」

エリザベートは癇癪を起こしたように叫び、手足をバタバタと暴れさせた。

その幼い見た目もあって、子供にしか見えない。

暴れて少しは気分が落ち着いたのか、エリザベートはふぅと息を吐く。

「……そう言えば」

何か思い至るところがあったらしい。

「少し前に冒険者たちにあげた土地があっただろう? 元は沼地であった場所だ。あそこをもっと詳しく調べてみたい」

「畏まりました。では早急に……」

「いや、待つがよい。我も連れて行くのだ。この目で直接確認してみたい」

「か、閣下自らっ!?」