軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第169話 全部増えちゃった

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ジオの家庭菜園

レベル67 7/335

菜園面積:10501200/∞

スキル:塀生成 防壁生成 城壁生成 結界生成 ガーディアン生成 メガガーディアン生成 ギガガーディアン生成 菜園隠蔽 菜園間転移 菜園移動 遠隔栽培 自動栽培 収穫物保存 三次元移動 小屋生成 家屋生成 地中潜行 植込栽培 屋敷生成

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ダンジョン探索中で大量の魔石を吸収してきたこともあって、家庭菜園のレベルは現在、67まで上がっていた。

新たなスキルとして「植込栽培」というものを習得したのだけれど、実はまだ使い方がよく分かっていない。

というのも、

〈植込栽培を使いますか?〉

はい。

〈今は使えません〉

「使おうとしても使えないんだよね……。何でだろう? そういえば、菜園間移動も最初は使えなかったっけ」

あれは菜園が二つ以上なければ使用できなかったのだ。

「うーん……植込栽培か……植え込み……つまり、何かを植えるってこと……? でも今さら種や苗を植えて、それで栽培していくのもなぁ……」

アーセルの自宅にある第一家庭菜園で、僕は首を捻りながら色んな可能性を考えてみる。

と、そこへ庭の奥に設けられた小屋から一人の女性が出てきた。

「マーリンさん? どうされましたか?」

「ジオ……素材が……切れた……」

「ああ、すいません。そういえば今週の分、まだ渡していなかったですね」

髪がやたらと長くて、見た目こそゴーストみたいだけれど、彼女は腕のいい薬師だ。

近くで薬屋を経営していて、本来はお店の奥にある自宅で暮らしていたのだけれど、色々あって今は僕の家の庭で生活&仕事していた。

「これ、シーファに渡しておいて……頼まれてた……回復ポーション……あと、効果を確かめてほしい、新作も……」

「ありがとうございます」

素材の代わりに、マーリンさんが精製したポーションを受け取る。

ここの小屋を作業場としても使用しているのだ。

世間話などをするタイプでもないので、マーリンさんは用が済んだとばかりにすぐに踵を返して小屋へと戻っていった。

相変わらず引き籠っているのだろう。

「たまには外に出ないと身体に悪いと思うんだけど……。あれ? でも心なしか、以前より顔色がよくなっていたような……?」

気になりつつも、受け取ったポーションを自宅まで運ぼうとしたそのときだった。

〈植込栽培を使いますか?〉

「? 勝手に文字が出てきた?」

不思議に思いつつ「はい」と頷いてみると、

〈植えるものを選んでください〉

「いつもと違う言葉が出た!」

▼回復ポーション・上級

回復ポーション・上級

回復ポーション・上級

スピードポーション・上級

パワーポーション・上級

ポーション運搬用ポーチ

「これって……もしかして今、僕が持ってるやつ……?」

いつもの回復ポーションが三本に、あまり見たことのない色をしたポーションが二本。

うん、多分そうだ。

「シーファさんに渡すものだけど……ちょっと一本だけ使わせてもらおう」

後で謝るつもりで、僕は最初の回復ポーションを選択する。

〈回復ポーション・上級を植えます〉

「うわっ?」

突然、ポーチの中からポーションが飛び出してきたかと思うと、近くの地面に突き刺さってしまった。

そのまま動かなくなる。

「ポーションを……植えた、ってことでいいのかな?」

畑にポーション瓶が刺さっている様子はなかなかシュールだけれど、しばらくこのまま放置しておくことに。

「ま、まさか、ポーションが栽培できるなんてこと……ないよね……?」

一時間後。

その「まさか」だった。

先ほど植えたポーション。

その周辺に、何と別のポーションが十本くらい生えてきてしまったのだ。

「瓶も中身の液体も、見たところ瓜二つ……ポーションが増殖したってこと……?」

それもたったの一時間だ。

「いや、まだこれが元のポーションと決まったわけじゃない。見た目だけかもしれないし……」

僕は新しく生えてきたポーションを一本引っこ抜いて、それを小屋にいるマーリンさんのところへ持っていった。

「あ、すいません、マーリンさん。変なことをお聞きしますが……これって、回復ポーションですよね?」

「……」

何言ってんだこいつ、って顔をされた。

それはそうだ。

つい一時間ほど前に、マーリンさんが「回復ポーション」と言って僕に渡してきたものとそっくりなのだから。

ただ、できればしっかり鑑定してもらいたい。

マーリンさんは【薬師の目利き】というギフトを持っているようで、見ただけでポーションなどの品質を見極めることができるのだ。

「ええと、よく見てください。本当にマーリンさんが作ったものですよね?」

僕が目の前に差し出すと、怪訝そうにしつつも、マーリンさんは前髪に隠れた目でじっとそのポーションを見つめてから、ぼそりと呟く。

「……間違いない。この色、この発光と粘性具合……私の作ったポーション」

「そ、そうですか」

どうやら本当に元のポーションと同質のものらしい。

小屋を出た僕は、それから他の物でも試してみることにした。

食器、服、椅子、本、ぬいぐるみ、剣など、家の中にあったものを片っ端から家庭菜園に植えていく。

その結果――

「全部増えちゃった……」