軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第42話 そしてそれから。

「フルール国のイザベル女王陛下から、結婚式の招待状が届いていますよ」

フリッツが僕の執務室に招待状を届けに来てくれた。

僕が開いてみている後ろからモニカものぞき込んで見ている。

「5月か。いい季節だな。行くだろう?モニカ?」

「そうですね。少し早めに出て、北部の葡萄の視察をして、東部でイルマさんに会いたいですね」

「そこは…自分の兄、ではないのか?」

「まあ、元気でしょうから」

モニカは僕の婚約者になって、僕の部屋に住んでいる。

と、いうか…あの舞踏会の夜から帰していない。

僕のファーストキスを奪った責任も取ってもらったし、約束していたイリアワインでの乾杯もした。

もちろん、おばあ様に挨拶した後、ワルツも踊った。

「イザベル女王陛下に、ドレスのお礼もしたいですね。何が良いでしょうか?そのほかに…結婚のお祝いですよね?」

モニカにはイルマがいろいろとワンピースもドレスも用意しておいたが、動きにくいという理由で今日もシャツにスラックス姿。近衛騎士として勤めていた頃とそう変わらない。護身用の短剣まで携えている。執務室にはオブジェの様に二本の槍が飾ってある。

「モニカちゃん?お祝いは俺の方でもリストを出しておくよ。フルールみたいに奇抜なものはないけどね。」

「そうですね。フリッツさん、お願いします。フリッツさんの結婚祝いは何が良いですか?リクエストがありますか?3月ですものね、すぐね。」

「え~じゃあ、レベッカに聞いておきますね~」

デレデレとした顔で、フリッツが帰っていく。

年が明けるとすぐ、東部に帰るマテーウスと一緒に、イルマも東部に旅立った。

僕もモニカも驚いたが…おばあ様はご存じだったらしい。

「あら。あの二人は若いころから恋仲なのよ?」

さらりとそう言った。落ち着いたら結婚するらしいから、フリッツの義母ができるわけだ。

今は母の侍女と秘書が、僕についている。もう、母の復帰はないだろう。

父の症状はすっかり落ち着いたらしいが、僕の戴冠式を終えたら二人でおばあ様が勧めてくれた南部の別荘に行くつもりらしい。

「なあ、モニカはどう思う?」

ソファーに座ってギフト用のカタログを見ていたモニカの膝に頭を乗せる。

「殿下の、あ、エリーのお母様とお父様のことですか?」

「…ん」

「エリーのおばあ様がお怒りになったのも、理解できます。でも、一つだけ言えるのは」

「……」

そっとカタログを閉じて、モニカが僕の髪を撫でる。

「エリーはとても愛し合ったご両親のもとに生まれたんですね。」

「……」

「来年、落ち着いたら、南部にも遊びに行きましょうね」

「…うん。」

正解が何かなど、まだ僕にはわからない。

これからモニカと探していくんだろうと思う。

時間は…100年ほどある。