軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

タイトル未定2025/04/02 11:07

俺が魔法で照らして二人をサポートしつつ、トレバーとテイトが魔物を倒すという流れで竜穴を進んでいった。

少しでも危険と感じたら、サポートするつもりでいたのだが、今のところ一度も俺は手出しをしていない。

安定感があるし、二人の役割分担も完璧。

今はまだシルバーランクらしいが、ゴールドランクの依頼も簡単にこなせていると言っていたのも頷ける。

「結構強い魔物のはずなんだが、ここまでは余裕で戦えているな。ここまで安定してた戦えるとは思っていなかったから驚いている」

「毎日のように依頼をこなしながら、ジェイドさんに勝つために特訓も行っていましたからね! これくらいの魔物相手なら、ジェイドさんに比べれば楽な相手です!」

「トレバーの言う通りです。あくまでも目標はジェイドさんに勝つことですので、この程度の魔物に負けていられません」

二人の勝つ目標が俺ということで、何だか魔王にでもなった気分になってしまう。

理由はどうあれ努力していることは伝わってくるし、俺は二人が更に強くなれるように高い目標であり続けよう。

「確かに……ここの魔物に負けているようでは、俺に勝つのはまだまだ先だもんな。特訓としてはいい相手だろうし、いけるところまでは二人に任せる」

「任せてください! ガンガン倒していきます!」

「ジェイドさんの出番はなく、私達で全ての魔物を倒してみせます」

二人の成長を感じられるのが嬉しく、俺はその言葉に笑顔で頷く。

今回の攻略では、このまま後方で待機する――つもりになっていたのだが……。

「ちょ、ちょっと! テイト、助けて!」

「こっちも手が回っていません! トレバー、もう少しだけ耐えてください!」

「む、無理ー!」

あのかっこいい発言をしてから二十分ほどしか経っていないのだが、危機的状況に追い込まれてしまっている。

俺の魔法で光源の確保はできているとはいえ、洞窟内の戦いは慣れていないと難しいからな。

とにかく狭いせいで、武器を振り回すのも窮屈な上、トレバーとテイトは頻繁に前後衛を入れ替えるスイッチを行う。

そのスイッチに手間取った瞬間、敵の攻撃を受ける隙となってしまうため、非常に瓦解しやすい。

更に酸素も薄く、体力に自信があったとしても、ペース配分を間違えればすぐに息切れもしてしまう。

短剣使いのテイトはまだしも、トレバーは攻撃もスイッチも手間取り、更に息切れも起こしている三重苦。

もう少し静観しようか迷ったが……ここは手助けしてあげるべきだな。

「トレバー、テイト。何も考えず後ろに下がれ」

「――くっ。……ジェイドさん、お願いします」

「ありがとうございます! ジェイドさんに任せました!」

トレバーとテイトが魔物から目を切り、俺の方へと走ってくる。

完全に背を向けた二人に対し、魔物たちは好機とばかりに攻撃の姿勢を見せたが、無防備な相手に攻撃する瞬間が一番の隙となる。

自然と攻撃は大振りとなり、相手からの攻撃の警戒もしない。

俺はその隙を見逃さず、二人を飛び越えるように前に出ながら、向かってきていた全ての魔物を蹴散らした。

「うぇ? 逃げて、振り返ったら魔物がいなくなってるんですけど! もう倒してしまったんですか!?」

「ああ。二人のお陰で魔物たちを観察する時間ができたからな。それに無防備な二人の背中を攻撃しようと、隙だらけだったから簡単に倒すことができた」

「だとしても……そんなに簡単に倒し切ることなんてできませんよ。走って逃げていたせいで、ジェイドさんの戦いを見れなかったのが悔しいです」

「僕も! あれだけ大見栄を切ったのに、呆気なく敗走した悲しさよりも、ジェイドさんの戦いを見れなかったことの方が悔しいです!」

「トレバー、余計なことを言わないでよ。そっちの悔しさも再燃してきた」

ダブルパンチで悔しい結果になったみたいで、トレバーもテイトもかなり落ち込んでいる様子。

洞窟での戦いに慣れていなかっただけで、内容でいえば圧倒していたからな。

悲観する内容では決してなかった。

「気にしないでもいい。トレバーとテイトの方が確実に強かったし、洞窟の環境になれたら圧倒できると思う」

「うーん……この環境に慣れるのかどうかが僕は一番不安です! 何だかすぐに息が切れますし、この先もっと魔物は強くなるんですよね?」

「そうだな。洞窟の奥にドラゴンの死体があるとされていて、そこの付近の魔物は強いと言われている。二人が先ほどまで戦っていた入口付近の魔物は弱く、進むにつれて強い魔物が出てくると思うぞ」

「さっきの魔物でも中々骨のある魔物だったと思いますが、この先はもっと強い魔物が現れるんですね……。早いところ洞窟環境に慣れないと、ジェイドさんに助けられっぱなしの攻略になってしまいます」

「それは絶対に嫌ですね! 協力するといってついてきたのに、助けられていたらどっちが協力しているのか分からなくなりますから!」

こうして一緒に来てくれるだけで気分は違うし、そこまで気にしなくていいんだけどな。

ただ、さっき助けられたのが二人にとってはかなり悔しかったようで、かなり気合いを入れている。

空回りしなければいいんだけど……まぁ空回りしたとして、俺がサポートすればいいだけの話。

二人にはのびのびと戦ってもらい、俺はサポートすることに専念するとしよう。