軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第163話 休暇

魔石の暴発の成果を見せてもらった日から六日が経過した。

この六日間は新しい魔道具に全てを費やしており、ヴェラと共に完成間近まで近づけることができた。

職人たちももう形にできるということなので、後は出来上がった魔道具を実際に確認するだけ。

その後の微調整は行うだろうが、何かしらのアクシデントが起こらない限りは問題なく完成する。

今日も今日とて職人たちの下へ向かい、最終調整に付き合いたいところだが……今日は休みの日。

ここ最近は休日返上で『都影』の件にかかりっきりだったため、久しぶりの心身共に休める一日となる。

まぁ体の方は大して疲れていないのだが、一度冷静になることも大事なため今日はしっかりと休むつもりでいる。

とは言うものの、今日はトレバーとテイトへの指導を行う日。

色々と忙しかったということもあって、久しぶりの指導のような気がするな。

準備を整えて、早速待ち合わせの場所へと向かうとしよう。

準備を整えてから待ち合わせ場所である門に着くと、既にテイトとトレバーの姿が見えた。

毎度のことながら、いつも待たせてしまっている気がする。

「毎回思うが、二人とも本当に早いな」

「あっ、ジェイドさん! お久しぶり……ではないですね! この間会ったばかりですので!」

「色々と大変そうでしたけど大丈夫だったんですか?」

「ああ、お陰様で大丈夫だった。トレバーも急に変なお願いをして悪かったな」

「全然大丈夫ですよ! いきなり声を掛けて指導をしてくださいって言った僕の方が変なお願いしてますし!」

「それは……確かにそうだな」

あの時のトレバーは完全に変人だったな。

俺もよく引き受けたし、こうして続いているのも凄いと思う。

「ですよね! だから気にしなくて大丈夫です!」

「私もジェイドさんには助けてもらいましたし、困った時はお互い様ですよ。今回もこうして時間を割いて指導してくれる訳ですから」

「なら、無駄に感謝はしないようにする。今日もビシビシと指導するから覚悟してくれ」

「はい! 僕達も成長したんで、今度こそ一撃を入れさせてもらいます!」

それから二人の近況を聞きながら、いつもの平原に向かった。

どうやらこの一か月間でアイアンからブロンズに昇格したようで、お金にもかなり余裕が出来てきたらしい。

ブロンズランクの依頼でも順調にこなせており、シルバーに上がるのも時間の問題とのこと。

二人パーティでこの昇格速度は異様らしく、他のパーティからの勧誘もかなり増えたとテイトが言っていた。

一番ランクが高いところでは、プラチナランクのパーティからも勧誘を受けたようで、トレバーの胸を張っている姿が出会った時とはまるで別人。

ついこの間まではゴブリンも狩れなかったのに、青田買いされるくらい期待の新人として評価されるようになったのは、教えている俺としても鼻が高い。

「よし、着いた。近況を聞いてたからあっという間だったな」

「ジェイドさんの近況も聞きたいんですけど、距離的に私達の近況を報告するだけで着いてしまいますね」

「僕達の近況だって半分くらいしか報告できてないですからね! ジェイドさんの話も聞きたいですし、ゆっくりどこかで話したいです!」

「指導が終わったら一緒に飯でも行くか? たまにはこういうのも良いだろ」

期待するような眼差しで見てきたためそんな提案をすると、嬉しそうに何度も頷いた二人。

「やったー! 僕達が奢りますよ! さっき話した通り、依頼料が増えて多少の贅沢ができるようになりましたので!」

「ですね。その代わり、お店選びはジェイドさんに任せてもいいですか?」

「奢られるのはちょっと気乗りしないが、二人が良いというなら遠慮なく奢ってもらおうかな。店に関しては任せてくれて構わない。良い店を紹介させてもらう」

まだ確認はしていないが、俺も昨日給料を貰ったばかり。

そのため奢られるほど金欠って訳ではないが、二人が奢ってくれるということなら遠慮なく奢ってもらうことにしよう。

飯屋については安定の『パステルサミラ』に行くつもり。

二人も喜んでくれること間違いなしだろう。

「楽しみが一つ増えた! 今の気分ならどんな魔物にも勝てる気がします!」

「あまり浮かれすぎるなよ。今回も良い相手を見つけてきたから、その魔物を倒してもらうつもりだ」

「ベノムマンティスには苦汁を嘗めさせられましたからね。今回はどんな魔物であろうと絶対に勝ちます」

「そうそう! そのために依頼に加えて秘密の特訓もしてきましたので!」

トレバーはいつも自信満々なのだが、今日に限ってはテイトも自信に満ち溢れている。

それだけこの一ヶ月間で自信深めたということだろうから、二人の成長を見るのが楽しみだな。

まずはいつもの流れで模擬戦から始めるつもりだし、どこまで戦えるようになったのかを見させてもらおう。