軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ダンジョン1階層(2)

たくさんの冒険者という名の氷河期世代がダンジョン内に来ているはずだが、1階層が見渡す限り広すぎて、狭いというか圧迫感はまったくない。

階段から少し離れるだけでポツポツと人影が見えるくらい。

だだし、見渡す限り地平線の彼方まで続く畑には、本来収穫できるはずの野菜は実っていない。

理由は――、

「うひよぉおおお。これがナスか! たくさん収穫するぞ!」

「野菜高いものね! あと出来れば、他の野菜も欲しいわ!」

氷河期世代の、どこかの夫婦がせっせと野菜を採取しては大きなリュックに入れていっている。

リュックの大きさから見て10キロ前後入る感じだろう。

しかも、男女夫婦の足元にはキャリーバックが2つ置かれていた。

大きさとしては100リットル前後のキャリーバックか。

つまり合計で220キロ前後の野菜は採取できると。

「俺も、見習おう」

リュックサックだけでなくキャリーバックや、キャリーバックの上に置ける箱も一緒に持って来れば、それなりの量を採取できるだろうし。

ダンジョン内の雰囲気を確認するため、氷河期世代の男女夫婦から離れて、しばらく人影がギリギリ見える範囲で活動することにする。

モンスターが地下10階層まで出ないと、冒険者協会のホームページで書かれているが、全てを信じて行動するのは、また違うからな。

何せ下手をすると死ぬのだ。

俺はスマートフォンを起動しつつ、日本ダンジョン冒険者協会が提供しているマップをチェックする。

すると、初日なのに既に12階層まで降りている氷河期時代の人たちがいるらしい。

8人パーティのようなので、俺と違ってずっと前からダンジョンのために仲間と一緒にダンジョンに対する対策を練っているのかも知れない。

まぁ、俺は死ぬのは嫌だし、何よりもボッチなので1階層でウロウロとダンジョンの雰囲気を楽しむとしよう。

「まあ、死なないことを大前提に動こう」

1階層を探索すると、やはり畑がメイン。

これは農家泣かせの階層なのでは? と、思ったが、そんなことは今更だ。

「スイカがある……」

畑にスイカが転がっていた。

問題はスイカの大きさが直径30センチほどあり、重さは10キロを超えるところだ。

もうすぐ夏なので、今の時期はスイカは2000円前後なので2000円だけでダンジョンから一度帰るのは……。

「あっ! 食べていこう」

ダンジョン内で採取した野菜や果物を食べたらいけないという話はないからな。

丁度、喉も乾いてきたことだし1個くらい割って食べても問題ないだろ。

リュックサックの中から、ホームセンターで購入したばかりの新品の鉈を取り出し、近くの転がっていたスイカに叩きつける。

――レベルが上がりました。

――野菜を武器で初回討伐したため、スキル【鑑定】を獲得しました。

「え?」

食べようと思って蔦がついたままのスイカに対して鉈を振り下ろしたらレベルが上がったんだが?

そんなことは、日本ダンジョン冒険者協会のホームページには書かれていなかった。

「そういえば、ダンジョンの中に入るとステータスが見えるんだったよな。ステータスオープン!」

【レベル】2

【HP】H

【MP】H

【STR】H

【DEX】H

【CON】H

【WIS】H

【INT】H

スキル

【鑑定I】

「あれ? 平均ステータスって、レベル1でF前後って聞いたんだが……、もしかして俺のステータス低すぎ? まぁ、そりゃ営業職だから自衛隊や消防隊員みたいな体を動かす人たちと比べると低いってのは分かるけど」

あとは、スキルを獲得したことか。

スキル鑑定ね。

「鑑定っ!」

スイカを鑑定して見れば、

【ダンジョンスイカ】

ダンジョン野菜の一つ。

食べると1時間だけ若返ることが出来る。

「つまり、野菜を食べまくると若返ることが出来るってことか……。それにしてもスキルが存在しているなんて日本ダンジョン冒険者協会のホームページには書いてなかった。もしかしたら国が隠しているかも知れないが、馬鹿正直に話して色々と面倒ごとに巻き込まれると厄介だな……。何せ食べまくれば不老になれるかも知れないのだ。つまり、黙っていた方がいい!」

とりあえず一日分、24個分の果物を採取して食べて今日一日分の老化をなかったことにしよう。