軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

米相場

翌日は、朝から菊池さんが自宅にきた。

「どうも」

「ごめんなさいね。私なんかで」

菊池母が何か言っているが、俺はスルーすることにする。

そもそも若い子を俺との窓口にしたら駄目だろうに。

しかも稲穂付きの新米を取りにトラックで来るだけの作業なのだから。

「そうそう。この前、渡した白米はどうだったかしら? 追加で必要そう?」

「いえ。養老渓谷ダンジョンと自宅の往復で、食事をする余裕は殆どないので」

この一か月、距離があるところに仕事に行っていることもあり、送り迎えもあるので、俺の主食は若返りの効果があるキュウリになっている。

おかげで一日300本近くキュウリを食べているので、体重がメキメキと下がってきている。

食物繊維パワーおそるべし。

計算上では1年くらいは若返っている計算だが、俺には、そんなに自覚はない。

「そう、それなら倉庫で保管しておくわね」

「あと実家に送っておいてもらってもいいですよ」

俺はアイテムボックスから20トンの稲穂付き新米を2台の10トントラックの荷台にそれぞれ転移させながら言葉を返した。

「そういえばダンジョン米の売り上げはどうです? 道の駅に出しているんですよね?」

「そうね。売上は、とってもいいわ」

「いくらくらいで販売しているんです?」

「木戸スーパーがダンジョン米を10キロ2500円で販売しているから2000円で対抗しているわ」

「なるほどー」

最近、スーパーで米コーナーを見ていなかったから知らなかったがダンジョン米が10キロ2500円ってことは、5キロで1000円から1500円というところか。

米の価格が10キロ1万円まで高騰していたから、かなり安く木戸スーパーは販売しているようだ。

ただ、そうすると普通の農家が作っている米とかはどういう扱いになるのか心配になる。

「あれですね。ダンジョン米が流通するようになったら既存の米農家には大打撃ですね」

「そんな事にはならないと思うわ。ダンジョン米って、やっぱりお年寄りとかには受け入れ難い物のようだから」

「つまり、年配の方はダンジョン産でなく今までの米を購入すると」

「それに、稲穂付きの米を採取して利益が出ているのは大容量のアイテムボックス持ちに限られるから」

「つまり、市場には影響力は低そうですね」

「低くても徐々に価格は下がってくると思うわ」

たしかに格安で新米を売っている店舗があれば、それにつられて米の価格も下がるからな。

「でも、ここだけの話ね! 米の価格が急騰しているのは、JAの会計管理が杜撰なこと、今までの内部癒着金による大赤字を何とかしようとして、農林水産省と一緒に米の流通を制限かけて転売して儲けていたのが真実なのよね。だから、10キロの末端米価格が12000円まで上がっていても農家にはお金は下りずに問屋とJAと農林水産にお金が流れるだけだったの」

「つまり、ダンジョン米が大々的に流通しても問題ないと」

「うちは、問題ないどころか、かなりの黒字が出ているわ。栽培するお米は、ブランド米として売りに出す予定だから」

たくましいものだな。

まぁ、そのへんは俺が提供している稲穂付きの米がないと成り立たないけどな。