軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

普段どおりの出荷作業

「えっと、自分は田所さんからトラックがついでに拾っていくと聞いたんですが、どうして木戸さんが?」

「私も、養老渓谷のダンジョンで立ち合いをしますから、気になさらないでください」

そういえば、そうだった。

「そうですか。ありがとうございます」

でも感謝の言葉は述べておかないと。

「あの……、少し気になったことがあるのですけど……」

「何でしょうか?」

「佐藤さんのアイテムボックスって、かなりの量が入りますよね?」

そこに気がついちゃたか。

スルーしてほしかった。

「あ! 別に、言いふらしたりはしませんから! 大事な取引先の個人情報ですから!」

俺が警戒したことに気がついたのか、慌てた様子で木戸さんが取り繕ってきた。

まぁ、神々が日本政府と官僚に釘を刺した以上、バレても大丈夫だろう。

「そうですね。それなりに入ります」

ただし、どのくらい入るかは態々言う必要はないだろう。

頼られるのは悪い気はしないが、こちらの手札を全部見せるのもまた違うからな。

「そうなのですか」

深く突っ込んでくることもなく話は終了。

どうやら、本当に話題のために振ってきたってことか?

良く分からないな。

まぁ、一緒に仕事をしていれば、ある程度は俺のスキルは分かるだろうし、無理に聞き出す必要はないと思ったのかも知れないな。

そのあとは、当たり障りのない会話をしている間に、養老渓谷ダンジョンの駐車場に到着した。

木戸さんから、必要な野菜や果物が書かれているリストを渡されたあとは、いつも通りダンジョンに潜り野菜とフルーツを採取し、地上に出てトラックに積み込む。

2時間ほどで終わったあとは、穀物を回収する。

「それにしても小麦も必要とは――」

「お米もお願いします」

「はい」

木戸さんに頼まれて稲穂を50トン――、10トントラック5台分を採取しトラックの荷台に乗せる。

そのあとは小麦も。

麦と稲穂だけで、全部で100トンを超える収穫になった。

野菜とフルーツを含めると全部で200トン。

ダンジョンと地上の往復だけで10往復。

階段の上り下りだけで1000段程度。

途中から、筋肉の使い過ぎで足が震えて小鹿モードに突入したので、若返りの効果があるキュウリを食べて疲労回復しながらアイテムボックスに入れた成果や野菜、麦、稲穂を輸送した。

全ての作業が終わった頃には午後9時を過ぎていた。

思ったよりも作業が早く終わったのは良かった。

「佐藤さん、お疲れ様でした」

一呼吸するために、日本ダンジョン冒険者協会の駐車場に置かれていたベンチに座ると、タイミングよく木戸さんがコーヒーを差し出してきたので受け取って口にする。

「はあー」

「佐藤さん。今日、このあとは、お暇ですか?」

「早めに帰って寝たいと思います」

最近、かなり無理してダンジョンの地下と地上を往復しているからな。

肉体を酷使した分、休んで英気を養いたい。

「そうですか……」

なんで、そこで残念そうな表情をするのか。

40歳を超えると疲れやすくなるんだよ……。

若者らしく「うぇーい!」と、遊ぶことはできない年齢なんだよ。

そこは理解してくれ。

木戸さんは、お疲れ気味の俺に合わせてくれて自宅まで送ってくれた。

自宅に戻ったあとは風呂に入る。

ベッドで横になったら、かなり疲れているのか意識が飛んで気がつけば日が昇っていた。