軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

世界中から鉱石が消えるらしい。

メンテナンス初日は、MMORPG全盛期だった時にイベントが始まった初日くらい混んでいると思ったので、翌日にダンジョンに行くことにした。

そうして、まったりと目玉焼きとベーコン、白米と大根の味噌汁にアジの塩焼きという典型的な日本の朝食を食べながらテレビを見ていると、パキスタンがインドに向かって核ミサイルを撃つ可能性が非常に高いとニュースで流れていた。

「パキスタンがインドに核ミサイルを撃った瞬間に、インドも核ミサイルで応酬する形になるよな」

「仕方ないんじゃないのか? 兄貴。そもそも今の地球の人口って、石油・天然ガスでブーストされたようなもんだろ? そのブーストが無くなったら人口が減るのは当然だろ?」

「それはそうなんだがな……」

「それに、石炭も枯渇したってアメリカのニュースサイトで流れてたぜ」

「石炭も?」

「ああ。何でもアメリカ合衆国ペンシルベニア州のセントラリアって町から煙が消えたらしくて、それで現地の消防が確認に行ったら石炭層が無くなってたとか。それで、あっちこっちで陥没が起きているってニュースサイトに書いてあった」

「……何だか恣意的な気がしてきたな。ミツハは、石油・石炭・天然ガスが消えている事をどう思う?」

「妾か?」

「ああ。ミツハは、世界中から化石燃料が消えていることをどう思うかなと」

「簡単な話になるわ。神の恩恵が消えただけのこと」

「神の恩恵が消えた?」

「そう。人間が化石燃料と呼んでいるモノを作り出したのは自然神の恵み。でも人間は、それを忘れて自分達でありもしない存在を神として崇めた。その結果が、自然を司る神の力の低下。これは日本でも言えることね。ただ日本の場合は、全ての化石燃料というのは、ダンジョン内で拾得できるように変換されたから、そこまでは混乱は起きていないけど」

「つまり、これからも問題が起きるってことか?」

「そうね。化石燃料の次に、鉱物が世界中から消えるわ。消えるというのは語弊があるかしら? 鉱物が全て何の変哲もない石になるわ」

「それって、どうにもならないのか?」

「どうにもって……。そもそも、人間が行った過ちが全て人間に返っているだけだもの。でも……、自然崇拝をしている国なら自然神が存在しているはずだから……でも……駄目ね」

「駄目ってどういうことだ?」

「狂った神が幅を利かせている国が多すぎるってこと。自分の行いを正当化するために、宗教や神を唯一神とか言って責任を押し付ける人間がいる事で、本来は中立である神が狂うの。その結果、もともと存在していた神が影響を受けて狂って全てを破壊してしまう。日本国は辛うじて狂った神の布教を抑えることが出来たけど、他の国は抑えられていないから、ダンジョンを作るだけの力もないわ。だから日本以外の国はおしまい。今までは猶予期間で自然に殺されなかっただけなの」

「自然に殺されなかった? 自然に生かされているって話は聞いたことがあるが……」

「本来なら、ここまで自然を破壊する人間なんて生かす価値なんてないでしょ?」

「……」

俺は久しぶりの冷めた神の視点で語るミツハの言葉に無言になった。

つまり、日本の神々にとって日本以外の人間はどうなってもいいということなのだ。

「旦那様?」

「いや、何でもない。それよりも朝食はきちんと食べておけよ。あとでダンジョンに行くから」

「分かったわ」

「おう」

浩二もミツハの話を黙って聞いていたが途中でツッコミをするような事はなかった。

しかし、鉱物類も世界中から消えるとかどうなるんだ?