軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

2軒目のモデルハウスの購入

「行政とか保険会社には連絡をしたんですか?」

とりあえず俺達が原因であるということを悟られないように努めて冷静に話しかける。

「え? あ、はい……」

「それでは、手続きを先にされた方がよろしいかと。現場検証とか火元の確認とかありますよね?」

「そう……ですね」

本来なら、俺に巻き込まれた形になっているので、ある程度は面倒を見てもいいと思っているが、それを面と向かって伝えると余計な問題に発展しそうなので、あくまでも火事は関係ありませんよ? と、装うことにする。

そもそも、何故に俺に助けてという連絡をしてきたのすら不明だが。

そこは、行政とかの出番なのでは?

電話を切ったところで、目の前の木炭と成り果てたモデルハウス兼自宅を見て、どうしようか? と考える。

「とりあえず土台ごとアイテムボックスに回収だな」

少し離れたところで、こちらの様子を伺っていた大工さんたちを他所に、俺はアイテムボックスの中に燃え尽きた自宅を回収する。

するとモデルハウスが立っていた場所は更地になった。

「さて、とりあえず住居を探さないとな」

ホテルの一室を借りるという事も考えたがミツハの事を考えると何かあったら大変なので、旅館やホテルを借りるという選択肢はない。

「そうなると一軒家か……、それに近い物になるよな……」

スマートフォンで、どうしようかと検索をしているとキャンピングカーの項目が表示された。

「キャンピングカーか。キャンピングカーもありと言えばありだな」

最悪、ダンジョンの中でも移動でも寝泊りでも使えるし。

そう考えると、キャンピングカーは考えれば考えるほどありだ。

「最近のキャンピングカーは乗用車が積めるモノもあるのか……。ミツハ」

「……」

完全にフリーズしている。

仕方ない。

ミツハを抱き上げて助手席に乗せたあと、近くでキャンピングカーを取り扱っている店をスマホで検索し電話をかける。

何社目か連絡をしたところで即納が可能なキャンピングカーの店を発見した。

電話口で、伺う旨を伝えて車を走らせる。

キャンピグカー専門店に到着後は、いくつか紹介されるが、これと言ったモノはなかったが、高級キャンピングカー専門のパンフレットだけ受け取った。

キャンピングカーを見回り、これだ! というモノがなかったので、これからどうしようかと考えていたところで、携帯電話が鳴る。

「佐藤です」

「大多喜不動産の我妻です。職人に話を聞きましたが、ご自宅が全焼していたと。本当ですか?」

「まぁ、はい……」

下手に隠しておく必要もないだろう。

俺の応答にしばらく無限になった我妻さんは、

「モデルルーム展示場で、解体する予定のモデルハウスがあるのですが、良かったら見にきませんか?」

「解体する予定?」

「はい。それでしたら格安で購入できると思います。解体するにも費用がかかりますから」

「なるほど……」

そういえば、今回、燃えたのは新築のモデルハウスだったが、中古の取り壊し予定のモデルハウスもありと言えばありか。

「どうしましょう?」

「すぐに行きます。場所を教えてもらえますか?」

モデルハウス展示場の場所を聞いたあとは、茂原住宅公園に向かう。

「お待ちしていました。佐藤様」

「いえいえ。こちらこそ」

いまだにショックから立ち直っていないミツハを乗用車の中に残して解体予定のモデルハウスへと向かう。

とにかく今は居住区を選定する事が最優先なので。

「こちらは7LDKの一軒家になっています」

案内されたのは西洋風のお城を意識した作りなのか白塗りの一軒家。

一階と二階に、それぞれお風呂があるのは2世帯住宅を意識しているのだろう。

「それで価格は――800万円ほどと先方は考えているようです」

「安いですね」

「もう10年近くモデルハウスとして利用していますから。それにあと1か月ほどで取り壊しが決まっていますので。取り壊すと費用がかかりますから」

「なるほど……」

「それで如何いたしますか?」

「買います。現金、一括払いで」

800万なら全然安い。

少し金銭価格がバグってきてるが神と一緒に住むなら、何か不測の事態が起きた場合を想定して持ち家がベストだからな。