軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

それは露天風呂ですか?

「――ち、ちょっと!」

「旦那様?」

思わずミツハと距離を取ろうとしたが、ギリギリと俺に抱き着いてきたまま離れることはない。

力が半端なく強い。

「落ち着いてくれ。まだ作業が終わってないから」

「分かりました」

渋々と言った様子でミツハが離れたところで、スキル【土魔法I】を使いモデルハウスを設置した時のように地面を圧縮して平均に均す。

そしてアイテムボックスから自己処理型水洗トイレを取り出して転移設置する。

「これって何なのですか?」

「手洗いになる」

「手洗い?」

「厠だな」

「随分と斬新な、昔とは随分と違うのですね」

男女分かれている自己処理型水洗トイレの使い方を説明しつつ【水魔法Ⅴ】で水タンクの中に水を供給していく。

水タンクは400リットル入るものなので少し時間が掛かったが、無事に作業は完了した。

そのあとはモデルルームへ。

玄関と各部屋に【光魔法Ⅰ】のライトを設置したあと、タンスやベッド、テーブルに椅子なども設置していく。

カーテンを含めて一通りの家具の設置が終わった頃には、午後10時を回っていた。

「やっと……、終わった……」

あとは、後日に家電製品を購入するために大型家電量販店に行くとしよう。

しかし……、今まで気がつかなかったが、新生活を始めるときにゼロから必要な物を揃えようとすると思っていたよりもずーとお金と設置時間がかかるな。

これがアイテムボックスなかったらと思うと業者に依頼する事になるので、本当に大変になるところだった。

「とりあえず、風呂とかどうするか……」

風呂に関しては、完全に想定外。

一応、ネットで養老渓谷近くの銭湯を検索。

時間的に2件ほどヒットしたので、24時間営業の銭湯へとミツハと一緒に向かう事にした。

「銭湯ですか?」

「ああ。ミツハも銭湯は知っているよな?」

「知っているも何も火と地を司っている神と水の神は、それぞれ力を併せ持って温泉を作っていますので」

「――ん? それって……ミツハも温泉を作ることが出来るってことか?」

「私一人だけだと水脈が限界です」

「そうか。それは残念だな」

「旦那様は、火魔法を扱う事は?」

「出来るが……」

「それでしたら、水の化身でもある私が清浄な池を作りますので、そこを火魔法で温めてもらえば露天風呂が出来るかと」

「なるほど……」

幸い、自宅建築中周辺は民家がない。

よって解放感ある露天風呂を作ることは出来る。

「なら、やってみるか」

まずはスキル【土魔法Ⅰ】で地面を掘り下げてから、スキル【火魔法Ⅰ】を使い掘り下げた地面を熱して焼いていく。

それが終わったら、ミツハが水の女神の力を使い手作りの貯水池のような場所に水を張った。

最後に、スキル【火魔法Ⅰ】で、貯水池の透き通った水を熱して湯気がでれば完成。

「出来た……」

「はい! これで露天風呂が完成ですね! 旦那様!」

「そうだな。とりあえず体を洗うとしよう」

周りに壁がないので、【土魔法Ⅰ】で壁を作ったあと風呂に入った。

風呂から出たあとはベッドに潜りこむ。

色々とありすぎた一日だったので気を失うようにして俺は眠りについた。