軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

自己処理型水洗トイレを購入したぞ!

スマートフォンで検索した大多喜町を通っている大通り沿いのホームセンターまで乗用車で移動する。

「大店ですね! 旦那様!」

巫女服に水色の髪なミツハはとても目立つ。

まずは、庶民の味方であるファッションセンターに入る。

「すごい! 色々な衣類がありますよ! 旦那様っ!」

「そうだな。それよりも、まずは下着と洋服を購入するとしようか」

ずっと巫女服のままで連れ回すと目立つことから余計な問題ごとに巻き込まれかねない。

「すいません」

「はい! 何でしょうか?」

「うちの……妻に衣服を見繕いたいと思うのですが、じつは海外から来たときに荷物を盗まれてしまったので、見繕って欲しいのですが」

かなり苦し紛れの嘘。

話しかけた女性店員さんは、その表情からして理解されていたようで――、「分かりました。どのくらいの御予算をご希望でしょうか?」と、確認してくる。

「予算は――」

女性の衣類や下着まで取り揃えるとなると、それなりの価格が必要だとネットで見た事がある。

庶民の味方であるファッションセンターであっても、そこは多めに予算は取っておいた方がいいだろう。

「予算は20万円ほどでお願いします。足りなければ、追加で出します。それと下着と衣服をそれぞれ20着ほど。靴関係も見繕いをお願いできますか?」

「分かりました。それでは、奥様とご相談させて頂いた上でと言う事で如何でしょうか?」

「それでお願いします。ミツハ」

「はい!」

俺と女性店員との会話をそわそわして聞いていたミツハは、少し怒った口調で反応してくる。

「ミツハの下着と衣服と一式の見繕いを店員さんにお願いしたから、ミツハが欲しいものを購入してくれ」

「いいの?」

「ああ。旦那の甲斐性というやつだな。俺は、ホームセンターで必要な物の手配をしてくるから」

「分かったわ」

ファッションセンターの女性店員に携帯電話番号を教えて俺は車を運転して同じ国道沿いの近場にあるホームセンターへと向かった。

ホームセンターに到着したあとは、モデルルームを土台ごとアイテムボックスにぶちこんで移設したこともあり、インフラ関係の配管は、自宅の土台前から数十センチの場所で切断されている。

そういう事もありモデルルームに本来は備わっていて使えるはずの電気、ガス、水道は全部利用が出来ない。

上下水道工事も済んでいないので、すぐにトイレや水の利用も出来ない。

人は生きていく上で下水処理システムは最重要課題で尚且つトイレは大事だ。

なので、ホームセンターに来た一番の理由は、仮設トイレを購入すること。

ホームセンターの中を見ていくと価格的には10万円以内で購入できるようで、思っていたよりも安い。

しばらくウロウロとしていると、駐車場から少し離れた場所に自己処理型水洗トイレというのが置かれていた。

価格は2500万円。

しかも設置後の配管工事は不要と書かれていた。

「た、高い……」

今日、一番のホームセンターで見た最高値価格。

「何々、浄化処理を行った水を洗浄水として再利用するため水道はいりませんか……。あと太陽光発電と蓄電池で独立して稼働するために電気もいらないと……」

これは……、俺が、今、一番欲しいものでは?

外でレジ係をしているホームセンターの男性を見つける。

「すいません」

「はい。何でしょうか」

「あそこに置いてある自己処理型水洗トイレが欲しいんですが――」

「え? お客様。自己処理型水洗トイレの価格ですが……」

申し訳なさそうな表情で俺を見てくる男性店員。

「大丈夫です。価格は確認しましたので」

「本当ですか? そうですか……。ようやく買い手が……」

「――え?」

「いえ。なんでもありません。それよりも、お支払いは如何いたしましょうか?」

「現金をとってきます!」

幸いアイテムボックスには14229個の魔鉱石の在庫がある。

それを日本ダンジョン冒険者協会に買い取ってもらえば、単価が5000円でも7000万円以上になる。

すでに銀行窓口は閉まっている時間なので、俺は男性店員に購入する意思を伝えて養老渓谷ダンジョンに併設されている日本ダンジョン冒険者協会に顔を出した。

俺が顔を出した瞬間に、モーゼが海を割ったかのように冒険者達が道を作ってくれた。

「――あ、あの……佐藤様……本日は、どのような……ご用件で……」

買取窓口の女性が体を震わせながら、しどろもどろした口調で尋ねてくる。

どうやら、先ほどの件で俺に横柄な態度を取るのは不味いと周知されたようだ。

まぁ、それならそれでいいか。

「魔鉱石の買い取りを頼みたい」

「魔鉱石でございますね」

俺が、アイテムボックスから10000個の魔鉱石を次々と取り出してカウンターの上に乗せていく。

100個を超えたあたりで、周囲が静まり返り

「あ、あの……、何個ほど魔鉱石がありますか?」

「とりあえず1万個だな」

「――! わ、分かりました。それでは、こちらにお願いできますか?」

日本ダンジョン冒険者協会の一室に通されたあと、俺から魔鉱石を預かった女性窓口職員は、アタッシュケースを手に戻ってきた。

時間としては30分ほどだったので、急ぎで対応をしてくれたようだ。

お礼を言って俺は日本ダンジョン冒険者協会を後にした。

30分後に、ホームセンターで現金を渡すと流石に男性店員が驚き、店長と副店長と共に現金の確認を始めた。

それから数十分後。

ようやく現金の確認が出来たので自己処理型水洗トイレをアイテムボックスに入れてから庶民の味方であるファッションセンターへ向かった。