軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ラグリー家王都邸書庫

クラウディアは屋敷の書庫に来ていた。

ふとあの古詩の一節をデザインしてもいいのではないかと 閃(ひらめ) いたのだ。

あの古詩の載った本は確かこの王都邸のほうの書庫にあったはずだった。

クラウディアだけではなく家族全員がそれなりに本を読むのでラグリー家の書庫はかなり広く蔵書数も多い。

「たぶん、この辺りだと思うのだけど」

記憶を頼りに探していると、

「あ、あったわ」

無事に詩集を見つけることができた。

棚から本を抜き出す。

ふと思いつく。

他の詩をモチーフにするのもありかもしれない。

クラウディアは書棚に視線を走らせ、いくつか他の詩集も抜き出した。

これらの詩集の中からもいくつかデザインを起こして打ち合わせの時に持っていこう。

決めるのはモーガン家の皆さんでクラウディアはいくつかデザイン画を描いて持っていき、提案するだけだ。

いろいろな参考物があったほうがいいだろう。

なんならモーガン家に伺った時に好きな詩を聞いてもいいかもしれない。

ああ、手紙で尋ねたほうが早いかもしれない。

でもその詩が載っている本が伯爵邸にない可能性もある。

それなら次に伺った時に本を見せてもらったほうが早いかもしれない。

とりあえずは、この詩集の詩でデザインを考えてから考えることにする。

クラウディアは周りを見回す。

書棚は林立し、そこに本が詰め込まれている。

「それにしても本がまた増えたわね」

いつの間にか見覚えのない本が増えている。

今日はこのまま読書をするか、それとも今日はデザインを考えて後日一日書庫に 籠(こも) るか迷う。

「先にこちらをやるべきよね」

腕に抱えた詩集に視線を落とす。

本を読むのはいつでもできる。

ある程度デザインを終わらせてからのほうが気兼ねなく楽しめるだろう。

まだ王都には滞在予定なので時間もある。

思考を切り替えたクラウディアは参考になりそうな本を次々に取り出していく。

「とりあえずは、これくらいかしらね」

近くの台に積み上がった本を見てクラウディアは呟いた。

ざっと見直し、やはり今回はやめておこうと何冊かは本棚に戻した。

ふと思い立ち、図鑑も書棚から抜き出す。

それも積んだ本の上に置く。

改めてその本の量を見る。

一度では無理ね。

キティと二人で運んで二回くらいだろうか。

もう少し減らすべきかしら?

逡巡する。

「お嬢様、お運びしますよ」

申し出てくれたのはマルセルだ。

屋敷の中では警護が必要ないのにと思っていたが、このためについてきてくれたようだ。

「ありがとう。助かるわ」

「これくらいいつでも」

「ありがとう」

クラウディアも何冊か持つつもりだったがマルセルが全部持ってくれる。

「大丈夫?」

「これくらい何ということもありません」

「そう?」

「お嬢様、兄は鍛えているのでこれくらい何でもありません」

キティが言い添える。

「ええ。これくらいなら任せていただいて大丈夫ですよ」

「そう? じゃあお願いね。ありがとう」

「どういたしまして。お部屋でよろしいでしょうか?」

「ええ」

「では参りましょう」

「ええ」

クラウディアたちは書庫を後にした。