軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

西方よりも ㉚

移民や難民の中からも人員は拾い上げるつもりだけど、出来ることなら基礎値が高いピーシス家系傍系は拾っておきたい。

「ダメかな」って評価の子たちも矯正できると示すのは、私が立ち上げようとしている騎士養成施設の有用性を示す論拠に使えるからね。

手柄に使えそうな美味しい素材なんだから活かしたいけど、明け透けに言うのは憚られるから、匂わせる程度で分かって貰えないかな。

「・・・どうでも良くは無いよ? この間は、どの程度の水準か知りたかったから、半分ぐらい遊んでたけど、アレじゃあダメなんだよ。根底に有る甘えやイジケた性根を叩き直さないと、ルナリアの傍にもテレサの傍にも置けない」

逆に言えば、虎の穴かハートマン軍曹かで忠誠心溢れる精鋭集団に仕上げられれば、ルナリアの傍でもテレサの傍でも便利に配置できるようになるかもよ? って意味なんだけど、伝われ!

「そっかあ。テレサ―――、というか、カレリーヌ大叔母様の前には出せないわね」

「・・・王都へ行ったら行ったで、アリアナさんが、あんな態度は許さないだろうけど」

「送り出す前に叩き直したいのね?」

そそ。結局は、その一言に尽きる。

「・・・そういうこと。アリアナさんの余計な仕事を増やしたくないし、ウォーレス家が舐められるような真似はさせない」

黙って聞いていたお父様には、「ウォーレス家が舐められるような真似は」辺りが響いたのか、頷いてくれた。

お母様やお婆様たちには私の裏の思惑を見破られていそうだけど、頷いてくれている。

「これは、まあ、認めざるを得んだろう。多少、手荒いが、暢気に鍛える猶予が無い」

「移住民への警戒も有る。領軍は出来るだけレティアから動かしたくない」

「そちらも有ったな」

ヨシ! お爺様たちも頷いてくれた。

ふと、何かを思い出すように視線を宙に飛ばしたマルキオお爺様が、何度か瞬きした。

思い出したっぽい?

私へと目が向く。

「そういえば、王都に残したピーシーズに、何か指示を出していたのか?」

「・・・指示? 私がですか?」

ピーシーズに? 何だっけな。

「お前の指示を受けたという王都からの荷馬車が、関所を通過したと報告が届いていたぞ」

「・・・あっ! 作物かも!」

荷馬車で思い出した!

お母様以外の視線が私に集まる。

王都残留組に任せろ、と、私に指示を出したのはお母様だから、お母様は素知らぬ顔で食後のお茶を飲んでいる。

「作物? 農作物か?」

「・・・新しく開墾する農地で作付け出来そうな農作物を検証したくて、クラリカさんとメイリスさんに王都の市場や商店を漁って貰ってました!」

「あー。市場を覗けなかったって悔やんでたものね」

ルナリアも思い出したか。

私も忘れてたぐらいだからね。

王都からの帰りの道中に手紙で指示を出したんだった。

「・・・そうなんだよ。ルナリアも、美味しくてたくさん採れる作物の方が良いよね?」

「そうね! 美味しいものを、みんながお腹いっぱい食べられる方が良いわ!」

「・・・だよねー。ルナリア、偉い偉い」

「むふー」

ヨシヨシするとルナリアが小鼻を膨らませてドヤる。

うんうん。自分のことだけでなく、みんなのことを考えられるなんて、マジで偉い。

「ノーアも」

「・・・そっかそっか。ヨーシヨシヨシ」

「にゃふー」

こっちもヨシヨシすると、ノーアが喉をゴロゴロ言わせそうな表情で撫でられている。

「明日の午後にはレティアに到着するであろうから、早めに戻るようにな」

「・・・承知しました!」

いやあ。どんな作物が手に入ったか楽しみだなあ。

汎用性が有るか、収穫率が高いかの作物が手に入ってると良いな。

めっちゃ期待が高まるよ。

私が隙だらけでニマニマしていたらシェリアお婆様から新たな指令が下った。