軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

精霊信仰 ⑮

戦闘行為を伴う狩猟を行っているのは猟師さんたちではなく冒険者なのだろうし、私が目覚めた初日にムーアの町で見掛けた冒険者はたちは、軽装の防具を装備していた人も居たように思う。

あれって、よく有る”革鎧”とか、そんな防具だったんじゃないかな。

実物なんて日本では見たことが無かったし、私の主観に過ぎないけど。

防具一つを取っても、私には情報が足りない。

その辺りを検討して新たな提案をするには、私は冒険者というものを知らなさすぎる。

彼らは動きやすさを重視して、ああ言った防具をチョイスしているのだろうし、TPOで用いる道具が変わるのは当たり前のことだ。

その辺りを検討して新たな提案をするには、私は冒険者というものを知らなさすぎる。

猟師さんと冒険者では職業が違うのだから、業務範囲だけでなく、考え方や道具も違う考えるべきだろう。

TPOの齟齬は負担の増加となって跳ね返り、問題が起こった際の代価は、「誰かの命」で支払うことになりかねない。

アドバイザーが欲しいなあ。

特に、大物を狩れる力量があるアドバイザーは、ぜひとも欲しい。

思い返してみると、私の身の回りには冒険者という職業や、その仕事内容に明るい人が居ないんだよね。

戦闘職だらけの環境で私は暮らしているけど、騎士や兵士と冒険者は、立ち位置も違うのだから諸々の考え方が同じになるわけが無い。

その齟齬を埋めておかないと色々な面でリスクになる。

実社会の現状を知らないのに政策を決めようとすれば、領民からの反発を受けるズレたものになりかねない。

私たちは為政者側の立場だから仕方ないと言ってしまうと、それまでなんだけど、それでは非効率だ。

本格的に白んできた早朝の空を見上げて情報を反芻していたらしいルナリアは、一つの答えに至ったようだ。

「そっか。道具が変わると、使い方を覚える必要が有るのね?」

「・・・それも有るね。それはそれで、必要になる知識が変わるってことだし」

ありゃ。ちょっと違う視点の感想が出て来ちゃったな。

それはそれでルナリアの導き出した視点は正しい。

効率化や適正化を進めれば、それに合わせた教育も必要なことだろう。

気が早いとは思うけど、訓練メニューの根本的な見直しを迫られる未来は有り得ると思う。

ルナリアが思い至ったのは「ツール使用の習熟訓練」って意味になるかな。

ツールの習熟には、座学的な学習だけでなく実習が伴う。

実習用教材の確保は採掘場のシカを使うつもりだったけど、ワナ猟の実習は採掘場の外で行うことになるだろうし、そっちの専用道具に習熟すべきは猟師さんたちがメインになる。

採掘場の内外で棲み分けは可能かな?

現実的に、ピーシーズ増員メンバーの訓練や養成計画がスタートすれば、採掘場のシカは猟師さんたちに任せず、こちらで独占することになるだろうしね。

私たちが王都へ行っていて留守にしていた間の報告を聞いたけど、1日の出荷数は50~100体ぐらいで安定していたらしいから、増加率の上昇は上限値に近いのだと思われる。

何の条件が原因で変わるのか分からないけど、日によってシカの増加数が違うのが謎だなあ。

自然のものをコントロールしようなんて傲慢な考えは持っていないつもりだけど、把握の必要は有るな。

「・・・うーん」

これは、ちょっと、根底的な部分にも影響してくるのかも。

思っていたよりも手元のリソースが少ない?

今の段階で気付けたのはルナリアのお陰だな。

「どうしたの?」

「・・・訓練に使うシカの割り当てと、お肉と魔石の処理を、どうしよっかな、と思って」

無限に増え続けるのでは無いなら、資源には限りが有るということだ。

余裕(バッファ) の作り方も用意した方がいいかな。

ご利用は計画的に、 血(リソース) の分配方法を考えつつ、後処理をどうするかもハロルド様たちと取り決めておく必要が有るよね。

新領地には主だった産業が無いから、現実的なのはウォーレス領の下請け業務を新領地で元請けする形か。

面倒な事態になったときの逃げ道も欲しいし。

「どういうこと?」

「・・・採掘場の回収作業は新領地で、というか、私が請け負った方が良いのかなって考えてた」

猟師さんたちを下請けに使えば実際の後処理は任せられるかな。