軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

376 招集

三百七十六

「とりあえず、メイリンは説得出来そうじゃな。強い魔獣が沢山いると言えば、ほいほい付いてくるじゃろう」

決戦に参加出来る戦力はいないか。アルマにそう問われてミラが真っ先に浮かんだのは、既にこの街にいるメイリンだった。

居場所も把握している事に加え、あの性格である。状況を話せば簡単に来るだろう。

「あ、そっか。こんな大会なんだから来ているよね」

そんなミラの言葉を受けて真っ先に反応したのは、カグラだった。

ニルヴァーナに来てから直ぐドタドタとしていたため、まだ彼女はメイリンがこの街にいる事を知らなかったのだ。だからこそとも言うべきか、「もっと早く教えてくれればよかったのに」とミラを睨む。

ミラは、「ほれ、忙しかったからのぅ」と答えつつ、そっと視線を逸らした。

「でも、メイちゃんなら確実ね。これでグッと勝率が上がったわ」

ともあれ、きっと間違いなく参戦してくれるだろうとカグラは頷く。

ただ、ミラには一つだけ懸念があった。

「うむ、そのはずじゃが……闘技大会の試合日程が、ちと心配じゃのぅ」

現時点からみて時期的に『イラ・ムエルテ』の本拠地攻略が、闘技大会の予選中になるのは間違いない。

つまり、予選の組み合わせ次第によっては、本拠地攻略中のメイリンが不戦敗になってしまう事だって有り得るのだ。

そして、強い相手と戦う事を好むメイリンは、なかでも特に対人戦を好む傾向にあった。場合によっては、その最高の舞台ともいえる闘技大会を優先してしまう可能性があるわけだ。

「一つ、相談なのじゃが──」

状況によっては、メイリンを説得出来ないかもしれない。だがここには、その原因となる予選の組み合わせに干渉出来てしまう人物がいる。

闘技大会を取り仕切る、女王アルマが。

よってミラは懸念材料について説明した後、予選の調整は出来ないかと問うた。

「あー……確かにそうね。メイリンちゃんなら、そうなりそう。でも、そういう事なら任せて。ばっちり調整するから!」

メイリンを説得するために必要な事。それを聞いたアルマは、納得すると同時に胸を張って答えた。

しかもそれだけではない。「じゃあ協力してくれたら本戦で強い人と優先的に当たるように調整するとも伝えてあげて」などと言い出した。

予選の結果を見て特に優秀だった者を、優先的に配置するというのだ。

「ほぅ、それならば間違いなく喰いつくじゃろうな。これはもう落ちたも同然じゃろう」

それを話せば、メイリンは間違いなくイエスと言う。それはそれは瞳を輝かせて言うだろう。しかもここまで好条件が重なれば、メイリンの調子は最高潮にまで引き上がるはずだ。きっと獅子奮迅の活躍をしてくれるに違いない。

これで六人が揃った。一先ずは、作戦遂行は可能だと思える人数だ。

けれど相手方の戦力は不明であるため、もう少し余裕をもった方がよさそうだ。そう思ったミラは、「さて、他に引き込めそうな者はおったかのぅ……」と考えた。

「……ところでアルテシアさんは、もう呼んだか?」

アルテシアに会うため孤児院の子供達を闘技大会に呼ぶと言っていたアルマ。ふと思い出しその進展はどうかとミラが問うたところ、もうアルカイト国に迎えの飛空船が到着している頃だとアルマは答えた。

既に、そこまで話は進んでいたようだ。あと数日の内にはニルヴァーナに到着する予定だという。

「あ、そっか。アルテシアさんも来てくれれば百人力ね!」

「おお、アルテシアさんか。そうなれば、もう負けはないな」

ミラが見つけ出した九賢者の一人がもうじきニルヴァーナに来訪する。そのまま戦力として加わってくれたのなら、もう支援は完璧というものだ。

と、そう喜ぶアルマとノインに続くのは、「アルテシアさん来れるの!?」と驚きの声を上げるカグラだった。

驚くのも無理はない。子供達に囲まれた彼女をその場から動かすのは、至難の業であるからだ。

「うむ。子供達ごと招待する形でのぅ」

「流石ね、ニルヴァーナ……」

アルテシアだけでなく子供達も招待し、更には滞在中の生活も保障するニルヴァーナ女王。

五十鈴連盟も相当であるが、これぞ大国の成せる業と、カグラはその太っ腹ぶりにただただ笑った。

「ただアルテシアさんの事じゃが、参戦は難しいと予想出来る」

ミラは改めるようにして、そう続けた。きっとアルテシアは、本拠地攻略には来てくれないだろうと。

「アルテシアさんは知っての通り子煩悩じゃからのぅ。今回はカラナックの孤児院の子供達も一緒という事で、まず間違いなく子供達の傍を離れたがらぬじゃろう」

元からアルテシアが世話していた孤児達百何人に加えて、一緒に招待した孤児院も含めると、子供だけで二百人は超える。

ただ世話については、そこまで問題ではない。世話する者達も一緒に来る事に加え、アルマ名義でニルヴァーナ城に招待したのだ。相応のメイド達が対応するに決まっている。

問題は、アルテシア自身だ。世話以上に子供達と遊びたがる性格であるため、二百人もの子供に囲まれた彼女を、その楽園から引っ張り出すのは難しいと言わざるを得ないのだ。

「あー……」

真っ先に納得したのはカグラだった。子供が絡んだあれやこれを何度も目の当たりにしてきた事もあって、仕方がないとばかりに苦笑している。

「確かに……」

「無理そうね……」

アルテシアの子煩悩ぶりは、かなり有名だった。アルマとエスメラルダもまた思い当たる節があるようだ。その表情には諦念に近い何かが浮かんでいた。

「ん? それなのに何でじぃじはアルテシアさんの事を口にしたの?」

完璧な支援は諦めるしかない。と、そんな空気になる中で、ふと気付いたようにアルマが言った。

そもそも、それが初めからわかっていながら、なぜアルテシアの話をしたのかと。

「ああ、それはもう一人おるからじゃよ──」

孤児院にかかわる九賢者は、アルテシアだけではない。そう、ラストラーダもまたその一人だ。

話によると、彼は既に怪盗ファジーダイスとしての仕事を終わらせている。ともなれば、もうアルカイトに帰っているかもしれない。

彼も彼で怪盗として活動する傍ら、長い間、孤児院にて子供達の面倒をみてきたのだ。そして、大いに子供達から好かれている。

アルマが孤児院ごと招待したとなれば、ラストラーダも付いてくるだろう。一緒がいい、という子供達の声を振り払えるような余程の理由でもない限りは。

「──で、あの孤児院にはラストラーダも関わっておってな。同船しておるかもしれぬというわけじゃよ」

ラストラーダがファジーダイスという部分は、正体を明かす彼の楽しみのために省いたミラ。二人が協力して孤児院を運営していたとだけ話し、だからこそ一緒に来る可能性が高いと告げた。

「なんで孤児院なのかはわからないけど、それは期待出来そう!」

やはり関係が気になるようだが、それはそれ。アルマは、その可能性に期待する。

ボスがいるのは、多くの魔物、そして魔獣がいると思われる場所だ。

それら魔物や魔獣の力を己のものとする降魔術士のラストラーダは、それらとの戦いのスペシャリストといっても過言ではない。

相手がどのような能力を持っているのか、どのように戦えばいいのかを的確にアドバイスしてくれるだろう。

「さて、残るはルミナリアとソウルハウルじゃが、こっちは確認してみなければわからぬな。ルミナリアの奴は、一応国の柱じゃしのぅ。ソウルハウルは、そろそろ戻ってきている頃なのじゃが、どうにも予想がつかぬ。まあその点も含めてソロモンに訊いてみるとしよう」

一通りの可能性を提示し終えたミラは、最後にそう言って話を締め括った。

現状の確認と今後の指針。それらを一通り話し終えて一時解散となった後、ミラはそのまま会議室奥にある通信室に来ていた。

「──という事なのじゃが、どうじゃろうか?」

『なるほどねぇ……そんな状態になっていたんだ』

ミラが話す相手はソロモン。早速ラストラーダとルミナリア、ソウルハウルの件について事情を説明したのだ。

『とりあえず、 昴君(ラストラーダ) なら大丈夫、もう帰ってきているよ。それで、昨日そっちの飛空船が到着したから色々手伝っているみたい。で、そのまま子供達についていくって……と、そういえば驚かせたいから秘密にって言われていたんだった。でもまあいいよね、そっちでは予想していたみたいだし』

予想していた通り、ラストラーダは既に帰還しており、そのままアルテシア達とニルヴァーナに来るようだ。

あとは驚き笑顔で迎えるだけで、二人目の戦力確保確定である。

「ふむ、やはり来るか。して、ルミナリアの方はどうじゃろうか? あんなでも、まあいるに越した事はないからのぅ」

現在、アルカイト王国にて公に健在とされている九賢者は、ルミナリアのみだ。

だからこそというべきか、その立場は非常に重く、また国防の要としての役割もあるため、そう簡単には動けない。

ただ、彼女が持つ圧倒的な攻撃力と範囲殲滅力は、九賢者の中でも群を抜いている。大量の魔物と魔獣が待ち構えると想定される今、出来れば加えたい戦力であった。

『なんだなんだツンデレちゃんだな。俺に来てほしいんだろ? な? 正直になっちまえよ』

不意に、ソロモンとは違う声が返ってきた。だがミラは驚く事もなく、溜め息混じりに答える。「何じゃ、おったのか」と。

そう、その声の主はルミナリア本人であった。『おうよ』と自信ありげに笑う彼女が言うに、どうやら建国祭についての打ち合わせ中に、ミラからの通信が入ったという事だった。そしていない風を装って話を聞いていたそうだ。

「まったく……。して、どうじゃ? ソロモンよ」

とりあえず、絡んでくるルミナリアの声を聞き流しながら今一度問うたミラ。

『うん、わかった。そういう事情なら構わないよ。『イラ・ムエルテ』との戦いに決着がつくのなら、出し惜しみなんてしていられないからね』

ソロモンからの答えは快諾だった。事は、大陸全土を蝕む悪の犯罪組織の打倒。その壊滅のためというのなら、九賢者を動かすに十分だと。

『ただ、流石に理由そのままってわけにはいかないから──……んーそうだねぇ。闘技大会のゲストとして招待された、とかいう形にしておいてってアルマさんに伝えて』

「おお、そうかそうか。お安い御用じゃ」

戦力として九賢者を動かすとなれば、まず周辺諸国が黙っていない。

だが、かの大国ニルヴァーナに招待されたという理由がつけば、越国を認めるしかないというものだ。

なお、丁度いいからと、ルミナリアもまたアルテシア達と同じ飛空船に乗り込むという事だ。

ルミナリアは無駄に妖艶であるため、無垢な子供達の風紀が若干気になるところではあるが、そこはアルテシアがきっとどうにかしてくれるだろう。

ともあれ、ルミナリアの参戦も無事に決定した。

「ところで、ソウルハウルの奴はどうじゃ? そろそろ帰ると約束していた頃合いのはずじゃが、戻ってはおらぬか?」

ラストラーダ、ルミナリアときて、残るソウルハウルも捕まえられれば、かなり盤石な戦力となるはずだ。

必ず帰ると約束したのだから、時期的に考えて可能性は十分にある。とはいえソウルハウルが挑む聖杯作りは、とてつもない難度を誇る。予定通りにはいかない事だってあり得た。

『ああ、俺の力が必要か?』

するとまさか、ソロモンでもルミナリアでもない声が、またもや通信装置から聞こえてきたではないか。

その途端にミラは、驚きをその顔に浮かべた。

「おお! その声はソウルハウルじゃな! なんとお主もそこにおったのか!」

そう、その声はソウルハウルのものであった。帰っているかいないか──どちらかというといない方だろうと考えていたミラは、まさか既にそこにいたという事に喜んだ。

現状からして、少しでも戦力は多い方がいい。ただ、今はそれよりも気になる事があった。

「という事は、もう聖杯作りは終わったのか? して、どうじゃった、上手くいったか?」

数年に亘りソウルハウルが打ち込んでいたのは、神命光輝の聖杯作り。その理由は、死の運命にある女性を救うためだった。

彼がアルカイト王国に帰ってきているという事は、つまり聖杯が完成したからであろう。

かつて精霊王が言っていた。ソウルハウルが救おうとしている女性が死の縁に立たされた原因は、聖痕であると。そして神命光輝の聖杯は、その聖痕の原因である神の力を整えられるという。

はたして、その試みは成功したのか。何よりもソウルハウルの苦労は報われたのかと、ミラは返事を待つ。

『ああ、そうだな。残念だが──』

僅かの後、ソウルハウルは重いため息と共にそう言った。

その声、そして伝わってくる雰囲気から、ミラは瞬間的に最悪の結末を想像する。

幾らか攻略にかかわったからこそ気になったが、触れずにそっとしておくべきだったかもしれない。

と、そう思いかけたところ──。

『思った以上にピンピンしてやがった。目を覚ますなり、埋葬しろ供養しろとキーキー騒ぎ出す始末だ』

ソウルハウルは更に重苦しい声で、そう続けたのだ。

曰く、停滞の術を解除してから、神命光輝の聖杯の力を精霊王に教わった通りに使った結果、彼女の体内で暴走していた神の力は安定し、無事に事なきを得たという。

そして目を覚ましたところで、あの部屋の夥しいメイドを目の当たりにし、あの頃と同じように突っかかってきたのだと、それはもううんざりしたような口調で告げた。

ただ、その声には彼が必死に隠そうとしている優しさが、そして安堵が僅かに滲んでいた。

なお、その女性だが、起きた直後は騒がしかったものの、少しして倒れてしまったらしい。

とはいえ命に別状があるという問題ではなかった。

まず、数年を止めていたソウルハウルの禁術による反動が一つ。

そしてもう一つは、安定させた神の力が原因のようだ。

聖杯の力によって無理矢理に定着させたため、器である彼女の身体が、まだその状態に適応出来ていないからだという。

よってそれが落ち着き日常生活が出来るようになるまで、その女性は毎日リハビリに励んでいるそうだ。

『まあ、貴重な被検体だからな。じっくりとデータを取らせてもらうさ』

女性はデータ採取のため、ルナティックレイクにある創薬研究所附属の病院にぶち込んでやったと語るソウルハウル。

元いた古代地下神殿の最寄りにあるカラナックにも十分なリハビリの可能な施設はあるのだが、わざわざアルカイト王国一の病院にまで運んできたのは、はたしてデータのためなのか、それとも彼の思いやりか。

後者だとしても、それをソウルハウルが認める事はまずないだろう。

「ふむ、ともあれ上手くいったのじゃな。それは何よりじゃ」

その難易度を知るミラは、感慨深げに称賛する。更にもう二人ほど、彼の頑張りを称賛する者がいた。

『そうかそうか、無事に成し遂げたのだな』

『愛よね、愛』

精霊王とマーテルだ。二人はソウルハウルが迎えた旅の結末に、そっと涙を流して喜んでいた。

「さて、残りは──」

そうこうしてソウルハウルの参戦も確約出来た。彼もまた、先の二人と同じくニルヴァーナの飛空船に同船するとの事である。

また、ソロモンも快諾であった。それどころか、これだけ九賢者をニルヴァーナの作戦に参加させたとなれば、相当な貸しが作れそうだと、実に黒い笑いを浮かべていたりした。

ともあれ、思った以上の成果を得て通信を終えたミラは、残るもう一人、メイリンを説得するべく通信室を出る。

ヘンリー・アダムスの話によると、今日メイリン──愛の戦士プリピュアが参加する予選試合は、長引いていない限り既に終わっているとの事だ。そして、しっかりミラとの約束を守っているようで、夜になるまでにはアダムス家に帰っているという。

(今は大人しく、子供達の相手をしている頃かのぅ)

なお、直ぐに帰るのではなく夜までと約束したのは、抑え過ぎないように考慮したためだ。

現在、お祭り騒ぎのニルヴァーナでは、あちらこちらで楽しい催し物が開催されている。中には、腕自慢のようなものまである。

目立ち過ぎないようにさせるのも大切だが、我慢が限界突破してしまえば余計に大変だ。

だからこその譲歩であったが、今回の話を伝えれば、もっと大人しくしておいてもらえるかもしれない。

(今度の戦いは、相当なガス抜きになるはずじゃ)

聞けば正義のヒロインとして、伝説の戦士プリピュアの噂が既に出回り始めているとの事だ。

予選試合での活躍に加え、何やら、そこらのごろつきや痴漢、強引なナンパ師、ぼったくり店の用心棒などを容赦なく叩き伏せていく者が、プリピュアなどと名乗っているらしい。

きっとメイリンからしたら強そうな相手に勝負を吹っ掛けただけなのだろうが、結果としてはそのような印象になっているわけだ。

とはいえ、きっとそこらの手合いに、メイリンを満足させられるだけの実力者などいないだろう。

と、そんな事を考えながら通信室前の会議室から廊下に出たところで、見覚えのある朱い鳥──朱雀のピー助が小雀モードで待機している事に気付く。

「カグラめ。何のつもりじゃ?」

会議室で解散した後に、カグラは一時的に五十鈴連盟本拠地へ帰還していた。

ボスのところに集められていそうな魔物や魔獣について、五十鈴連盟の情報網を使って調べるためだ。

特に魔獣というのは、森の中で発生する事が多い存在である。そして森といえば、保全活動も行っている五十鈴連盟にとって、その大部分が活動範囲となっており、また一部では監視対象にもしていた。

つまり、その五十鈴連盟に蓄積された魔獣の発生と移動、討伐などの情報を精査していけば、ボスのところにいそうな魔獣の種類や数などを幾らか予想出来る可能性があるのだ。

予め敵を知る事が出来れば、対策も立てやすくなる。

そんな理由で戻っていったカグラだが、わざわざこんな中途半端な場所にピー助を置いていったのはなぜだろうか。

再びこちらに戻ってくるための入れ替わり要員というのなら、カグラにあてがわれている客室に置いておいた方がいい。

またはアルマの肩にでも乗せておいてもらえば、戻ってきて直ぐに報告出来るというものだ。

そう疑問を抱いていたところ。ミラに気付いたピー助が、その小さな翼で一生懸命に飛び、そのままミラの頭の上にぽんと乗っかった。

『あ、おじいちゃん。出てきたって事は、ソロモンさんとの話は終わった? どうだった?』

それを訊くために置いていったのだろうか。ピー助からカグラの声が聞こえてきた。

ともあれミラは「うむ、ばっちりじゃ!」と答え、簡単に内容を話し、全員ニルヴァーナの飛空船に乗ってくる予定であると伝えた。

『そっか、ソウルハウルさん上手くいったんだ。良かった』

カグラもまた、ソウルハウルの苦労が報われた事に安堵した様子であった。そう嬉しそうに呟くと、そのまま『で、次はメイリンちゃんのところに向かうのよね?』と問うてきた。

「うむ、そのつもりじゃ」

そうミラが返したところ「じゃあ、そのままピー助も連れていって。私もメイちゃんに会いたい」とカグラが言ってきた。

どうやら、こんな場所にピー助がいたのは、それが理由だったようだ。単純に、昔馴染みの仲間に会いたかったらしい。

「わかった。ならば連れていくとしよう」

思えば、カグラとメイリンも仲が良かった。というより、どこか猫っぽいメイリンをカグラがよく構っていたような間柄だったが、ともあれ関係が良好だったのは確かだ。

会いたいというのも当然か。そう納得したミラは、ピー助を頭に乗せたままアダムス家に向かうのだった。