軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

39.疑念

私たちが歩いている最中、ウェイド辺境伯はむむむと考えている様子だった。先程の魔物に思い当たることでもあったのだろうか。

しかし、それならばもう言っているわけだろうし何かしら理由はありそうだ。

「どうしたんですかウェイド辺境伯」

尋ねると、ウェイド辺境伯は少し驚いたような素振りを見せた後笑った。

「いや、なんでもないよ! ちょっとばかし、考えすぎなだけだからまあ気にしないで」

なんだろう、ここまで言われると逆に気になってしまうのが人間の性だ。

「何か思ったことがあれば共有してください。別に、そこまで気にするような仲じゃないでしょう」

「まあ……そうだね。いや、少しばかり思ったんだが……ノーブル伯爵の言動が気になってね」

「というと?」

私の声に、ウェイド辺境伯は「ほんと気にしなくていいからね」と念を押してから言う。

「なんていうか……スムーズすぎるなって思ってさ。俺たちの領地ですら、原因の特定から拠点の特定まで時間が掛かったのに、ノーブル伯爵は何ともない感じで地図を渡してきた。まあ、俺がノーブル伯爵を好いてないから疑ってしまっているんだけれど……」

確かに言われてみればそうだ。けれども、疑うにしては情報が少なすぎるし、ノーブル伯爵も対応以外は私たちに害を成すようなことはしていない。

ウェイド辺境伯が言うのを躊躇していた理由も分かる。

ともあれだ。それが事実だとしても、結局はこの屋敷の主に聞かない限りは分からないことである。

「なるほど……とりあえず、攻略してみてからですね。でも、そういうことは遠慮せず言ってください。とてもありがたいです」

「そうだね。俺としたことが、少し遠慮しちゃったよ。それじゃあ、早速だけど」

エントランスまで戻ってきたウェイド辺境伯は二階の方を見る。

「二階、怪しくないかい。次、こっち行ってみないか?」

確かにそれもそうか。一階の攻略もいいだろうが、恐らく部屋数的にも二階から攻めていった方が速いだろう。わりと私がゲームが好きだったこともあって、順序立てて攻略しようとしていたが、怪しいところから攻略した方が速いのも事実だ。

別に、ここはゲームと違うのだから宝箱なんてものはないだろうし。

「それじゃあ行きましょうか。エリックも、しっかり気をつけて」

「わ、分かってるよ!」

「それならよかった」

エリックも慣れないことが多いだろうし、一応念には念を入れて警戒をしてもらう分にはいいだろう。