軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

太陽の輝きと大空真龍王との激突

桜色がかったプリズムのように眩く、光り輝く黄金色の 霊光(オーラ) をまとった天使――否、女神が如き存在が顕現し、地上世界へと 光(・) 臨するという奇跡。

それを目の当たりにした地上――【 闇の森(テネブラエ・ネムス) 】に蠢く穢れた魂の持ち主たち――〈 虚飾なる七光(プリンス・オブ・) の王子たち(テールコート) 〉を筆頭とした、生きる死者であることを選んだ〈 不死の戦士(エインヘリャル) 〉たちは、一様に言葉を失って畏怖と驚嘆、何よりも自分たちが弓引いた相手の壮麗さと強大さを本能的に悟り、根源的な恐怖に震えるのだった。

彼ら(一部女性もいるが)は貧困と凍てつくような厳冬から逃れるため、

『人間を超える存在と化し、自分たちを見捨て、ぬくぬくと富と栄華を享受する権力者たちに復讐をするのだ』

という“ 龍神(ドラッヘン) 教団(・グラウベ) ”の教義と、教団の象徴である美しく、またそれに見合う 霊光(オーラ) の輝きを持っていた〈巫女姫〉シルティアーナ姫。

初めてお目にかかった際、彼女の放つ莫大な 霊力(オーラ) ――霊視の力などがない無骨な凡人である自分でもわかるほどの輝きを放つ、まさしく太陽の如き〈巫女姫〉様を前にして、聖女教団の生臭神官などとは比較にならない威光と権能に心酔し、まさしくかのお方こそ神の御使い……と一も二もなく信じ込んでいた彼(彼女)らであったが、さしもの〈巫女姫〉もいまこの場に現れた彼女の前では色あせてくすんで見える。真実の太陽と朧月が如き違いであり、 あ(・) ん(・) な(・) も(・) の(・) を(・) 太陽に誤認していた自分たちの浅はかさに愕然となるのだった。

レベルどころか次元が違う美しさと無限とも思える 霊光(オーラ) の奔流を前にして、〈 不死の戦士(エインヘリャル) 〉たちの心と魂に刻まれていたた『龍神教団』に対する信奉と信仰とが、軋みを上げながら崩壊の音を奏でていた。

『自分たちは神を詐称する悪魔に騙されて魂と人としての尊厳を売ってしまったのではないか!?』

いや、自分たちだけであればまだしも。飢えに苦しむ女子供まで、『飢えも寒さも感じない体と化し救われる』というおためごかしで命を捨て、半ば無理やり〈 不死の戦士(エインヘリャル) 〉になるように強制してした。

結果、確かに肉体的苦痛からは解放されたが、それはすなわち生きることを止めさせた――殺人だったのではないのか!?

俄かに湧き起った不安と猜疑心は瞬く間に燎原の火のように〈 不死の戦士(エインヘリャル) 〉たちの間に伝播し、

「どうした、何をやっているか、この野蛮人共が!!」

〈 虚飾なる七光(プリンス・オブ・) の王子たち(テールコート) 〉の焦りの声を無視して、ひとり…またひとりと…来るべき裁きの時を待つべく、項垂れてその場に膝を突いて恭順の姿勢を見せるのだった。

『よく頑張った。お前の人生は素晴らしいものだった』

自分たちは最後の瞬間そう言って欲しかっただけだ。それなのに、最期の最期に醜態を見せてしまった……!!

そう唇を嚙み締め悔し涙を流す彼(彼女)らを 裁くべく(救うべく) 、麗しき女神の響き渡る声とともに、眩い光の光輪――秋を過ぎた斜陽の光ではない、まさに燃え盛る烈日が如き太陽そのもの――が落ちてきたかのような輝きが、その瞬間【 闇の森(テネブラエ・ネムス) 】を覆いつくす。

「『 真・(ウェルス・) 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』っ!」

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【DATE】

種族: 真人(マヒト) (※人間の理想像とされる存在。人間の上位存在のさらに上級者)

称号:真聖女

HP:99,999~(測定不能)

MP:99,999~(測定不能)

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「おおぅ~、さすがはクララ様っ。このワタシの 観測機関(目) をもってしても底が見えない本気の実力ですね! 『真の主役は奥の手を 土壇場(ギリギリ) まで隠しておけ』という王道の通り、自分の見せ場を派手に飾ることを忘れませんね!」

「あれがジル殿全力であるか。正直、夜の 帳(とばり) の中では 身共(みども) と互角と値踏みしておったのであるが……いやはや、比べ物にもならぬわ。我が 魔眼(ナザール) がこれほどの節穴であったとは赤面の至りであるな」

地上で喝采を放つコッペリアと嘆息するヘル公女(他の皆はコメントする余裕もないようです)。

実際には“ 従魔合身(じゅうまがっしん) ”自体は従魔がいればさほど難しい技術ではないらしいのですが、緋雪お姉さま曰く〈 神滅狼(フェンリル) 〉という存在がイレギュラーであり、そこに新たなイレギュラーである私が加わることで、下手をすればこの世界そのものが消し飛ぶようなえげつない結果になる可能性がある……と釘を刺されていたため、これまではこれでも相当に対して手加減して戦っていたのですが、場所が一応は私の領地である【 闇の森(テネブラエ・ネムス) 】であり、相手は数万の不死者の軍団と神の御子を自任する極めて強大な存在。

おまけに父親を名乗る男に無慈悲な搦手のオンパレードで逆鱗ひっぺがされまくっている状態ですので、もはや手加減無用と判断しました。

「あ~~、あの聖女の満面の微笑みはクララ様が完全に切れてる顔ですね。敵に認定された相手今すぐ逃げて状態ですけど、もう遅いでしょうねぇ」

ご愁傷様とでも言いたげなコッペリアのため息混じりの独白が続きます。

「ジル――?!」

〈真龍騎士〉であるルークも半神半龍、なおかつ大陸最古にして最強の五大龍を斃して力を得た ストラウス(セラヴィ) 相手には分が悪く(食い下がっていただけでも殊勲賞ですわ)、大小さまざまな傷を負っていたのを即座に治癒し、双方の間に割って入る形で翼をはためかせて飛翔しつつ、私は戦場と化した【 闇の森(テネブラエ・ネムス) 】の状況を拡大した知覚の『 魔力波動(バイブレーション) 』と精霊力で瞬時に把握しました。

「一気に決めます。『天に輝く眩しき紅輪よ。いまこそ裁きの 刻(とき) 来たれり。慈愛と正義の名において穢れし闇を打ち砕け!』――『 真・(ウェルス・) 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』っ!」

同時に頭上にまるで 光輪(ハイロウ) のように集中させた魔力が幾重にも融合を繰り返し、やがて巨大な疑似太陽と化しました。

『 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』。いえ、完全な形での『 真・(ウェルス・) 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』が完成し、本来の私であれば使えない理論だけの秘奥義を繰り出します。

刹那、暮れかけた【 闇の森(テネブラエ・ネムス) 】の上に残陽の代わりに第二の日輪・紅輪・天陽とも呼ぶべき、眩い光と超高密度の魔力によって紡がれた光球が尾を引きながら、ゆっくりと地上へ向けて落下していきます。

「……なんだこれは!? なんなんだ!」

その有様を前にして、一転して狼狽もあらわに声を上ずらせる ストラウス(セラヴィ) 。

「ほう、太陽が如き術でありながら 吸血鬼(ヴァンパイア) である身共らにまったくダメージがない。これは……なるほど、同時に闇の精霊で遮断してくれているのか。何とも至れり尽くせりであるな」

『 真・(ウェルス・) 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』を仰ぎ見ながら、ヘル公女が困惑した様子のイレアナさんを一瞥して、即納得した顔で頷きました。

そして、にやりと人の悪い笑みを浮かべて ストラウス(セラヴィ) をせせら笑います。

「そしてそちらは逆に 鍍金(メッキ) が剝がれたのであるな。なるほど天賦の才ある者は美しい。その閃きで凡百共の数十年、ことによれば数世代の努力を凌駕する。まさに砂の中の宝石、泥の中の蓮と言えるであろう。しかしながら才無き者は自分が及ばないことを知っているがゆえに研鑽を怠らない。泥にまみれ何度も倒れながらも、愚直に一枚一枚薄皮を張り付けるようにして理想とする目標に向かって歩き続ける、その努力が結果につながることはなくとも、その積み重ねは尊い。かつての セラヴィ(おぬし) のようにな」

最期に肩を竦めて断じます。

「だが、いまのオヌシはただ力に溺れ振り回されているだけである。自分の力でないがゆえに何ができるか、どこまでできるかわからぬゆえ、より強き者、強き力を前にしてどうしてよいかわからず取り乱す。無様よのぉ。オヌシは強い力を得ても、 勁(つよ) い心は得られなかったのである」

「黙れ! これが俺の力だ!! 出でよ《 空真龍王(くうまりゅうおう) 》、《 水鎗龍王(すいそうりゅうおう) 》、《 地鎚龍王(ちついりゅうおう) 》、《 炎剱龍王(えんけんりゅうおう) 》、《 風錫龍王(ふうしゃくりゅうおう) 》!」

ストラウス(セラヴィ) の召喚に応じて、その体内から融合していた五大龍王が放たれ、うねり咆哮を上げながら『 真・(ウェルス・) 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』に向き合い、さらに――。

《 空真龍王(くうまりゅうおう) 》を中核として、五大龍王がひとつに融合し、かつて存在した《 始祖神龍(オリジン・ラージャ) 》にも匹敵する巨大な――ざっと長さだけで十キルメルトはありそうな――ドラゴンと化し、一飲みで山すら飲み込めそうな 顎(あぎと) を広げ、『 真・(ウェルス・) 天輪(パイル・) 落とし(ヴァルティン) 』と対峙します。

「行け、《 大空真龍王(だいくうまりゅうおう) 》マイトガイ・キング! あんなアドリブで作った見掛け倒しのハリボテなど消し去ってやれ!!」

なんか微妙にネーミングセンスに難がある名前を付けられた《 大空真龍王(だいくうまりゅうおう) 》とやらに、 ストラウス(セラヴィ) がなりふり構わず命じるのでした。