軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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薄手のマントの紐が結ばれたところで、扉を叩く音がした。黒槍を手に取り、フェイリスはマントを翻して振り向く。始まったのは、わかっていた。

「フェイリス様。ルーファス様が、しくじったようで。ちょっと早いですが出発です」

苦笑い気味だが、ロレンスは少しも困っていそうではない。

「お父様はどちらに?」

「最前線におられます。たぶん竜妃が出てるんじゃないかな。今のうちにお願いします」

頷き、歩き出した。最後尾にいるこの船の甲板には、魔力強化の魔術が描かれている。アルカから奪ったろくでもない魔術のひとつだ。魔力の消費と兵の消耗を考えれば何度も使えないが、その魔力もアルカから補給しているのだから本当にろくでもない。

でも竜帝を斃すためなら――愛のためなら、すべて許される。

「まずは竜帝を引きずり出してください」

黒槍の底で、甲板を叩く。女神の魔力を吸い取った魔法陣が、天に向けて輝いた。

海の向こうで輝いた魔法陣を見て、ああ、とラーヴェは溜め息のようにつぶやいた。器が、視線を向ける。

「何、あれ」

「古い魔術。魔術強化だ。使ってんのは女神だな」

「ぎゅう」

不愉快そうに足元で金目の黒竜が鳴いた。ハディスが抱き上げる。

「行こうか」

「行くしかないかあ」

「しょうがないよ。守りたいものがたくさん、増えたし」

それはいいことだ。金色の目を細めて、ラーヴェは笑う。

そう、この世界を守らねばならない。そのために理は、自分は在る。