作品タイトル不明
15「いつるさんの事情じゃね?」③
「い、いつるさんって宇宙人だったの?」
「地球人も宇宙という範囲であれば宇宙人です。私はそうですね、異星人といった感じです」
「――異星人……なんか、しゅき」
「……やっぱり気持ち悪い子ですね。付き合いが長くなりそうな予感がしますので、慣れるように努力しましょう」
咳払いをしたいつるは、「ですが」と前置きして話を続ける。
「ただ、私は細かく言うと異世界人でもあっているかもしれません」
「Why?」
「私のおじいちゃん、翔・ディロン・マルセー・ロットロット・ナイジェルマリー・赤星は地球の生まれです」
「え? でも、師匠の星は星槍さんがぶっ壊しちゃったって」
「はい。その通りです。暴走した蒼穹の星槍によって破壊されました」
「星槍さん、やっぱりスケールが宇宙!」
師匠には申し訳ないが、全く知らない世界の星が破壊されようと夏樹は気にならない。
星槍さんにも事情があったのだろう、と思うだけだ。
「正確に言うと、こことは似て非なる地球で暮らしていました。それこそ異世界というべきでしょうね。さて、星が滅ぶとどうなると思いますか?」
「どかーん」
「そのあとは?」
「そのあと? あるの?」
「ありますとも。星槍がこことは別のおじいちゃんの故郷の星を破壊したことで星が砕け、なんやかんやあって世界が死にました」
「――説明が急に雑ぅ」
「些細な問題ですから」
「世界が死んだのに些細はないからぁ!」
「詳細はわかりません。私はその場に居合わせたわけではなく、おじいちゃんから聞いたのですから」
「そりゃ、そうだけど」
いつるはコーヒーを飲み、喉を湿らせた。
「祖父は偶然なのか、必然なのか、力に目覚め生き残りました。その際、星槍と戦い敗北しましたが、やはり生きていました。さすがおじいちゃんです」
「さすが師匠!」
「詳細は不明ですが、おじいちゃんは星槍をおいかけて別の世界へ移動し、そこでおばあさまと出会いラブコメりながら星槍と戦いました」
「ラブコメるの早いなぁ」
「しかし、負け続きです。ひとつの世界がなくなり、またひとつの世界がなくなり、その都度、わずかに生き残った者たちと、ラブコメった女性たちと一緒に星槍を追い続けました」
「え? 師匠、毎回ラブコメったの? まじで?」
「マジです」
「しゅごい」
いつるは淡々と言うが、夏樹としては師匠のプレイボーイっぷりに驚くしかできない。
「私の生まれるずっと前のことですが、なんやかんやあって星槍を破壊こそできませんでしたが、力をふたつにわけて封印することができました」
「それで、あの世界に」
「いいえ。他の世界に封印していたのですが、星槍――聖剣の方が頑張ったせいで複数の星が破壊されています」
「聖剣さんやっぱしゅごい」
「そこで長らく平穏な……戦いという意味で平穏です、そんな日々を捨てておじいちゃん自らが封印と守護役になったのです。そこで出会ったのが、あなたです」