軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

14「殺しかけたけど俺は悪くなくね?」①

どしゃっ、と耳障りな嫌な音を立てて、屋上に水無月都の上半身と下半身が落ちる。

内臓がこぼれ、赤い血溜まりが広がっている。

「あ……ぁ」

ごろん、と都の上半身が転がる。夏樹の目と、光を失いかけた都の虚な目が合った。

血の気が引いた。

「ちょ、え、ま。その刀って霊刀とかそういうファンタジー要素のある強い刀じゃないの!? こんな簡単に折れちゃっていいの!? ていうか、刀が脆いせいでこの子の身体まで両断しちゃった!」

幸いというべきか、即死はしていない。

水無月家と敵対するかどうか決める前に、こちらから火種を作ってしまいそうになるのを防ぐため、慌てて彼女に駆け寄り、上半身と下半身を雑に引っ張って合わせた。

「ヒールヒールヒール! とにかくヒール!」

異世界でも大活躍だった回復魔法ヒールを連発したおかげで、再生するように都の上半身と下半身がくっついていく。

新しい臓器が生まれ、血管と血管がつながっていく。内臓の修復が終わると、次は肉がみるみる肌色を取り戻していく。

「――ぶはっ!?」

都は自ら顔を上げたように、酸素を求めて大きく呼吸を繰り返す。

彼女が死ななかったことに、夏樹はホッとした。

「よかった、死んでなかった!」

「い、いいいいい。今、身体が、半分に」

意識を維持していた都は、自分の身体が両断されたことを覚えているようだ。

確かめるように腹を触るが、今の彼女の腹部は問題なくくっついている。

ただ、制服の上は服部分が切れてしまっているので、へそ出し状態だ。

気遣いのできる紳士なら、自分の制服を渡すのだろうが、夏樹が都にそんなことをしてやる義理はない。

身体を両断されることを前提に着替えを用意していなかった都が悪いのだ。

「死体処理するの面倒だから、よかった!」

物騒なことを言う夏樹の嘘偽りない本音だった。

水無月家と一戦構えることになるならないを別にして、現代社会で人をひとり殺せば大問題だ。

霊能関係で処理してくれるならいいのだが、水無月家とやらがわざわざ夏樹のために骨を折ってくれるかどうかわからない。

昔からの付き合いである青山署長にだって、自分が人を容赦なく殺したことは知られたくない。

(最悪の場合、跡形もなく燃やすとかすればいいんだろうけど、下手に魔法を使ってまた感知されても面倒だしなぁ。あー、死ななくてよかった!)

「え、死体って、なに? なにが起きて……はうっ」

都は、夏樹に殺されかけたことがわかったのか、それとも心身ともにショックだったのか、もしくは両方か不明だが、限界が訪れたようで気を失った。

「俺が本当に敵じゃなくてよかったね。まだこっちの世界の状況が掴めていないし、おじさんにも大人しくしとけって言われたからさ。向こうだったら、埋めてるよ?」