作品タイトル不明
13「ガチで戦うんじゃね?」②
「舐めるな! ただの魔族程度に私が劣るはずがない!」
「そういうこと言う奴は大体雑魚なんだよ!」
夏樹がアスファルトを蹴った。
死の神が応じようとするよりも早く、蒼穹の星槍の一撃が左腕を付け根から奪った。
夏樹は舌打ちをした。
狙ったのは、肩から腹まで縦に斬ってやろうと思っていただけに、悔しがる。
「おのれ」
「さっきよりも早いだろ? 俺って、力セーブしていたんだよねぇ」
「人間が!」
再生能力によって腕が再生するが、再び夏樹によって斬り落とされた。
「次は首を刎ねてやる。覚悟しろよ?」
とんとん、と夏樹は自身の首を手で叩く。
その挑発に死の神の神力が高まった。
「いくぜ!」
夏樹が再び地面を蹴り、槍を薙ぐ。
槍術など学んでいない夏樹は、槍を大剣のごとく振るうのだ。
事前に通告してあったこともあり、死の神は慌てることなく防御の姿勢を取る。
槍が死の神の首に引き込まれるように向かう。
その槍を死の神は両腕で受け止めた。
右腕が弾け飛ぶが、左腕でなんとか槍を受け止めることに成功した。
死の神も蒼穹の星槍の威力に驚きながら、自分には通じないとでも言おうとしたのか口を開くが、夏樹がそれを許さなかった。
――にんまり、割った夏樹の右腕には、雷を収束した「神鳴りの剣」が握られていた。
夏樹の一撃を受け止め、ほんのわずかに死の神が「緩んだ」その瞬間、「神鳴りの剣」が死の神の胸を貫いた。
「――――な」
「勇者が馬鹿正直に攻撃するわけねえだろぉ! あんたに河童大神様のご加護を! 暴れろ、雷っ!」
死の神の体内を雷が走り暴れる。
身体を反り動くことさえできない死の神に夏樹は全力の蹴りを入れた。
倉庫の壁に激突するよりも早く、夏樹が槍を構えて待っていた。
動けぬ死の神に、夏樹は「蒼穹の星槍」を振り下ろした。
「――輝け蒼穹の星槍!」
死の神の身体が、雷を纏った槍によって斜めに両断された。