作品タイトル不明
【過去編】「まもんまもんな出会いじゃね?」④
中学、高校と進んだサマエルとマモンは、仲間を増やしていった。
支配するのは学校だけではなく、その地区もだ。
サマエルの暴れっぷりに、実力主義の魔族たちは良く思わなく潰そうとしたが、すべて返り討ちとなる。
学生だろうと大人だろうと、関係ない。
サマエルが真正面から敵対してくる魔族をすべて返り討ちにした。
――そして気づけば、魔界の二割を完全支配していた。
「実力主義を掲げている割には、魔族っていうのもたいしたことないな」
「まもんまもん。それは魔族がどうこうではなく、サマエル様のお力が凄まじいまもんまもんであるゆえ」
「……まもんまもんであるゆぇ? なぁに、それ?」
「素晴らしいまもんまもんということです」
「お、おう」
サマエルの名が売れると同時に、右腕を名乗るマモンの名も売れている。
マモンもマモンでサマエルと同じくらいに狙われているが、すべてまもんまもんと返り討ちにしていた。
サマエルの配下の三割くらいがマモンを慕っている。
「俺様は思ったんだがな、マモン」
「まもん」
「数年で魔界の二割を支配した。雑魚を相手にするのにも飽きたってことだし、そろそろ魔王狩りをするか」
「――っ、ついに全国制覇をまもんまもんとする決意をなされたのでまもんまもん!」
「全国制覇って……まあ、魔界制覇だな。聞けばよぉ、ルシファー・太一郎とかいう舐めた名前の堕天使が最近魔王狩りをしているようなんだ。魔界の二割を完全支配し、快進撃が続いているとか、――舐めているよな?」
サマエルから怒気を含んだ魔力が発せられた。
彼女は魔族として規格外な力を持つが、それ以上に恐ろしいのが――毒だ。
彼女がその気になれば、魔族だけではなく、神々さえも毒で殺すことができる。
興味本位で彼女の毒を味見したマモンは、三日三晩のたうち回り生死の境を彷徨うほどだった。
その力が向けられれば、誰もがひれ伏すだろう。
しかし、サマエルは毒を使うことは好まず、肉体だけで押し潰す戦いを好んでいる。
奇しくも、彼女が口にしたルシファー・太一郎も肉体だけで制圧することを好んでいるようだった。
「ルシファー・太一郎でまもんまもん」
「知ってんのか?」
「まもん。天界は広いようで狭くありまもんまもん。――ご近所さんでした」
「世の中狭いなぁ!」
「ゴッドの息子にして、天界のヤンチャボーイと言われておりまもん」
「な、なんかしょぼく聞こえるのは気のせいか? ゴッドの息子の後が、なんか嫌だなぁ」
「まもんまもん。そんなルシファー・太一郎が堕天したことは知っておりまもんまもんですが、まさかサマエル様を差し置いてやりたい放題とか、このマモン! 激おこまもんまもんです!」
「……あ、うん。んじゃ、とりあえず、奴の支配している地域に向かって攻めていくってことでオッケー?」
「まもんまもん!」
――サマエルとルシファー・太一郎がぶつかるまでもう少し。