軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第159話 ナンスへ

「そういうわけで俺達はナンスに着いたらすぐに情報収集とミュリエル先輩との合流に向かう。お前達は冒険者ギルドに行ってくれ」

カルロがナンスに着いてからの動きの説明を再開する。

「わかった。俺達もギルドで探った方が良いか?」

「いや、素人がそういうことをするのはやめた方が良い。お前達はたまたまオーレーで俺達と再会しただけで何も知らない感じでいってくれ。少しでも密偵の匂いを残したくないんだ」

ここはプロに任せた方が良いか。

「実際、たまたま再会したわけだしな」

「そういうことだ。ギルドでおすすめの宿屋を聞いて、そこで待機していてくれ。外で観光していてもいいが、夕方には宿屋にいてくれ。俺達も後でギルドから場所を聞いて、合流する」

観光する気分にはなれんな。

「合流って、ミュリエル先輩もか?」

「いや、とりあえずはその辺も探りを入れてからだな。もし、ミュリエル先輩が職務を全うしようとしている感じならそれをお前達に伝えるからその時も俺達を放っておいて、先にゲイツに向かってくれ」

そこでお別れか。

「わかった。その辺りの判断はお前達に任せる」

「ああ。それと金貨を売るんだったか?」

「そうだな。ニーナ、ちょっと頼みたいことがあるんだが、いいか?」

ニーナに聞く。

「何でしょう?」

「無人島で金貨を手に入れただろ? あれをナンスで売りたいんだよ。イパニーアは金がそこまで高くないみたいだったからまだ売ってないんだ」

「それはそうですね。イパニーアは鉱物関係に強い国なんで。私も偽装のために色々と仕入れますからその時に一緒に行きましょう」

「頼む。それとインゴットもあるんだが、一緒に売ってくれ」

「インゴット? すみません、見せてもらえます?」

そう言われたので魔法のカバンから金のインゴットを取り出し、ニーナに渡す。

「イパニーアでもらったんだ」

オフェリアから脱出の報酬でもらったやつだ。

「もらったって……お偉いさんをランスに逃がす手伝いをしたって言ってましたけど、その報酬か何かですか?」

「そんな感じだな」

「本当にお偉いさんなんですね……これはかなり質の良い金です。良い値段で売れると思います」

「俺達の店の開店資金になるんだから頼むぞ」

結構期待している。

「わかりました」

俺達がそのまま待っていると、徐々に列車のスピードが落ちる。

そして、ついには列車が停まり、ナンスの町に到着した。

「じゃあ、俺達は先に降りる。さっき言ったとおりに頼むぞ」

「では、夕方に会いましょう」

カルロとニーナはそう言って、部屋から出ていく。

そして、俺達も少しの間、その場で待ち、列車から降りた。

「さて、まずは冒険者ギルドだな」

「ちょっと聞いてみますねー」

エルシィはそう言って、駅員のもとに向かう。

そして、駅員と少し話をすると、戻ってきた。

「悪いな」

「いえいえー。すぐ近くだそうです。行きましょう」

俺達は改札を抜け、駅を出る。

町は多くの人が歩いているし、賑わっている。

それに心なしか店が多い気がしたし、露天商も多い。

「商業で発展した国か」

「ランスって人口が多いんですかね? オーレーもでしたし」

ここは商業でオーレーは農業の町だったが、どちらも王都並みに人が多かった。

「人口自体はイラドとそんなに変わらないはずだ。単純に主要な都市に人口が集中しているってところだろう」

過疎化ってやつ。

「あー、イラドでもたまに新聞に載ってましたねー」

どこにでもそういうのはあると思うが、この国は極端なのかもな。

「仕方がないことだな。ギルドはどっちだ?」

「あっちですねー」

エルシィが右の方を指差す。

「じゃあ、行こう」

「はーい」

エルシィが腕を組んできた。

「どうした?」

「治安があまり良くない町みたいなんでー、離れないようにしないとー」

うーん……意味あるんだろうか?

まあ、いいか。

「そうだな」

俺達はそのままの体勢で歩いていくと、ものの数十秒で剣が交差する看板がある建物が見えてきた。

「やっぱり大きいな」

2階建てだが、オーレーの冒険者ギルドよりも大きい。

「こちらも仕事が多そうですしね」

商業の町ならそうだろうな。

ここも大儲けのチャンスかもしれんが……

「この町で仕事をすることはないかもな」

「金貨とインゴットを売るだけで良いじゃないですか」

それもそうだな。

俺達は冒険者ギルドまでやってくると、中に入る。

ギルドはかなり広いうえに多くの人がおり、賑わっていた。

「商人、冒険者、町人……多いな」

「まあ、仕事はたくさんありますからねー。端っこの受付が空いてますからそこに行きましょう」

エルシィが言うように右端の50代くらいの男性受付のところは空いていた。

「そうするか」

俺達は右端の受付に向かった。

「いらっしゃいませ。お見かけしたことがないような気がしますが、初めてのお客様ですか?」

受付の男性が声をかけてくる。

「旅行をしていて、さっきオーレーからやってきたところだ」

「なるほど。冒険者カードはお持ちですかな?」

「ああ」

俺とエルシィは冒険者カードをカウンターに置いた。

すると、受付の男性がじーっとカードを見る。

「ふむふむ……錬金術師ですか。それも飛び切り優秀なうえにギルドに多大な貢献をしてきたようですね」

貢献したかな?

「そう書いてあるならそうなんだろう」

「わかりました。私はブレーズと申します。以後お見知りおきを」

受付の男性は深々と頭を下げた。