軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第154話 宴会の終わり

カルロとニーナは散々、場を荒らしていき、23時頃にようやく帰っていったのでソファーでポーションを作りながらまったりと過ごす。

「相変わらず、賑やかな兄妹でしたねー」

ホントにな。

でも、さすがに飲みすぎだ。

「あんなに飲んで大丈夫かね?」

目の前にあるローテーブルには空いたワインボトルが数本並んでいる。

俺とエルシィは嗜む程度だったが、あの兄妹は無料の高級ワインということで大量に飲んでいた。

「さすがに11時発ですからちゃんと起きてくるとは思いますよ」

まあ、最悪は列車で寝ればいいか。

それにあいつらも錬金術師だから二日酔いの薬とかも作れるだろう。

「ウェンディ、一応、確認しておくが、今日のカルロとニーナの言葉に嘘はあったか?」

2人を信用しているが、大事なことなのだ。

「あったか、ないかで言えばありましたが、飲みまくって兄妹で傷の舐め合いをしていた時の『ニーナにはすぐに良い人が見つかると思うぞ』と『兄さんはモテるから大丈夫』は嘘ですね」

だろうな。

「密偵の件だ」

「わかってます。それについては嘘はありません。負の感情もなかったです」

となると、本当に密偵か。

「マジか……ランスの同盟破棄やミュリエル先輩の件で軽く流したが、とんでもないことをやってるんだな、あいつら……」

「まったく気付きませんでしたね。嘘が上手いんでしょうか?」

うーん……

「というよりかは本人達がことの重要性をわかってない感じだな。町の様子を伝えているだけっていう意識なんだろう」

「でも、やってることは国に対する裏切りですし、結構なことですよね。ましてや、あの2人って軍の内部にも入れますし」

カルロは船大工だから軍船関係に関わっている。

ニーナはポーションなんかを卸している。

どちらも軍を相手に取引をしているし、この前のように基地内部にも入れる。

「エルディアの町はターリーの重要拠点であり、その軍の内情を知れるのは大きいだろうな」

もっとも、イラドは遠くてあまり関係ないんだが。

「ですよねー……ウェンディちゃん、負の感情がなかったんだっけ?」

エルシィがウェンディに確認する。

「はい。まったくです。見たまんまで常時、明るい御兄妹ですね」

「お国柄かなー? ターリーの人って明るいし」

そうかもな。

「まあ、かばってくれたから良いじゃないですか。もし、あの2人がイパニーアに行ったって報告していたらイパニーアで捕まっていた可能性もありますよ」

かもな。

俺達は船でゆっくりとイパニーアに向かった。

もし、刺客が飛空艇を使って先回りしていたら王都か船が着くペインの町で遭遇だったと思う。

「そこは感謝だな」

「はい。持つべきものは友達ですねー」

ホントにな。

「エルシィ、ミュリエル先輩って知ってるか?」

「いえ、先輩達の上の年代なら私は知りません。先輩は知っているんですか?」

「名前を聞いたことがあるくらいだ」

「先輩が聞いたことがあるっていうくらいなら有名なんですね」

そういうことになるな。

「魔法学校における庶民代表みたいな方だったと思う。色んな要望を学校に通したんだ」

魔法学校を運営しているのも貴族だ。

ミュリエル先輩は恐れずに意見書を出しまくったと聞いている。

「よくそんなことができますね。貴族ですよ?」

「ホントにな。でも、その半分くらいは認められたんだ。国としても錬金術に力を入れているわけだし、学生を優遇すればそのまま国力が上がるからな」

良いことだと思う。

ただ、貴族の生徒からの反感も強かったと聞く。

「それでミュリエル先輩は卒業した後、どこに行ったんです?」

「知らない。俺が知っているのはさっき言ったことぐらいだ。悪いが、そこまで興味がなくてな……」

ミュリエル先輩が通した要望の1つに貴族しか閲覧できなかった図書館の一角を解放するってことがあった。

それや奨学金の免除には感謝したが、それ以外は別にって感じだったし。

「まあ、レスターさんはそんな感じですよね。カルロさんですら微妙でしたし」

ウェンディがちょっと呆れる。

「クラスメイトですらそれだからな……学年が違うならもっと知らん」

「エルシィさんも学年が違いますけどね」

「先輩は私のことが好きだなー」

はいはい。

お前らもそのくだりが好きだよな。

「そういうわけでミュリエル先輩の人となりまでは知らん。見たことはあるが、当然、話したことはないからな」

「となると、カルロ先輩の言葉を信じるしかないですねー」

そうなるな。

まあ、あいつも密偵をやっているくらいだし、人を見る目はあるだろう。

「まあ、安心しろ。最悪はナンスから王都方面に逃げればいいからな」

「あー、それもそうですね。イラドとランスの同盟が破棄されてますし、密偵であるミュリエル先輩もいないから王都方面は逆に安全です」

「ああ。王都に行って、空港があるレムの町に行けばいい」

金はかかるが、そこから空路を使えばどこにでも行ける。

「そうしますか……まずはナンスですね」

「ああ。しかし、今度は俺達が脱出を手伝ってもらうことになったな」

この前、オフェリアの手伝いをしたばかりだというのに。

「どこも何かしらの事件が起きてますよねー」

「たまには平和なところを通過したいもんだ」

まあ、大半は金儲けをしようとして問題が起きているんだが……

「ですねー。さて、そろそろ寝ますか。私達もいつもよりも飲みましたしね」

「そうだな。先に風呂に入れよ」

「はーい」

俺達は順番に風呂に入り、寝室に行くと、ふかふかベッドで就寝した。