軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第122話 ギルドへ

駅を出ると、のどかな町が見えている。

建物も2階、3階建てが多く、王都なんかと比べると全体的に高くなく、所々に畑も見えている。

とはいえ、舗装もしっかりされているし、ド田舎といった感じでもなく、この世界の平均くらいの発展具合だと思う。

「あの丘の上のお屋敷は何ですかね?」

いつの間にか俺の肩にしがみついているウェンディが前方を指差しながら聞いてくる。

前方には数十メートルくらいの丘があり、その上に立派な建物が建っているのだ。

「領主の屋敷じゃないか? ギルドの受付嬢がマルドナド伯爵が治める町って言ってたし……あれ? エルシィがいないぞ?」

さっきまで隣にいたエルシィの姿が見えない。

「エルシィさんはさっき駅の受付に……あ、戻ってきましたよ」

ウェンディが後ろを見て、そう言ったので振り向くと、エルシィが小走りでやってきた。

「すみませーん」

「どうした?」

「冒険者ギルドの場所を聞いてきましたー」

おー、さすがはエルシィ!

「悪いな」

「いえいえー。あっちですので行きましょう」

俺達は前方に向かって歩いていく。

「ギルドで宿屋と仕事の話を聞いたら今日はどうする?」

「まだ午前中ですからねー。まあ、仕事の内容を聞いてからにしましょう」

「それもそうだな」

「ところで、あの建物は何ですかね?」

エルシィが丘の上の建物を指差した。

「さっきウェンディと同じ話をしていたが、領主の屋敷じゃないか?」

「あー、っぽいですねー。眺めは良さそうですけど、住むには大変な気がしますね」

丘の上だからな。

上り下りが辛そうだ。

「坂ばっかりだったターリーのエルディアを思い出すな。でもまあ、貴族なら馬車だろ」

馬が大変だろうけど。

「それもそうですね。あ、ギルドはそこです」

通りの右側には剣が交差している看板が見える。

「そこまで大きくないな。ペインの町と同じくらいだろう」

俺達がこの国で最初に来た町のギルドと外観はさほど変わらない。

「町の規模的にも同じくらいでしょうしねー。入りますか」

「そうだな」

俺達はギルドまでやってくると、中に入る。

すると、やはり外観と同じように中もペインの町と同じくらいの大きさであり、そこまで広くない。

そして、受付が3つあるのだが、左右の2つには人がいなかったので真ん中の若い受付嬢のもとに向かった。

「こんにちは。旅の方ですか?」

受付嬢が聞いてくる。

「わかるか?」

「そんなに大きな町じゃないですからね。見かけない人はほぼ旅の方です」

それもそうか。

「王都から来たんだ。正確にはターリーから船でペインの町に来て、そこから北上中だな」

「国を縦断する旅ですか。良いですね。冒険者カードはお持ちですか?」

「ああ。それと王都の受付が書いてくれた推薦状がある」

エルシィと共に冒険者カードをカウンターに置くと、推薦状も併せて置く。

「推薦状を書いてもらえるなんてすごいですね。なかなか書きませんよ」

「そうなのか? ペインのギルドでも書いてくれたぞ」

「お客さん、凄腕? そんな強そうには見えないけど……」

弱っちいわな。

「俺もエルシィも錬金術師だ」

「あー……そう言われると、頭が良さそうです。ちょっと待ってくださいね」

受付嬢が封筒を開き、中の推薦状を読みだした。

「読みながらで良いんだが、ちょっと聞きたい。他の受付はいないのか?」

「この時間は暇なんで奥で休憩中です。王都なんかの大きい町は常にお客さんが来ますけど、このくらいの規模ですと、朝か夕方くらいですからね」

そういえば、ペインでもぺちゃくちゃしゃべったりと暇そうにしていたな。

「そうか。仕事の話もだが、良い宿屋を紹介してくれ」

「推薦状にもそう書いてありますね。チーム新婚アルケミストさんらしいですね。羨ましい限りです」

おかしいな?

パーティー名はチームアルケミストに変えたんだが……

「それでどうだ?」

「御二人が優秀な錬金術師というのはわかりましたし、推薦状を書かれたのもよくわかりました。仕事というと、やはり生産や加工関係が良いですよね?」

錬金術師だしな。

「ああ。魔法も使えるが、やはり長所を生かして仕事をしたい」

「わかりました。まずですが、この町も王都と同様に鉱石関係の仕事は多いですのでそちらをやるというのが一つあります」

王都周辺の町でもそういう仕事は多いと聞いている。

「他にもあるのか?」

「ちょうどいいと言いますか、ぜひともお願いしたい仕事があります」

ほう?

「どんな仕事だ?」

「ネックレスの修復の仕事です。実はこの町を治めるマルドナド伯爵のご令嬢からの依頼です」

貴族案件か。

「貴族ねぇ……」

「どうしましょう……」

エルシィと顔を見合わせる。

「あー……イラドのご出身ですっけ?」

俺達の反応を見て、何かを察した受付嬢が苦笑いを浮かべた。

「ああ。イラドの王都出身だ。正直、貴族にあまり良いイメージがない」

「イラドは貴族国家ですもんね。わかります……でも、マルドナド伯爵は優しい御方ですし、そのお嬢様であるアデリナ様も温厚なご令嬢ですから大丈夫ですよ」

ホントかぁ?