軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

主人公補正はパラメータには無い

まぁ、結果は分かりきっていたわけで。流石に突然覚醒して強烈なカウンターを!とか謎の高レベルプレイヤーに助けられて……とかそういう劇的なことがそうそう起きるはずもなく。

「まぁ、ですよねー」

逆に何故と聞きたい今現在、HPを1残して膝から下が噛み千切られた俺は地面に転がってゆっくりとこちらへ迫る夜襲のリュカオーンを眺めていた。

まぁプレイヤースキルだけで何にでも勝てるなら俺はリアルで身体を鍛えてるわ、って話なわけで。プレイヤースキルだけで全部決まるならこの世にゲーマーなんてゲーム限定の強者な人種は存在しないわけで。

いやでももし俺を「ユニークモンスターに瞬殺された変な鳥頭」と語り継ぐ者がいるならちょっと待ってほしい。これでも五分は持ち堪えたし、二百回くらいは攻撃を当てたし、その内百と数十回くらいはクリティカルを出している。まさか毛ほどもダメージを与えられないとは思わなかったけどな! ハハハ。

いやホント、あれ毛じゃないよ。鎧を毛の形に圧縮したものを全身から生やしてるようなもんだよ。

見ろよ、ほぼ無傷に近かった致命の包丁が破損寸前だ。ちゃんと柔らかそうな部位を攻撃してただけでこの有様だよ、俺は岩に斬りかかってたのか? しかも何らかのスキルなのか、奴の咆哮で身体の動きは強制的に固定されるわ、消えたと思ったら背後から突然現れるわ……褒めて、むしろ現状使えるあらゆる手段で五分保たせた俺を褒めて!

ちなみにレッドキャップ達もヤケになったか夜襲のリュカオーンに攻撃を仕掛けたものの、一匹は後脚で蹴られて水風船のようにポリゴン爆裂し、俺が追い詰めたレッドキャップAは一発攻撃を当てることには成功したものの、武器である錆びた長剣がへし折れ呆然としたところを夜襲のリュカオーンの口の中に消えた。

このゲームにモンスターテイマーとかがあって俺が今それであったなら間違いなくスカウトするくらいには気に入ってたんだがな……言ってしまえばデータでしかないのだが、南無。

「あークソ……つくづく神ゲーだわ……」

胸にあるのは満足感ただ一つ。確かに夜襲のリュカオーンは強かった。それはもう理不尽に固く、理不尽に強く、理不尽に速い。膝から下を噛み千切られた重傷とはいえ、致命傷と言うにはいささか疑問があるにも関わらずHPほぼ全損って頭おかしいだろ、1残ったのはLUCの効果か何かか?後で調べよう。

だが、この理不尽はちゃんと正常なプログラムによるものだった。夜襲のリュカオーンはちゃんとこれを作った者達の想定通りの強さだ、言うなれば…… 倒せる理不尽だ(・・・・・・・) 。

「いつになるかは分からんが……お前絶対倒すからな」

「…………。」

ラスボスとかストーリーとかもうどうでもいい、完全に俺の 炉心(ゲーマー魂) に火が入ったのを自覚する。

今この瞬間俺がこのゲームをプレイする 原動力(モチベーション) は決まった。

「それまで倒されるなよ夜襲のリュカオーン。」

「…………グルッ」

「えっお前もしかして割と上等なAI積んでおぼぁっ」

明らかに口の端を歪めて笑った夜襲のリュカオーンに物申す途中で俺は上半身を噛み千切られて残った1が0となった。

『「リュカオーンの 呪い(マーキング) 」が付与されました。』

「……………。」

セカンディルの宿屋のベッドの上で目を覚ました俺は、無言でステータス画面を開く。

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PN:サンラク

LV:28(50)

JOB:傭兵(二刀流使い)

2,000マーニ

HP(体力):30

MP(魔力):10

STM (スタミナ):40

STR(筋力):10

DEX(器用):15

AGI(敏捷):40

TEC(技量):20

VIT(耐久力):1(6)

LUC(幸運):55

スキル

・スピンスラッシュ→ラッシュスラッシュ

・スクーピアス→スパイラルエッジ

・ナックルラッシュ

・スライドステップ→スライドムーブ

・ジャストパリィ→レペルカウンター

・ループスラッシュLv.1→Lv.4

・エッジクライム

・アクセルLv.3

装備

右: 致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)

左: 致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)

頭:凝視の鳥面(VIT+2)

胴:リュカオーンの呪い

腰:隔て刃のベルト(VIT+4)

足:リュカオーンの呪い

アクセサリー:無し

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ユニークモンスターとはただ戦うだけで経験値が入るらしい、ステータスポイントが美味しい……まぁそれはいいとして。

スキルも新しいものもあればさらに発展したものもある、格闘スキルを使わなかったのは惜しいな……まぁそれはいいとして。

・リュカオーンの 呪い(マーキング)

夜襲のリュカオーンは強敵をこそ好む。そこに善悪賢愚は考慮されず、ただ己の存在を示した者にリュカオーンは自身の呪いを刻みつける。

それは己の獲物であるという徴であり、傷跡の呪いより発せられる黒狼の気配は半端な存在に大いなる力の残滓を示す。

呪いは、黒狼を超える力にて解呪するか、黒狼を打倒する他に解く術なし。

「リュカオーンの呪いが付与された部位は装備品を装備することができません。」

「リュカオーンの呪いを持つキャラ以下のレベルのモンスターはキャラから逃亡します。」

「リュカオーンの呪いを持つキャラは他の呪いに対して強い抵抗を得ます。」

「リュカオーンの呪いを持つキャラはNPCとの会話で補正がかかります。」

あれ、これ詰んでね?