軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第二十九話

佐々木ダンジョンへと潜った俺とヴァルは第五層まで一気に探索を進めていた。

東雲さんの威圧がない分、モンスターが途中で出てくるのだが、ヴァルが瞬殺してくれるので、特に止まることなく奥へと進めている。

「クエッ!?」

銅鳥もヴァルがひきつけ、俺が魔術で仕留めるパターンで、今回のを含めて五羽も倒した。

ここに来るまで大体一時間半程度で済んでおり、かなりハイペースの探索になっているが、特に問題が起きてはいない。

(ヴァルが強すぎるんだよな)

武器と防具を装備したヴァルにスキはなく、機動力が若干そがれた代わりに、近距離では負けようのない無敵状態となっている。

遠距離の攻撃手段があるモンスターは俺が魔術でさっさと片付けているので、問題はない。

( 鉄鎧海老(てつがいえび) も四匹採れたしな)

佐々木ダンジョン第四層に生息する鉄鎧海老だが、試しに一匹ボイルしてみたところ、味よし、香りよし、食感よしだった。

ハッキリ言って今まで食べた海老の中でも一番うまい。

最高の一品だった。

第六層へと続く階段の前に再び銅鳥と鉢合わせる。

銅鳥が俺に睨みを効かせてくるが、対処法が分かっている以上何の感情も抱かない。

(さっさと銅鳥を片付けてっと)

ヴァルが銅鳥との間合いを詰め、避けようとしたところを、俺が魔術を撃って倒す。

今回も前回の探索で苦戦した強敵を、ものの数秒で倒していた。

(順調だな)

このペースで探索をすれば簡単にレベル49にまで上げられるかもしれない。

レベルは49までは上がりやすい。

真面目な探索者が週三から四回程度ダンジョンに潜って、普通にモンスターを狩った場合に約半年程度で至ることができる。

ただレベル50に上げるのが大変なのだ。

(1から49に上げるまでと同じくらいの経験値が必要とされているからな)

レベル50に至るのは大体一年程度かかる。

これも真面目にダンジョンの探索を行った場合で、怪我や装備の点検などを含めていない。

それに戦闘を避けて進めた場合はレベルを上げるのは大変になるし、この真面目というのも四人程度でチームを組んで、出会うモンスターのほとんどを討伐して、かつ安全に探索を進めた場合だ。

貧弱なスキルを持った者は慎重にならざるを得ない上にチームを組んでもらいにくいため、レベル上げが困難だし、強力なスキルを持った者は、ダンジョンの奥にいる強いモンスターを狩ったり手早くモンスターを倒せるので基準となるペースよりも更に速いペースでレベルを上げられるだろう。

それに強力なスキルを持っていたり、武道・格闘技・武術などで優秀な成績を修めて探索者になった者は高位のクランの育成枠として楽にレベルを上げさせてもらえたりする。

(まあ、俺も精々楽にレベル上げさせてもらいますかね)

近距離はヴァル、遠距離は俺、それぞれ役割分担すれば簡単にモンスターを処理できる。

経験値も素材も取り放題だ。

(あー最高)

アドレナリンが出まくっている感覚、こんな高揚感は学生以来かもしれない。

(さて、第六層に行くか)

こうして順調なペースで佐々木ダンジョンを攻略していった俺とヴァルは、第六層へと続く階段に足を踏み入れるのであった。