軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

神凪一族緊急招集3〜虹樹

俺の所属している探索者パーティは、たぶん少し変わっている。

パーティメンバーは、剣豪の親父に剣姫のお袋、魔法剣士の弟の 琉樹(りゅうき) と魔術師の妹の 光理(ひかり) だ。

俺は剣聖で、剣を使う近接の戦闘職の集まりだ。

ただ、光理と下の双子の 輝理(かがり) と 煌理(きらり) の3人は魔術師だ。

お袋は娘が全員魔術師で剣を教えられなくて残念だわーと嘆いていたその分、俺たちへの稽古が厳しめになった。何故だ!?

光理は、結界のギフトを持っていて、障壁などを張ってくれたりする。

双子はまだ4歳なので、魔法は使えない。

魔力動かす練習中だ。

俺たちは大規模ダンジョンの新宿ダンジョンで基本活動しているが、他に全員家族のパーティは、聞いたことがない。

別に俺たちは、納得して家族でパーティを組んでいるので周りが何を言っても気にならない。

だが、家族でパーティなんておかしい、歳の近い自分たちとパーティ組もうとか、男も女もウザい。

弱い奴らと組むメリットが1ミリもない。

よく、EランクパーティやDランクパーティの奴らが、軽く勧誘できるよな?

俺らAランクパーティなんだがな?

理外の剣-リガイノツルギ-と言うパーティ名だ。

誰だ付けたのはっ。

厨二病わずらってるだろ。

個人だって、親父とお袋と俺はAランクだし、琉樹と光理はBランクだ。

2人だってAランク昇格間近なんだがな。

俺ら舐められてんのか?

だとしたら、業腹なんだが。

今日はまた本家の神凪から招集がかかっている。

最初の招集には、分家は呼ばれてないが時間差で内容は伝えられている。

俺たちは、お袋が神凪の娘だから分家扱いではなく神凪本家扱いで呼ばれている。

2度目は分家も一緒だ。

そして今回も2度目同様、本家分家揃い踏みだ。

前回まではスキルポイントの話だったから今回もそんな感じだろうと油断していた。

まさか、神凪ダンジョンで隠し通路と隠し部屋が発見されたなんて情報は驚きでしかない。

しかも1階層で!?

うそだろ?そんなことあるか?

理人(りひと) が、見つけたらしく説明をしている。

マジかよ。

自動マップ作成スキル!?

なんだその、攻略に役立ちそうなスキル。

いきなり生えたから条件とかわからねぇだと?そこは確認しといてくれよ。

俺もそのスキルほしいぜ。

で、そのスキルで隠し部屋を見つけた、と。

はっ!?別の部屋も見つけた!?

「でさ、その隠し部屋に転移装置があったんだ」

「「「「「「「はぁぁぁぁぁ!?」」」」」」」

「転移装置だぁ!?」

「小規模ダンジョンには存在しないんだろ?」

「ホントに転移装置か?」

「スクショ撮ったから見てよ」

「これは確かに転移装置のようだが」

「どこに転移できるんだ?」

「わからない。どこかにうっかり飛んで戻れなくなったら困るから触らないで戻って来た」

正解だな。

「よく、触らずに戻って来たね、えらいよ」

理人はうちのお袋に頭をグリグリ撫で?られている。

あれ、結構痛いんだよな。

お袋チカラつぇーんだよ。

「 灯理(あかり) 姉さんたちは、転移装置見慣れてるでしょ?新宿ダンジョンに潜ってるから、私たち基本的に生産職だしうちのダンジョンくらいしか潜らないから、転移装置とか詳しくないし、確認してもらえないかな?」

「これからいくの?」

「だって、みんな気になるでしょ?」

頷いてる大人も子供も、早く行こうって顔してる。

しかしマジで神凪ダンジョンに転移装置が?

「 理織(りおり) がお昼寝してる間に、行っちゃいましょう」

そう言って立ち上がったみんなを見て、俺は思った。

あーそれフラグだろ? 連理(れんり) さん。って。

「みんな、どこ、いく?」

ほら、理織起きて来ちゃったじゃん。

みんな目を逸らすなよ。

「りおもいく、だんじょん、りおもいくの」

なんでダンジョン行くのバレてんだ?

「リオはまだダメって言ってあるよね?」

「いや、いく、うわーん、いく、じゅるい、いくぅー」

ギャン泣きだぞ、寝起きだからか?

これは連れていかないと、ここから動けねぇぞ?

「いいじゃん、誰かがずっと抱っこしてれば」

理(さとる) さんとか連理さんとかが。

そしたら別に危なくないだろ?

連理さんと理さんは、デッカいため息ついて

「しかたないわね、理織1人で動き回ったらダメだからね?」

「あ゛い゛」

泣いてるから、返事に濁点ついてるぞ。

「じゃあ、 虹樹(こうき) お願いね」

「はっ?俺?」

「だって、虹樹が連れてってやれって言ったんじゃない?責任持ってね?」

マジかよ。

親が抱っこすんじゃねぇーのかよ。

うわ、理織そんなうるうるな目で見上げるな。

わかった、わかったから。

「しかたねぇな、理織俺でいいのか?」

「あい!こうにいだっこ」

両手あげて、だっこ要求している。

なんだこの可愛い生き物は。

ひょいと抱っこしてやると、あーがととにぱぁーと笑っている。

ちなみに輝理と煌理は、今日は家で留守番と言う名の昼寝をしている。

ぞろぞろと隠し部屋があると言う場所に着くと、壁しかない。

そりゃ隠し部屋だからそうかと思っていたところで、理人がここだよーと壁をすり抜けていき、後に続いて壁をすり抜けると言うなんとも微妙な体験をした。

ホントにただの壁にしか見えなかったからな。

部屋に入ってみたら転移装置があった。

ホントにあったぞ。

ぱっと見は新宿ダンジョンの転移装置と変わらないように見える。

お袋が 笑理(えみり) に鑑定を頼んでいる。

「新宿の転移装置と同じ鑑定がでるから、同じものだと思うけど」

「新宿と同じってことは、中ボス倒せばその次の階層までは飛べるんじゃないかしら?」

「新宿のは、そういう仕様なの?」

「5階層ごとに中ボスがいるから、なんとか5階層ずつクリアしたいところだけど、そう上手くはいかないけどね」

親たちが話してる横で俺らは、

「笑理、新宿の転移装置鑑定したのか?」

「あーうん、何で出来てるのか調べてこいって 理編(りあむ) が言うから」

「はっ?理編なんでそんなことを?」

「このダンジョン移動だけで時間かかるから転移できる魔導具とかできないかなと思って」

「そうそう、俺には複写スキルでコピー出来ないか確認して来いって」

「無茶苦茶だな、理編」

「だってマジで移動だけで攻略進めねぇんだもん」

「ちょっと理織暴れるなって」

抱っこしている理織が、転移装置に向かって手を伸ばしている。

突然どうした。

「あれ」

指差す先には、何もない?

「どれだ?」

「そうち、よこ、した」

「おーい、理人。理織の通訳」

呼ばれた理人は、呼んだー?と寄って来た。

「理織、なんか伝えたいみたいなんだけど、俺にはわからん」

理人は、理織に

「リオ、どうした?」

「そうち、よこ、した」

さっきと同じことを指差して言う理織に、

「転移装置の横?下?なんかあるのか?どっちの横?」

「あっち」

転移装置の右側を指す。

俺には、何かあるようには見えない。

「ちかく、いく」

俺も気になるから、理人と共に理織を抱っこしたまま、装置に近づく。

「あぁ、これか!」

理人は納得した声を上げた。

「そこになんかあるのか?」

「虹樹兄ちゃん、見えない?」

えっ?マジでなんかあんの?

「虹樹兄ちゃん、魔力見えない?」

魔力見る?見えるのか?

「見えねぇな、何があるんだ?」

「タッチパネル」

「タッチパネル!?」

ちょっと見てて、理人は何かに触った。

触った!?

「魔力流したんだけど見える?」

見えるようになった。

「タッチパネルだな」

間違いなくタッチパネルだ。

「たぶん、魔力流した人のクリアした階層までが表示されて、その中で好きな階層に飛べるっぽいよ」

「マジで?」

「たぶんね」

理人が魔力を流すのをやめると、タッチパネルは見えなくなった。

各階層に転移装置あるってことか?

ないと飛べないか。

「飛んだ階層からここに戻ってくることもできるんだよな?」

「たぶん、俺まだここのしか見つけてないし」

あぁ、そりゃそうだな。

「理織はなんでわかったんだ?」

俺に抱っこされたまま、

「きらきらよ?」

「キラキラ?」

理人に助けを求めると、

「リオは魔力見えるみたいなんだよ。魔力がキラキラして見えるみたい。なっ?」

「あい」

そうか、魔力が見えるとか考えたことなかったな。

んっ!?

もしかして新宿ダンジョンの転移装置にもタッチパネルあるかもしれないってことか?

魔力見えないと確認できないのか?

「どうやったら魔力見えるんだ?」

「虹樹兄ちゃん、身体強化できる?それを目にだけ使える?そしたら見えると思うんだけど」

目に魔力集めるってことか?

「こうにい、おめめ、きらきらー」

理織が俺の顔を見ている。

キラキラってことは、魔力集まってるのか?

タッチパネル見えるか?

うわっ、見えるな。

「タッチパネル見えた」

魔力を流してみる。

あーなるほど、クリアした階層まで飛べるな。

魔力を流すのをやめて、身体強化を解くと何も見えなくなった。

これは、知らないと存在しないのと一緒だな。

「虹樹兄ちゃん、新宿ダンジョンでも試してみて、あと大人の人たちに説明よろしく。リオはもらっていくね」

理織は理人に抱っこされて行ってしまった。

代わりに親世代に囲まれて、色々説明するハメになった。

おい、これ見つけたの理人、お前だろ?

丸投げすんなっ!