作品タイトル不明
念話は便利で不便です
世界樹が、毎日すごい速度で成長していく。
初日で身長抜かれたのよ、幼女。
理人(りひと) の緑の手の魔力と、聖水のおかげらしい。
最初はこの空間だからかと思ったんだけど、そんなこともないらしい。
萎れ気味の花に、緑の手の魔力流してもらったら、すごい元気になって、咲いている。
理人の恩恵すごいわね。
世界樹が大きくなって来たら、ティルも少し大きくなったような?
『ティル、大きくなってる?』
『そうね、そのうち本来のサイズに戻ると思うわよ』
『どういう意味?』
『ほら、私上位精霊だって言ったじゃない?でも世界樹がなかったから、最小サイズになってたの、このサイズって下位精霊のサイズなのよ』
『なるほど?』
『世界樹が育って聖霊力が増えれば、私も本来の力が戻るし、姿も戻るのよ』
『ティル様、質問よろしいですか?』
『アレド、様とかいらないんだけど?』
『ですが…』
『じゃあ、ティルちゃんで』
『ティルちゃん、ですか?』
『うん、決定ね!』
あははは、ティルちゃんね。
可愛くていいんじゃないかしら?
でも、アレドに呼べるかしらね?
『では、ティルちゃん。聖霊力は魔力とは違うのでしょうか?』
普通に呼んだわ。やるわね、アレド。
『聖霊力は、世界樹や神獣などが持っているもので、悪いものを祓う力、かしらね』
『ティル、神獣っているの?』
『この世界にはいないと思う。世界樹もなかったくらいだし』
そうか…、残念。
『アレド、フェリーラザに神獣いたかしら?』
『リオール様っ!』
んっ?何?
『 理織(りおり) 、フェリーラザって何?』
あっ、あっ!?
ティルとも念話繋がってるんだった。
しまった。
油断してた。
300年とかずっと念話は、アレドとしか使ってなかったから…
あーティルもいるじゃない。
ティルに、話しちゃった方がいいかしら?
隠すのは違うかしらね。
これからも、アレドとは念話で話す。
ティルも巻き込んじゃう方が私が楽ね。
『ティル、フェリーラザは私が前世で暮らしていた世界ね』
『リオール様…』
『だって、これからティルもずっと一緒にいてくれるなら、知ってもらった方がいいと思って』
『前世…?だから、アレドはリオールって呼ぶの?』
あーそうよね。アレドはずっとリオールと呼んでたわね。
私はリオールであり、理織だから特に気にしてなかったけど。
『そうね、アレドは前世から私に仕えてくれているの』
『アレドはどこにいるの?』
難しい問題ね、それは。
『私はリオール様の中に存在しております。リオール様の記憶の保管箱であり記録の保管箱でありますので』
『よくわからないけど、今まで通りに念話で話せばいい?』
『はい、それで問題ありません』
『わかった、それならいい』
いいんだ?
『で、アレド、フェリーラザに神獣いたかしら?』
『実際はどうかわかりませんが、エンシェントドラゴンがそんな扱いだったかと…』
えっ?エンシェントドラゴンって…
『シルク爺!?』
『はい、シルクアルディス様は世界的に伝説のエンシェントドラゴンでしたので、神獣なのでは?との扱いでした』
ホントに?
全然知らなかったわ。
『理織の知り合い?』
『知り合いと言うか、契約獣?』
はっ!?とティルはあんぐり口を開けた。
『ドラゴンと契約してるの?前世じゃなくて今も?』
『アレド、今ってどうなってるのかしら?』
『契約されたままなのでは?亜空間にいらっしゃると思いますよ?』
『亜空間って何?』
『魔力で別の次元に空間作って広げて、亜空間内でも生活出来るようになってるのよ。今は魔力足りなくて入り口を開けない状態ね』
亜空間の中って今どーなってるのかしらね?
『もしかして、ドラゴン以外にも、いる?』
『ティルちゃんの想像通りです。色んな契約獣がいますよ。なんなら世界樹も育ってるはずです』
ティルは、乾いた笑いに続いて、なんかすごい人と契約しちゃった?と頭を抱えている。
失礼ね。ティルが契約したいって言って来たんじゃないのよ。
ティルには、前世のことは内緒であること。
アレドとティル以外は知らないことを話しておいた。
だって家族に知られて、気味悪がられて嫌われたくはない。
今でさえ、怪しさ満載の幼女なのに…
アレドとティルに秘密よ、と念押ししたのは、仕方のないことでしょう?