軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

治癒草を探しに行こう〜理

ギルドへのリジェネルとチェッキンの登録が終わり、神凪の各屋敷にも一台ずつではあるが、リジェネルとチェッキンを製作して渡してある。

まだ、お願いされている魔導具はあるが、気分転換も兼ねて、 理人(りひと) とダンジョンへ行こうと思う。

「 連理(れんり) さん、うちのダンジョンに行ってくるよ、理人と」

「治癒草だったかしら?」

「そうだね、あるといいんだけど」

「わかったわ、気をつけてね」

「了解。行ってきます」

「理人はダンジョンによく行くのかい?」

「最近は、薬草探しに行ったりしてるけどね、治癒草見つからないし…父さんは?」

「実はすごい久しぶりなんだよね、ずっとリオのお願いで魔導具作ってて工房にこもってたし」

理人とこうやって2人で何かするのも、とても久しぶりな気がするな。

「リオはおもしろいよなー」

確かにあの子の発想はとても、おもしろくて楽しい。

「オヤツ食べてる時は可愛いしね」

全身で美味しいを表現するのが、とても可愛くて可愛くて。

「あーんの顔の可愛いこと、うっかり餌付けしたくなる」

あははは、そんな理人も可愛いけどね。

言ったら怒られそうだから言わないけど。

「何をしてても楽しそうだよね。リオ」

「さっきは一緒に行くってゴネてたけど」

「さすがに3歳児を連れて行くわけにもいかないしね」

リオの話題だけで、ダンジョンに到着してしまった。

魔力量が大幅に上がってから、初ダンジョンだから、入った瞬間、魔力感知が反応してゾワゾワした。

「1階層はスライムだけだった?」

「そのはずだけど?」

「どうも、魔物だけじゃなく、薬草や鉱物なんかの魔力持ってるもの全部を感知してるみたいで、この辺一帯キラキラしいんだが」

壁も床もスライムも薬草も魔力が反応しているっぽい。

これ調整的なことはできないのか?

「マジで?それで、薬草とか探せる?」

魔力感知オフ。

「とりあえず一旦、魔力感知オフにした。スライムとかも反応できないと思うから、そこは気にしてくれるかな?」

「了解!」

あとは、見えるものを片っ端から鑑定するだけだね。

「理人の右手の下あたりの薬草、魔力高めの良品」

理人が、採取を始める。

採取には、やはり時間停止の魔法のカバン必要だな。鮮度は大切だよね。

1階層でも、意外に色々鉱物とか埋まってるんだな。今度はツルハシとか持ってこよう。

あちこち鑑定で見ていると、お目当ての名前を見つけた。

あーそりゃないよ。

「理人ー、いいお知らせと残念なお知らせがあるんだが」

「えっ?何?聞きたくないんだけど」

「とりあえず聞いて?」

そんな嫌そうな顔するんじゃないよ。

強制的に聞かせるけど。

「まず、いいお知らせね。治癒草が見つかりました」

「マジで?」

「鑑定に治癒草の文字がはっきり出ました」

「で、残念なお知らせは…」

僕は、指を指して言った。

「アレが治癒草です」

「はっ?ウソだろ?」

「本当です、天井から生えてるのが治癒草だそうだ」

「そりゃ、いくら探したって、見つかるわけねぇじゃんっ、しかもどうやって採取すんだよっ!天井以外に治癒草ないのかよ?」

「鑑定には、天井に生息って出てるんだよなー」

マジかよーと、理人が頭を抱えてしまった。

「とりあえず、一旦帰ってから考えようか」

「わかった」

ガッカリしている理人の肩をポンポンと叩いて、帰宅したのだった。

「ただいま」

「おかえり、早かったのね」

連理さんは、晩御飯くらいまで帰ってこないと思ってたんだろうな。

僕たちもそのつもりだったんだけどね。

「ちゆそー?」

「あったんだけどね」

「だから、早かったのね」

連理さん、ちょっと意味合いが違うんだよ。

あったことはあったんだけれどね。

「リオ、採取できなかった」

理人はしょんぼりしながら、リオに報告してる?

「どちて?」

「なにか強力な魔物がいたとか?」

全然違うんです。

「1階層で見つけた」

「えっ?なのに、採取できなかったの?」

そう思うよね、そうだよね。

理人と顔を見合わせて、頷いてから理人は言った。

「天井だった」

「はっ?」

「てんじょー?」

理人はリオに家の天井を指して、ダンジョンの天井に治癒草があったことを説明した。

「とどかにゃい?」

「届かないんだ」

「とぶ?」

「人は飛べないんだよ」

「まほう、ない?」

んっ?飛ぶ魔法とかあったかな?

理人はスマホでギルドのスキル一覧か魔法一覧を検索してるっぽい。

「連理さん、聞いたことある?」

「あまり、魔法気にしたことなかったから…」

「理人、あった?」

「ないっぽい」

「ないの?」

「ないみたいだ」

飛翔とか、フライとかありそうなのにな。

そうか、ないのか。

「ほーきは?」

「ほーき?箒?なんで箒?」

「まほうちゅかい、ほーき、とぶ」

「理織、空飛ぶホウキってことかしら?」

リオは、首を縦に何度も振る。

「それは、絵本でみたの?」

リオはまた頷く。

「空飛ぶホウキはないかなー」

ないよな。

「とぶ、じゅーたん?」

「空飛ぶ絨毯もないかなー」

連理さん、困っちゃってるし。

「まどうぐ、とぶ、ホウキ、ない?」

「魔導具?聞いたことないな」

「パパ、ちゅくる?」

「飛ぶ魔導具か、すぐは無理だよ。いっぱいいっぱい時間かかるよ、出来たとしても」

あー、リオしょんぼりしないで。

リオの口がとんがってる。

可愛いんだけど。

「かべ、ありゅく、しゅきりゅ、ない?」

子供って、発想が自由で面白いね。

壁を歩くスキルか。

理人がまた調べてる。

「あった!スキル壁歩き」

そのまんまのスキル名かい。

「これ、取れたら壁歩いて、天井まで行ける」

「でも、どうやったら取れるのさ」

「そうよね、自由にスキル取得出来たらいいんでしょうけど」

連理さんも、うーんってなりつつ、どうしようもないよね。って顔してる。

理人はもう少し調べてみると部屋へ戻って行った。

僕もなんか疲れたから休憩しようかなって思ったら、連理さんに

「理さんは、蜜魔石か理理達のお願いの魔導具に取り掛かってね」

そう言われた。

はいって頷くしかなかったよね。