軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

専門家の知り合いいたよな〜理結

愛理(あいり) にと言うか、

親父の無茶振りにと言うか、

どっちにせよ、

ジュエリーショップの経営が俺に丸投げされた。

カジュアルなショップならまだしも、

真珠をメインに扱うような、

ちょっとお高めのは、範囲外だったんだがなぁ。

愛理に手伝うとは言ったが、丸投げされるとは…

いや、想像できなかった俺が悪いのか…

そうだよ。

だって愛理は、自分の好きにジュエリー作って売れたらラッキーみたいなスタンスだったよ。

そりゃ、経営丸投げされるよ。

愛理は愛理で、 理織(りおり) と真珠に穴をあける魔法の相談とか、

真珠を繋ぐ切れない糸の素材の相談とかしてるみたいだ。

そういえば、この間ミスリルとかの素材の価格とかも聞かれたな。

着々とジュエリー制作の方は、進めてるみたいだけど。

真珠の価値と真珠のジュエリーの価値は、

今まで確認したことなかったんだよなぁ。

取り扱いなかったし?

あっ、いや待て?

俺、真珠の専門家に知り合いいるじゃん?

なんで今まで思い出さないかな。

愛理に各種一粒ずつ真珠を借りて、会いに行って来よう。

元々は親父の知り合いだったんだけど、話してみたら年齢差なんて関係ないくらいに、妙にウマがあったんだよな。

俺は、久しぶりに真珠を取り扱っている、 真崎(しんざき) 宝飾店へと足を運んだ。

あれ?店の照明とか暗くないか?

今日って定休日だったか?

けど、CLOSEになってるわけでもないしな。

どうなってるんだ?

入り口のドアに手を掛けると、カランと音が鳴りドアが開いた。

CLOSEなわけではなかったらしい。

なら、これはどういうことだ?

とりあえず店に入ってみる。

ショーケースには布がかけられ、ほとんどの照明が落とされている。

「いらっしゃいませ」

突然、声をかけられ驚いて声の主を見ると、

「真崎さん!?」

やつれた顔の真崎さんが立っていた。

「 理結(りゆう) くん…」

「真崎さん、あの、体調とか大丈夫ですか!?それにこの状況は…?」

真崎さんは困ったように笑って、ソファーを勧めてくれた。

向かい合って座る。

どうなってんだ?

あの華やかな笑顔で接客していた、

真崎さんの面影はどこに?

「理結くん、実は店を畳むことになりました」

「はっ!?なぜですか?」

「私の求める品質の真珠が、どこからも手に入らなくなりました」

「養殖真珠の質が落ちていると言うことですか?」

それ以外の理由が思いつかない。

「そういうわけではないと思うのです。

ただ、私が美しいと思える真珠が見つからなくなってしまったのです。

それでもなんとか悪くないと思えるものでこの店を続けてきましたが、もう限界です。

自信を持って売ることが私には難しいことになってしまいました」

なるほど?

もしかして、ダンジョン産でも、お眼鏡に叶う可能性もある?

「真崎さん。実は今日は見てもらいたいものがあって来たのです」

俺は、持ってきた真珠の入ったケースを真崎さんの前に開いて置いた。

真崎さんは、置かれたものを視線に入れた瞬間に目を見開いた。

「これは!?理結くん、この真珠はいったい!?」

「真崎さんから見て、この真珠どう思いますか?」

「とても美しい。ここ何年も出会うことが出来なかった美しさです。

この真珠はどこで手に入れたのでしょう!?」

食いついた。

これならいけるか?

「実はですね。この真珠、ダンジョン産なんです」

「ダ!?ダンジョン産!?」

「はい、うちのダンジョンなんですけどね。

うちのジュエラーに真珠のジュエリーを作らせて売りたいと考えています。

ジュエラーは他の宝石のジュエリーも作りますが、

まとめてひとつのショップで売り出そうかと思っています。

ただ、真珠の適正価格や真珠のジュエリーの適正価格などは素人にはわからないので、

真崎さんのご協力をと、お願いに来たのですが」

「ご協力させてください。いえ、そのショップで働かせてください」

えっ!?マジで!?

「このお店はどうするのですか?」

「さっきも申しましたが、畳むのです。売りに出さなければ…」

「もしや借金がおありになりますか?」

「お恥ずかしながら…」

マジで?

こんな絶好のロケーションの優良物件の店売るのか?

なら、 神凪(かんなぎ) で買えばよくねぇ?

で、そのままジュエリーショップにすればよくねぇ?

「では、うちでここを買わせて頂いてもよろしいですか?」

「えっ?」

「内装などは、ジュエラーの意見などもあると思うので、

改装など手を入れる必要がありますが、

真崎さんにジュエリーショップをお任せしたいですね」

どうでしょうか?と尋ねると、

「私でよろしいのでしょうか?」

「真崎さんほど、真珠を愛してる人を他に知りませんしね」

俺が笑って見せると、やっと真崎さんも笑ってくれた。

「よろしくお願いします」

「細かい契約やこちらの売買契約などは、親父も交えて行う形でよろしいでしょうか?」

「はい、もちろんです」

よかったー。

真珠の専門家をゲットしたぞ!!

「あっ、ネックレスの売れ筋のサイズとか長さとか、うちのジュエラーに教えてやってください」

「承知しました」

あー、あとは愛理がんばれ!