軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

やってみよう!

私が寝ている間に、アレドが色々調べてくれていた。

魔力を圧縮すると、濃度が上がって純度が上がるらしい。

圧縮方法がわからないのと、今の私の魔力じゃ全然足りないってことよ。

これはいずれ、挑戦することにして、今日はハチミツの結晶化をやってみたい。

「ママ、はちみちゅ、ほちい」

「どのくらい?たべるの?」

「ちなう、これ」

アレドが、インターネットで探してくれたハチミツの結晶化のやりかたを、 理(さとる) に印刷してもらったのだ。

連理(れんり) にそれを見せる。

「冷やして振動を与えると結晶化するのね、これをやるの?」

「やりゅ、ひやしゅ、まりょく、いれる、ぶるぶるしゅる、かたまりゅ、ギュッてしゅる」

両手で潰すみたいにして、ギュッてすることを伝える。

「そんな楽しそうな顔されたら、ダメって言えないじゃない。でも1人はダメよ」

それは、そうよね。私、幼女だし。

「パパとやりゅ」

「そうね、ママも行こうかしら?」

「ママもやりゅ、いく」

うんうん、みんなで実験しようじゃないの。

ハチミツを持った連理と、理の工房へ。

「パパ、やりゅ」

「ホントにやるのかい?」

私は、思いっきり頷く。

やるに決まってるじゃない、ワクワクよ!

「ママ、はちみちゅ」

連理は理にハチミツを渡す。

私にはハチミツのビンは大きすぎだし重すぎだもの。

「しかし、冷やしながら振動を与えるってどうするかな」

「まどうぐ、ない?」

「聞いたことないなぁ」

「かでん、ない?」

「かでん?あぁ家電か!そんなのあったかなぁ?」

「理さん、アイスクリーマーとかはどうかしら?」

「確かに冷やしながらだけど、振動しなくないか?攪拌してはいるけど」

アイスクリーマーなる冷やすものはあるらしい。

「あいしゅくりーまー?なに?」

「アイスクリームをつくる機械よ」

そもそもアイスクリームとはなんですか?

「あいしゅくりーむ?なに?」

こてんと首を傾げたら、

「あら?食べたことなかったかしら?」

食べ物らしい。食べたことはないね。

「ない」

「冷たくて甘いものよ」

「たべちゃい」

「午後のおやつで食べましょうね」

「あい!」

楽しみ!!全然想像がつかないのよ、冷たくて甘いだなんて!!

あとで食べられるなら、今はハチミツよ。

魔導具も家電もないとなると、あとは…

「まほうじん、ない?」

「冷やしながら振動させる魔法陣?」

別に1つの魔法陣じゃなくてよくない?

『魔法陣重ねがけみたいなことってできるんだったかな?アレドどうだろう?』

『できますね、理様のレベルならば大丈夫だと思いますよ』

「ぶるぶる、まほうじん、うえ、ひえひえ、まほうじん、だめ?」

「別々の魔法陣にするのか、重ねるのか?」

私は、右手でぶるぶる、その上に左手を重ねてひえひえ、右手を抜いて、更に上ではちみちゅと言ってみた。

「わかった、やってみよう」

理が魔法陣を構築している間に、連理が出してくれたシャーレという丸いガラスの入れ物にハチミツをスプーン2杯分ほど入れる。

お試しなので、このくらいから。

理が振動の魔法陣を起動させる。

小さな空の魔石を乗せてみると、小刻みに揺れているのがわかる。

うん、ぶるぶるしている。

一旦、停止して、次に冷却の魔法陣を起動させる。

手をかざしてみたら、ひんやりしていた。

「大丈夫そうだね。両方とも起動しよう。まずは、振動の魔法陣を起動。その上に冷却の魔法陣を展開して起動」

問題がないか、確認の時間をとった後に、シャーレを乗せる。

「私が魔力入れるわね。ただ入れるだけでいいのかしら?」

「まりょく、はちみちゅ、ぐるぐる、しゅる?」

「そうね、魔力で混ぜちゃいましょうね」

「実験だから、やってみよう。連理さんお願い」

「ママ、がんばりゅ」

「いくわよー」

「連理さん、細く少しずつ入れてくれる?」

「了解よ」

私はこっそりと鑑定で確認しながら、実験を見守る。

ホントは、自分で魔力入れたかったけど仕方ない。

振動しながら、冷却されていくハチミツは早い段階で結晶化し始めた。

「ハチミツって、固まったら白くなると思ってたんだけど、ハチミツ色のままね」

「魔力流してるからだろうか?」

ハチミツって、固まると白くなるの?

「魔力どのくらい入れたらいいのかしら?」

「鑑定解析で確認してる分には、まだ入れた方がいいようだけど」

理も鑑定してたんだね。

「わかったわ、まだ入れるからいいところで声かけて、止めるから」

「うん、お願い」

ハチミツは魔力で練られてるのか、とろりとしたものでは、なくなってきた。

結晶化している表面が、魔力で混ぜられ内側に入る。そして、また表面が結晶化する。

これの繰り返しで、ひとつの塊っぽくなったころ、理が連理をとめた。

「連理さん、もういいよ」

連理が、魔力を流すのをやめ、理が魔法陣の起動を停止する。

シャーレの中で、カランとハチミツではありえない音がした。

固まった?

ハチミツ色の塊が出来てた。

鑑定には、ハチミツが結晶化したもの。としか表示されない。

「リオ、これからどうしたいんだ?」

圧縮して硬化させたいんだけど。

どう説明したらいいかな。

「んと、ギュッてして、カチコチにしゅる、いし、なりゅ?」

「連理さん、わかる?」

「さっきは、ギュッってところで両手で潰すみたいにしてたわよ?」

「…圧縮する?」

「あっしゅく?なに?」

「ぎゅーーーーって、圧力って言う力をかけるんだよ」

「おー、しょれ!」

「カチコチは硬くするのかな?」

「しょー、カチコチ!」

「わかった、やってみよう。圧縮の魔法陣作るから少し待ってて、硬化は連理さん付与できる?」

「もちろん出来るわよ」

「圧縮終わったらお願い」

「ママ、まりょく、いぱい、いれた?」

連理は、ちょっと待ってねとステータスを確認してくれた。

「あー結構使ったわね。魔力800くらい使ったわ」

あの量のハチミツに魔力800は、釣り合いとれないかしらね。

うーん。

理が、展開した魔法陣にシャーレから取り出した、ハチミツの結晶を置いて、圧縮の魔法陣を起動した。

ハチミツの結晶は、みるみるうちに小さくなっていった。

最終的には、私の小指の爪くらいのサイズになってしまった。

それに、連理が硬化を付与してくれた。

できた?

鑑定には、蜜魔石と出た。

魔石になった?

「パパ、かんてい、ちて?」

「リオ、すごいぞ!魔石になったよ。蜜魔石だって!」

「理さん、ホントに?魔石なの?」

「鑑定には、そう出てる」

「やったーーーー、ましぇき、できたーー」

わーいわーい。

幼女の喜びの舞を見よ。

なんちゃってね。

「理織、これどうするの?」

ん?どうするって何が?

空の魔石の代わりのもの作る実験じゃなかったっけ?

「まりょく、ためりゅ?」

「あー、魔力入れて作ったから、もう入らないとおもうよ?」

あっそうか、ハチミツ結晶化することを優先したからね。

「ママ、ふよ、しゅる?」

「連理さん、これに更に何か付与入れられる?」

「もちろん、大丈夫よ?」

「じゃあ、物理防御とか入れて、リオの髪飾りかなんかにして、身につけさせようか。転んでも痛くないように」

「あら、それいいわね。そうしましょう」

「あとは、入れる魔力の属性とかの検証もしたいし、量や時間の検証して、登録が必要だね」

「理織の最初の目的とは違っちゃったけど、アクセサリーの付与素材として使えそうね」

「リオ、やったね!」

「あい」

今度は自分でやってみたいわね。

見てるだけでも楽しかったけど。

よし、魔力量上げよう。