軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

31 整理と検証

ゴブリンの大軍を殲滅した日の夜。

俺は宿にいた。

『さて、新しく手に入れたスキルの確認をするか』

フランは風呂に行っている。その間、手持ち無沙汰なので、暇つぶしにスキルを確認しようと思い立ったわけだ。

ちなみに、宿は昨日泊った宿ではなく、ギルドで紹介してもらった1ランク上の宿に変えた。1泊600ゴルドと割高だが、大浴場があり、料理も量があって美味いらしい。

新しいスキルはこんな感じだ。

詠唱短縮、軽業、眷属契約、蹴脚技、蹴脚術、死霊魔術、毒吸収、毒魔術、斧技、不動心

残念ながら、蹴脚技、蹴脚術、斧技は俺には使えないから除外。不動心は、戦闘時に冷静になる効果らしいから、ここじゃ試せない。

まずは軽業だ。ジャンプやバランスにボーナスが入るらしい。一応、部屋の中を飛び回ってみたが、俺ではあまり効果を実感できなかった。残念。フランには、適したスキルだと思うんだけどな。

さて、ここからが本番だ。魔術の検証だからな。

まずは毒魔術だ。ポイズン・アロー、ポイズン・クリエイトか。うーん、Lv1じゃ、弱毒効果しかないみたいだな。強い相手には意味がなさそうだ。普通の人に使っても、精々腹を下すくらいの微妙な毒だろう。

クリエイトで作った毒を、毒吸収で吸ってみたが、よく分からん。HP、MPを回復できるらしいけど、俺にはHPもMPもないから効果がないし。毒吸収があれば、毒の霧なんかが発生してる場所なら、空気清浄機能の付いた剣として活躍できそうかね。

あと、詠唱短縮も試した。Lv1だと、ほとんど効果は感じられんが、1秒くらいは短くなってるかも? ギリギリの戦闘では効果が高いだろう。それに、スキルレベルを上げていけば、効果は凄まじいことになるという予感はあるな。

残っているスキルは。大本命の死霊魔術だ。

もう1つ残っている眷属契約スキルは、契約魔術を、眷属召喚で召喚するための契約に特化させたものだった。眷属召喚のレベルが低いので、強い奴と契約しても召喚できないし、弱い奴は呼ぶ意味がないので使いどころに悩んでいる。

『今日のところは死霊魔術だけにしとこう』

さて、その死霊魔術だが、Lv1だと、クリエイト・レッサーゾンビ、サーチ・アンデッドの2つだな。

とりあえず、ゴブリンの死体を出す。浄化魔術の結界で、血などが床に付かない様にして、配慮は万全だ。

『――クリエイト・レッサーゾンビ!』

「アアォォゥァァ」

『うわぁ……』

自分で作っておいてなんだが、気持ち悪! なんか、ゾンビにする前より腐敗が進んでないか? 俺、鼻が無くて良かった。クリ〇ンの気持ちがよくわかったぜ。

『待機だ』

「アアゥ」

『命令は聞くのか』

その場で気を付けをしている。ただ、ずっとユラユラ揺れているけどな。

次いで、サーチ・アンデッドを使う。気配察知の様に、目の前のゾンビの気配を感じ取ることができた。

さて、両方試したわけだけど……。こいつどうしよう。

あ、そう言えば眷属召喚はどうなってる? うわ、レッサー・ゴブリン・ゾンビがいるよ。これって消せないのか?

『……すまん』

「ア――」

俺は一言謝って、ゾンビを叩き切った。ダンジョンとかのゾンビが同じなのかは分からんけど、魔石はないみたいだな。

動かなくなったゾンビを、浄化魔術の、アンデッド・リターンで消滅させる。眷属召喚からは、ゾンビが消えていた。

『うん、成仏しろよ』

これからは、死霊魔術を無暗に使うのはやめよう。お前の死は無駄にしないからな、ゴブリンゾンビ! いや、もう死んでるんだった。

『……気を取り直して、次行くか』

ゴブリンから奪った、マジックアイテムのチェックだ。

『7つか。どれどれ、効果はどんなもんかね?』

武器が2つ。鋼鉄製の、ナイフと槌だ。どちらも、攻撃力が僅かに上昇する術がかけられているな。ナイフは剥ぎ取りに使えるだろう。槌は、暫く次元収納の肥やしだな。

装飾品類が1つ。腕力を上げる代わりに、知力を下げる、微妙な効果だった。

『腕力+5、知力-8って……。まあ、脳筋系のやつなら使えるか?』

フランにはいらんな。魔術も使うし。等価交換ならまだ考える余地があったのに。

防具は3つだ。鉄製の鎧には錆防止、牛革の鎧にはサイズ調整、魔樹製の兜には衝撃耐性が付いている。

どれも、肝心の防御力が少ないので、使うことはないかな? ガルス爺さんの店で手に入れた防具の方が、遥かに高性能だ。

最後の1つは、アイテム袋だった。ただ、アイテム袋としては使えないけどな。

『使用者登録があるって話だったか?』

俺の装備者登録みたいなものか。持ち主以外には単なる革の袋でしかないらしい。中には投擲用の石や木の実などが入っており、ゴブリンは頑丈な小物入れとして利用していたようだ。

『登録者を上書き……。契約魔術とかどうだろうか?』

試してみよう。

『――契約!』

ダメだった。ただ、フランの奴隷契約を上書きした時と同じ感触だ。上書きは可能だと見た。どうやら、Lv7でもスキルレベルが低いらしい。

『うーん。何が入ってるか分からないアイテム袋を開けるために、スキルを上げるのもな~』

これも、暫くは保留だな。

『残金は……』

今日の成果としては、ゴブリンの角が109匹。上位種の角が20匹。ちなみに、上位種の角は1匹100ゴルドになった。

薬草採取の依頼達成料が100ゴルド。

フランに1万ゴルドを渡してあるので、俺の所持金は36884ゴルドだった。

『明後日用に、マナポーションは買っておこうか? そう考えると、無駄遣いはできん』

むしろ、足りるかね?

『そうだ、採取した謎素材も大量にあるんだった』

これも仕分けしとこう。

ポイゾナス草が10、光茸が10、麻痺消し草が10、劇毒草が10、ヒール草が10。それぞれ、5つ採取してほしいという依頼があったので、合計で10回は依頼達成できる計算だ。ただ、予定外にFランクになってしまったので、もうGランク依頼では、ランクアップできない。

ランクF依頼は、劇毒草×5の採取だけなので、ランクアップには、あと18回は依頼を達成しないといけないな。

ダンジョンは、入場者にランク制限をかけているところも多いらしいので、冒険者ランクはもう少し上げておきたい。

それと、謎の劇物が30程。ほとんどは低レベルの物なんだが、2つだけ結構ヤバそうな茸がある。危機察知がビンビンに反応するそのキノコは、群青色の傘に赤と白の斑点があって、どう見ても毒キノコだ。

『この茸だけは取っておこう。あとは、ランデルの店にでも持って行ってみるか』

ホブゴブリンの情報も事前に集めておきたいし、明日は色々忙しくなるぞぉ。