軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

135 対魔石兵

「あれが錬金術師ゼライセか。むかつく野郎だったな!」

「逃がしたのは痛いわね」

「民を何だと……」

「酷い人です!」

「まずはこいつらを仕留めるのが先じゃ!」

「そうだな」

オールスターズが怒っているな。とは言え彼らでもゼライセを追うのは難しいだろう。

まずは魔石兵を倒して、錬金術ギルドを調べよう。もしかしたら手掛かりくらいはつかめるかもしれない。

とは言え、魔石兵の能力が分からない。武技も魔術も無効化できるって、どういうことだ? 障壁を張っている様な気配もないし。

コルベルトが再び武技を放っているが、やはり無効化された。

「仕方ない、直接攻撃と行くか! ここは最も硬い俺がいくぞ」

そう言って前に出たのはガムドだ。確かに重鎧でドワーフという、これぞタンクと言う姿だしな。そこに結界やバフをかければ、ちょっとやそっとの攻撃で沈んだりはしないだろう。

「任せたわ」

「おう! 行くぜ!」

ガムドがニヤリと笑って駆け出した。あの重装備でよくあんなに速く走れるな! もう魔石兵の真横で槌を振りかぶってるし!

「反応は大したことないようだな! もらったぞ! むうん!」

ガムドは武技を使わず、直接殴りに行ったようだ。槌が魔石兵の頭部を打ち砕――かない。

キィイン!

「ぬおわっ!」

槌が魔石兵の直前でピタリと止まり、次の瞬間にはガムドが悲鳴を上げてぶっ飛んでいた。そこに4体から魔術の追撃が入るが、フィリップが壁になって防ぐ。

「ギルマス! 大丈夫か?」

「うぬ、何が起きた……?」

ガムドも何が起きたのか分かっていないようだ。それにしても、相当な衝撃だったらしい。オリハルコン製の鎧にへこみが出来ているし。

だがフォールンドには心当たりがあるようだ。

「反射」

「ああ! なるほど!」

フォールンドの呟きを聞いたアマンダも納得の声をあげている。

「月光魔術にそんなのがあったわね! 大昔に1回だけ見たことがあるわ」

「俺もだ」

どうやら月光魔術には、反射や無効の術があるらしい。他の魔石兵もレア属性を使っているし、こいつが激レア属性の魔術を使えてもおかしくはないだろう。遠距離攻撃は無効。近接は反射ってことか。

というか、アマンダとフォールンドが1回しか見たことが無いって、どんだけ珍しいんだよ。

「前衛は無視して、まずは後衛を潰した方が良さそうですね」

「そうだな」

ということで、まずは後衛を潰そうとしたのだが……。

「が!」

「まじかよ!」

フィリップとコルベルトが反射に吹き飛ばされて戻って来た。どうやら5体全部に月光魔術が掛けられているらしい。

個々のステータスは低いが、魔術が中々に厄介だな。

「対応策はあるかい?」

「ある」

「そうね。連続で無効と反射を発動し続けるのは難しいはず。まずは反射されても問題ない程度の攻撃を仕掛けて、術の間隔を探りましょう」

「なるほど。わかりました」

フィリップが早速槍を構える。厚い鎧を着込むこの男なら、軽い攻撃を反射されたところで問題なさそうだしな。

何度も突きを繰り出し、何発かに一回は攻撃が成功しているのが見える。ただ、相手は堅いゴーレムだからな。その攻撃では僅かなひっかき傷を付けられる程度みたいだな。

こいつらを倒せる攻撃を反射されずに叩き込むのは中々骨が折れそうだ。コルベルトやガムドも、似た様な物だし。

俺たちはどうしよう。いや、普通に剣でいいか。魔力障壁全開にして、軽く斬りつければいいや。

とりあえず前衛は無視して、後衛の一番近い魔石兵に攻撃を仕掛けた。弱すぎると術自体が発動しない可能性もあるからな。それなりに力を込めて、それでいて反射されても魔力障壁で防げる程度のギリギリのラインを狙って斬りつける。

キンキンキン

反射された斬撃が襲い掛かってきた。それを無視してさらに斬りつけ続ける。

キンキンキンキン――ガッ

お、いま反射をすり抜けて一発入ったぞ。この間隔か――? あれ?

「え?」

魔石兵がいきなり消滅していた。そして、俺にはお馴染みの感覚だ。魔石を吸収したな。

そうか、こいつら魔石で出来てるんだった。普通に吸収できるってことか。何というイージーモード。こいつらにとって俺が究極の天敵だったって訳だな。

「おいおい、フラン嬢ちゃん! 一体何をしたんだ!」

「一撃で消滅じゃと?」

「何をしたのですか!」

やっべ。完全に魔石を吸収するところを見られた。どう言い訳しよう。俺の能力って言ったらフォールンドに興味を持たれてしまうかもしれん。でもスキルって言って納得してもらえるのか?

ちょっと悩んでいたら。

「はいはい。人のスキルを聞くのはマナー違反でしょ?」

「う、そうなんだが……」

「フランちゃんがこいつらを簡単に倒せるって分かっただけいいじゃない」

「まあ、そうじゃな……」

アマンダが援護してくれた。助かったぜ。

「では、フラン嬢ちゃんの援護をすればいいか?」

「そうじゃな」

「了解」

あとはもう簡単な作業だった。援護が豪華すぎるしね。他の人たちが魔石兵の注意を引いてくれている間に一体一体順番にチクチク刺して、魔石を吸収していくだけだった。

5体を吸収するのに3分くらいだろうか。それでいて、凄まじい魔石値を手に入れてしまった。そう、こいつらはかなり美味しい相手だったのだ。5体で1500ポイント。しかも氷雪魔術、溶鉄魔術、月光魔術のレア属性3つをゲットだぜ! なんか超時給の良いバイトをした気分だな。

自己進化〈ランク11・魔石値4486/6600・メモリ100・ポイント2〉、

こんな感じである。得られた魔石値で言えばB級魔獣並だろう。

「じゃあ、錬金ギルドの中を調べましょうか」

「そうじゃな。まだ何があるか分からんし、この面子で行くぞ」