軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1179 オンスロート撃破

アヴェンジャーが消滅したと思って、しんみりしているペルソナとマレフィセント。でも、俺の中に戻ってるから! 大丈夫だ!

まあ、今は教える余裕ないけど!

俺たちとオンスロートの戦いも、佳境を迎えていたのだ。

「畜生! 怨念さえ十分ならお前なんざ! なんでだぁぁぁ!」

オンスロートに流れ込む怨念が劇的に減り、その力が明らかに弱まっていた。どうやら、アヴェンジャーが怨念をゴッソリと奪っていったらしい。

むしろ、アヴェンジャーからすれば、オンスロートが自分たちの怨念を奪っていたのだろうが。

毎回シリアスをぶち壊す癖に、いい仕事するんだよなぁ。

怨念の供給が滞り、能力が低下したオンスロートは思った以上に脆弱であった。俺たちの攻撃によって、肉体がどんどん削られていく。

『フラン。ここがチャンスだ!』

「ん!」

「ぐあああああぁぁぁ! なんでだよぉぉ! くるなぁ! くるんじゃねぇ!」

全身に生えた無数の触手を振り回すオンスロートだったが、フランはその全てを掻い潜り、巨体に迫った。

『弱点を晒しやがれ!』

「ぐおおぉぉ! か、体が勝手にぃ!」

邪気征服を使い、オンスロートの肉体に直接働きかける。僅かに感じる核のようなものを少し体表に近い場所に移動させるくらいのつもりだったんだが――。

オンスロートの体が大きく波打つと、ボゴリと形を変え、汚い色の魔石のようなものが体表へと露出していた。

原因は分かっている。邪神の欠片だ。

こいつが勝手に俺に力を貸し、邪気征服の効果を高めたのだろう。

明らかに、ドヤッている気配が有る。「褒めてもいいんだぞ?」的なことを考えていることも伝わってきた。

邪神が勝手すぎることを怒ればいいのか、助かったと労えばいいのか。正直、分からないが、今はオンスロートだろう。

フランも、そこが急所だと理解したようだ。まあ、誰が見たって弱点だしな。

露出した核に向かって、渾身の一撃を繰り出す。

「天断!」

「ぎいいぃいぃぃぃぃぃ!」

核を両断されたオンスロートは、甲高い悲鳴を上げた。その直後、その全身が砂の様に崩れ、消えていく。

長期戦になると思っていたが、本当にあっさりと勝ててしまったな。邪神が「自分のお陰だ!」と主張してくるのが分かる。

あー、はいはい。助かったよ! でも、今後は勝手に出てくるんじゃないぞ? マジでフランが困るからな! アヴェンジャーも、弱ってるくせに主張すんな! まったく!

とりあえず、マレフィセントたちにアヴェンジャーの無事を――。

「ぐあぁぁ!」

「……!」

え? 何が……!

「マレフィセント!」

突如、マレフィセントの悲鳴が響く。

いつの間にか現れたスケルトンが、マレフィセントの体を背後から手刀で貫いていた。

「くかかかか! もらったぞっ!」

「ぐ……」

オンスロートと南征公を倒し、肩の力を抜いたその瞬間を狙われた。

突如出現したネームレスの手刀によって背後から胸を貫かれたマレフィセントが、苦し気に呻き声をあげている。

「くかかか! 貴様、この土地の怨念と相性がいいようだなぁ? これだけ怨念を流し込まれて、まだ動けるとは!」

「ぐ、くああああ!」

スケルトンの腕から怨念が噴き上がり、マレフィセントの体を蝕んでいく。

フランが即座に動き出したが、間に合わなかった。

「ネームレス!」

『倒したはずじゃ――いや、あれは身代わりのウィッカーマンだったか!』

そっくりだったから、すっかり騙された! もしかして、あそこで逃げ出さずにしつこく攻撃してきたのは、死んだと思わせるため?

「ふん!」

「ぐぁ……!」

マレフィセントを投げ飛ばすと、そのままペルソナの腕を掴むネームレス。

「……!」

ペルソナが顔を恐怖に歪めるが、それ以上に凄まじい表情をしているのがマレフィセントだ。悪魔化がさらに進んでしまったのかと思うほど、憤怒に歪んだ貌であった。

地面に倒れたまま、ヘルを取り出す。まさか、また使うつもりか? 悪魔化が進行する云々の前に、消耗し過ぎて死んじまうぞ!

ペルソナの危機を前に、それすら忘れているのだろう。いや、憶えていても、ペルソナのためだったら躊躇しないのか?

ともかくこのままではマレフィセントが危険だ!

だが、マレフィセントが神剣開放をすることはなかった。

「ペルソナを離せぇぇぇぇ! 神剣――」

「ダメ! 死んじゃう!」

今の叫び声、ペルソナか? 初めてまともな声を聴いたぞ。

しかも、ただの悲鳴ではなく、マレフィセントへの命令だったのだろう。神剣を取り出したマレフィセントが、パクパクと口を動かしている。どうやら、神剣開放という言葉を声に出せないらしい。

「ペルソナ! なぜです!」

「今は、ダメ! 怒らないで!」