軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

プロローグ 就職活動をしていたと思ったら異世界にいた

ラズグラドワールド。それは天界より見降ろしし諸神のための箱庭。故にそこは箱庭世界ラズグラドワールドと呼ばれていた。

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この世界、せっかくいい感じに仕上がってるのに、滅亡させるのもったいないなあ。また勇者でも作るか?でも勇者も適性あるやつ探すの結構面倒だしなあ。そうだ、今回は適当なやつに能力を与えて放り込んでみるか。どんな能力がいいかな。このゲームの設定なんかいいな。こんな感じ?なんか適当だな。うん、テストもそいつにやらせることにしよう。ハロワに求人を出してっと。お、もう誰か来たか。普段着?履歴書もない?いいよ、近いから直接来てよ。

これでよし。だめだったらまた考えよう。最悪、滅亡してもやり直せばいい……

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おれの名前は山野マサル、23才。ニートをやっている。おれは今ハローワークで求人票を眺めている。家でごろごろしていたかったのだが、いい加減お金が底を尽きそうだったので就職口を探していたのだ。特に必死に探してるわけではない。探したけど仕事みつからなかったというと、親もそんなにうるさく言ってこないのだ。

そこでハロワに行ってみつけたのがこれである。

『剣と魔法のファンタジー、箱庭世界ラズグラドワールドのテストプレイ。長期間、泊り込みのできる方。月給25万+歩合給』

その場ですぐに面接が決まり、歩いていける場所だったのでそのまま向かった。普段着である。履歴書もない。それでもいいからすぐ来て欲しい。

このあたりで怪しむべきであったがニートの山野はいい仕事がみつかりそうだとのんきに構えていた。給料が出たらまずは欲しかったあれとあれを……などと妄想してるうちに面接会場に到着、スーツ姿のダンディなおじさんに迎えられた。

「連絡のあった山野マサルさんですね。よくいらっしゃいました。わたしは担当の伊藤と申します」

「はい、山野です。このような格好ですいませんが、よろしくお願いします。それでテストプレイとありましたがどのようなことをするんでしょう」

「RPGとかはおやりになります?」

「はい、大好物です」

「それなら話ははやい。今回新しいスキルシステムを導入することになりまして、そのテストをお願いしたいのです」

話しながら歩き、応接間らしき場所に通される。

「ラズグラドワールドは剣と魔法があり、魔物がいてそれを倒す冒険者がいる、極めて普通のファンタジー世界となってまして、あ、こちら必要事項の記入をお願いします」

1枚の紙に住所や名前、アンケートみたいなもの、もう1枚は契約書かな?ペンをもらい順番に記入していく。

「テストは長期を予定しているのですが……」

「はい、わたくしフリーですので全然問題ありません」

「それはよかった。それが書けましたらさっそくラズグラドワールドを体験してもらいましょうか」

「え、もう今日からいきなりですか?」

「ええ、できれば早いほうが。あ、書けました?はいはい、必要事項は全部埋まってますね。では場所を移動しましょうか」

そうしておれはラズグラドワールドに降り立った。

「え?え?」

周りは草原。いままでビルの一室の応接間にいたはずだ。

「ではチュートリアルを行いましょう」

どこからか伊藤さんの声がする。姿は見えない。

「ちょ、ちょっと待ってください、ここはどこですか!?」

「どこってラズグラドワールドですよ。とりあえずメニューを開いてもらえますか」

丁寧な口調だが、その言葉にはどこか威厳があり従ってしまう。メニューと考えると目の前にメニュー画面が開いた。名前にレベルに職業、スキルやアイテム欄が並ぶオーソドックスなものだ。

「アイテムを選択してください。ショートソードがありますね?それを選択して装備してみてください」

言われるがままにショートソードを選択すると手の中に剣が現れる。

「サービスで初期スキルに剣術Lv2 肉体強化Lv2を入れてあります」

なるほど、スキル欄にはその2つがある。

「ではまっすぐ進んでください。野ウサギが出てくるので倒してみてください」

言われるままにすすむと少しサイズのでかいウサギが現れる。そして襲い掛かってきた。

「あー、落ち着いて落ち着いて。弱い動物ですから一撃で倒せますよ」

ウサギの突進にあわせて剣を振るとウサギは血しぶきを上げて倒れた。

「ウサギのほうに手を向けて収納と考えてください」

言われた通りにするとウサギの死体が消えた。

「アイテム欄を見てください。ウサギの肉と毛皮が追加されてますね。では最初のクエストです。野ウサギを5匹倒してください。いま1匹倒したのであと4匹ですね」

そうか、ゲームだよなこれ。ウサギがやけにリアルだったし踏みしめる土の感触とか風が本物としか思えないけど、引き篭もっているうちにとうとうVRMMOが開発されたのか……

(いえ、現実ですよこれ)と、頭に直接ひびく。

ちょっとおおおおおおおお、なに人の心読んでんの!しかもテレパシーとか!!

「いいですか、ここは地球ではありません。異世界です。リアルです。死んだら死にます。戻る方法は私しか知りません。テストプレイの期間は20年です。20年生き延びるか、特定イベントをクリアすることで日本に戻れます。ちなみに私はこの世界の管理官で、神様みたいなものと思っていただければ」

伊藤神とやり取りした結果、次のことがわかった。

・契約したからには最後までやってもらう。拒否権はない。

・クリア条件を満たしたら、元の時間に元の年齢で戻してくれる。給料もこっちですごした時間だけ払う。こちらで活躍すればするだけボーナスも出る。

・この世界は放置しておけば20年以内に滅亡する予定なので、町に引き篭もるのはおススメしない。

・あくまでスキルテストをしてもらうだけなので世界を救うだとか考えないで自由に過ごしてもらってかまわない。

「ちくしょう、こうなったらやってやる!20年なんとしても生き延びてやる!!」

「実は結構わくわくしてるでしょう?あの求人は適性のある人のみ引っかかるようになってるんですよ。まあ慣れればこちらの生活も気に入ると思いますよ。ではチュートリアルの続きをやってしまいましょう。野ウサギをあと4匹です」

1時間ほどかけて野ウサギを4匹倒し、レベルアップをした。

山野マサル ヒューマン ニート

レベル0→1

HP 24/12+12→34/17+17

MP 20/20→20/35

力 3+3→5+5

体力 4+4→5+5

敏捷 2→4

器用 8→11

魔力 15→17

スキル 0P→10P

剣術Lv2 肉体強化Lv2 スキルリセット ラズグラドワールド標準語

アイテム 0ゴルド

野ウサギの肉×5 野ウサギの毛皮×5

「おめでとうございます。クエストをクリアしたので初期装備品と2000ゴルドをプレゼントです。ではチュートリアルのラストです。スキルのところを選んでください」

メニューのスキルを選ぶと別のウィンドウが開き、スキルリストが大量に表示された。

「スキルポイントを自由に割り振って好きなスキルを取得してください。あとスキル振りを失敗したときのためにスキルリセットを用意したので何度でもやり直し可能です」

【スキルリセット】 毎月1回だけスキルをリセットしてポイントに戻すことができる

「スキルを色々テストしてもらわないといけませんからね。じゃあ何か選んでみましょうか。生活魔法なんかがおススメですよ」

【生活魔法】必要1P 生活に便利な魔法セット。着火、水供給、浄化魔法、ライト。

「こちらにはトイレットペーパーがありません。技術レベルは中世くらいですから」

【浄化魔法】体や物の汚れを落とす。

トイレ用か……

「剣に血糊がついてますね。浄化魔法を使ってみてください」

どうやら魔法は考えるだけで発動するようだ。楽でいいな。剣についた血糊があっという間に消えてなくなった。

「以上でチュートリアルは終了です。町はこの先すぐのところにありますので、まずは町に行って冒険者ギルドに入るといいですよ。では健闘を祈ります」

そう言い残すと伊藤神の気配が消えたのがわかった。

「就職活動をしていたと思ったら異世界にいた。何を言ってるのかわからないと思うが俺にもよくわからない……」