軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ダンカリができた!

「おっと、行こうか。探索者として出向している者なら、社員証が登録されているはずだからこっちのゲートに社員証をかざして入れば問題ない。俺も同じ場所に行くんだ、案内するよ」

通されたのは、17階の大会議室だ。

集まった部屋にはおよそ100人。

関連会社や子会社を含めて社員数が5万人以上いるはずだけど少ないよね?いや、東京以外の人は行ってこいですぐに行けるわけないのか?

支社など何か所かに集められてるのかな。ダンジョンは日本全国にあるわけだし。

説明を受けた話をまとめると。

1、毎週月曜はダンジョンに行ってもらう

2、ダンジョンから物を持ち帰ってもらう。

国が管理している魔石やドロップ品や、鉱石や薬草など178品目以外のもの。

何か有効活用ができないか研究をし、新しく商材となるものを作り出そうプロジェクトが始まる。

と、いうことらしい。

そして、なんと言っても、8時間はダンジョンにいなければならない義務の時間にカウントしていいって!

土日どちらかをつぶさなくても、月曜日を使って消化できるのはありがたい!

「なるほどねぇ。今までダンジョン産のものはすべて国のもので、ダンジョン管理事務所で売るしかできなかったのが、指定品目以外は好きに売ることができるようになるんだね」

シーザーさんがスマホを見ながらつぶやいた。

なし崩し的に隣同士の椅子に座っている。

「ほら、これ」

スマホの画面を見ると、緊急ニュースして政府発表が流れている。

「え?今、生放送してるのに?なんで、もう集められてるの?」

私の隣に座っていた女の子が低い声を出した。

「うわ、絶対情報漏洩じゃん。国が発表する前にうちの会社、情報をつかんでたってことでしょ?やだやだー、闇だわ~」

どう見ても、20代半ばにしか見えないのだけれど、探索者?

「質問はあるかな?」

壇上で話をしていた人が会場にいる人たちを見回した。

「はいっ、ダンジョンから持ってかえるのは何でもいいの?その辺の石や草でも?」

「ああ、もちろん。欲しがる研究所は少なくない」

「持って帰った物は取り上げられるのか買い取ってくれるのかどっちですか?」

「価値が分かるまでは1品につき定額での買取となる。価値が分かってからは、価値に応じて値段が設定される」

「いくつ持ってくればいいんですか?」

「月に最低1つ。同じものは20まで」

年かさの社員が恐る恐る手を挙げた。

「私は無扶養者動員法で魔石の納品義務もあり、会社に収める品物もとなると厳しいかもしれないのだが」

「魔石の納品数が厳し人は、ここにいる人間で臨時パーティーを組んで必要数を確保するよう会社でバックアップします。やっと民間企業が自由にダンジョンの品を扱えるようになったのです。すでに用途の確立している物ではなく、それ以外の品の有用性をいち早く見つけなければなりません」

へー。魔石納品義務が発生する年齢になっても、クビにならなければ会社が手伝ってくれるってこと?

「うわー、探索者公式ページに、フリマサイト出来てんじゃん!『ダンカリ』だってさ。すでに出品してる人もいる。ダンジョンの中に生えてた雑草バケツに1杯500円。売れてる……適当に草抜いてバケツに入れるだけで500円って、夢しかない」

「8階層の雑草は、10本一束で1000円、20階層だと1万円……そりゃそうか、入手困難になればなるほど高値になるよな!」

興奮していたからか人々の声が大きくなっていて、周りの人がざわざわしている。

「え?会社辞めて探索者で生活できちゃうんじゃね?」

「8階層で、草を100本抜いてきただけで1万?日に2~3万は余裕で稼げるんじゃないか?」

そんなうまい話しはないと思うんだよねぇ。

「ばか。みんなが同じように売るようになればすぐに値崩れするって。やっぱり会社を辞めずに探索者の活動は副業にとどめておいた方がいいって」

「そうだな。確かに。あの志崎さんだって、会社辞めてないんだしな」

ちらちらとシーザーさんに視線が向けられている。

志崎さん?しざき、しーざーき……シーザー……。

「し、志崎さん?」

隣に座るシーザーさんに尋ねる。