軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

レベル100

そうして2週間ほどが過ぎた。

ようやく戦艦はその全貌を見せ始め、タスクも次々と完成していった。

現在リアクターを取り寄せている所で、試作のために1機分だけという状況である。

つまるところメカニック総出で戦艦の方にかかりきりになっていた。

「おー、これが私達の戦艦?」

「クリスか。 機能に特化させているが居住性も十分快適になるように設計してあるぞ。もちろん緊急時は除くが」

「緊急時は私達出撃中でしょ。ならいいじゃない」

おぉ、さらりと外道発言……。

実際時と場合によってはギアのコックピットの方が快適だからな。

夏場とか冬場はエンジンに火いれなくてもコックピットは一定の温度に保たれている。

特殊な断熱材を用いているから気温も湿度も一定に保ってくれるらしい。

よく知らん分野だからあやふやだけど。

「で、どのくらいできてるの?」

「ガワだけなら装甲までそろってる。ただ内部構造はまだ半ばだな。ラインやパイプ繋ぎ途中だし、仕様変更も出そう。一応形になってからリアクター外付けしてみて内部システム動かして、その後でようやくメインのリアクター積んで試運転とチェック、それを何回か繰り返して問題点が無くなったら今度は改良が始まる。そして図面とかけ離れた何かになるまで続く」

「普通図面通りに完成したらそれで終わりよ?」

「普通じゃないんだよ、ここは」

おやっさん達軍のメカニックと言う堅実な人達だけならそれで終わっただろう。

だが学生のアイデアという突拍子もないものが作業の合間に漏れ聞こえたりした瞬間仕様変更しようぜとなってくる。

良くも悪くも人材と思考の幅が広い。

それでいて納期には間に合わせるのだから凄いの一言しか出てこない俺の語彙力よ。

「で、僕達はなんで呼び出されたの?」

「お兄ちゃんはいつも説明不足だから……」

良平と凜もクリスに続いて格納庫に入ってきた。

うむうむ、時間ぴったりだ。

「お前ら三人には訓練を受けてもらおうと思ってな」

「訓練? 学校レベルの話じゃないわよね」

「もちろん、タスク……あの追加装備を使いこなせるようになるための訓練だ」

タスクがいかに優れているかは散々説明したし、みんな理解していた。

ただ使いこなせるかどうかという話になった時即座に頷ける奴がいなかっただけだ。

俺も完璧にと言われるとちょっと難しい。

「Gとか再現してくれるシミュレーターを用意したからな。とりあえずこれで慣れてもらおうという算段だ」

「まぁ、癪だけど必要ね」

「シミュレーターが嫌なら俺がツクヨミ改で耐G訓練させるけど?」

「さぁ! みんなしっかり練習するわよ!」

クリスが手のひらを回転させながら突撃していった。

うん、いや、俺も癪だけど気持ちはわかる。

ツクヨミ改のGってジェットコースターみたいで気持ちいいんだけど、慣れてない人からすると気絶か嘔吐待ったなしなんだそうだ。

最悪死ぬとまで言われたが……ちょっと20にちかいGがかかるだけなんだけどな。

シミュレーターにせよひよっこ向けという印象がパイロット全体に根付いているところがある。

これは良くない慣習なんだが、慣れてきたら実機での模擬戦がメインになってくるからな。

だから難色を示したのはわかるんだが……俺もシミュレーターやろう。

今までの感覚からして倍以上の負荷がかかるのは目に見えているから、ここで俺だけ置いて行かれるのもな。

初期のステージは流石に軽負荷だけど、徐々に負荷が強くなっていくようになっている。

難易度もそれぞれ変えてあるので、負荷だけ気にしているとクリアに至らない事も多い。

中にはタイムアタックもあるし、時間制限ミッションなんかも用意しているからブースターふかしっぱなしが基本になる事もあるな。

それでどの程度動けるかが勝負になってくるが、最初のうちはそれなりに難易度下げている。

後半で似たようなステージで戦う事になるが、そっちは時間制限が短くなったり敵が増えていたりする。

ただそもそも戦闘が発生するミッション自体がそこそこ乗りこなせるようになってからだからな。

最初はマジで動かすだけなんだが……。

「ひぎぃっ!」

「うっ……」

「きっつ……」

三者三葉、難儀しているようだ。

まだジェットコースターレベル100くらいだってのに……。